温暖湿潤な気候を活かした果樹栽培が盛んな和歌山県第二の都市・田辺市。その市内に拠点を構え、生きづらさを抱えた若者に対してユニークな就労支援を行っている団体があります。「Gifted Creative」です。

「安定して生き生きと働き続けるためには、当事者に合った一貫性のある支援が大切」と代表を務める峯上良平さん。

そのためのポイントは、「シェアハウス」、「農作業」、「パラレルワーク」の3つです。安定した就労のためには、まず心身の状態を整えなければなりません。メンタル回復のために、自然に触れる「農作業」と規則正しい生活リズムを作る「シェアハウス」が大きな効果を発揮しています。

さらに「1つの仕事だけでは、収入の不安があったり、人間関係の問題が発生した際に、精神的な負担から辞めざるを得なくなる心配がある。」と峯上さん。それをパラレルワーク(=複業)で乗り越えようというのがGifted Creativeの考え方です。

「生活を支えるために必要な“ライス”ワークと自分のやりたいことを実践する“ライフ”ワークで、仕事とプライベートのバランスを重視しています。」

だからこそ、当事者に合った就労が実現するのでしょう。既存の枠組みにとらわれない自由な発想のキャリア支援。あなたも体感してみませんか?

今回体験できる内容

Gifted Creativeが進める「農業」×「福祉」の取り組みを支援者の視点から学びたい方、現在生きづらさを抱えていて支援を必要としている当事者の方、そのどちらの方にも有益な体験を用意しています。

当事者が取り組みに参加する場合は、シェアハウスでの生活に慣れていただくことから始めます。ですから、今回の参加者もまず各シェアハウスを見学し、Gifted Creativeの支援基盤への理解を深めてください。その上で、農作業やバーベキューなどのレクリエーションを体験します。

「当事者の方と一緒に支援者が暮らすことで、完全に体調が崩れる前に助けを求めてくれたり、私たちが異変に気づいて声かけができたりするんです。」と峯上さん。シェアハウスは、Gifted Creativeの活動において重要なセーフティーネットです。

「基本的にスタッフは当事者でもあった方を雇用しています。当事者の方が抱えるさまざまな困難を実際に乗り越えてきた人たちがサポーターとして活躍しているんです。」

スタッフとのコミュニケーション機会も豊富な今回の体験。当事者としても、支援者としても実体験を伴ったお話が聞けるはずです。