福岡県への移住や就職に興味のある方向けに、地域や仕事場に訪れ、
「くらし」と「しごと」を体験いただく企画が「福岡くらしごと体験」です。

利用者が希望する事業者のもとで「しごと」を体験しながら、
周辺地域の先輩移住者や地域住民の方との交流を通じて「くらし」の体験を行い、
移住後の生活をイメージすることができます。体験費は無料です。その“体験先”をご紹介します。

 

松田衣料品(MOTTETE)


住所:福岡県直方市須崎町4−25/事業内容:衣料品販売、MOTTETE製作

 

福岡県北部に位置する直方(のおがた)市。かつて炭鉱の町として栄えた直方は市の中心を流れる遠賀川には石炭を運ぶ船が行き交い、多くの人々が集います。町中にはいくつもの大きな商店街が生まれ賑わいを見せました。

直方市中心市街地の昭和レトロな空間がたまらない須崎町商店街。その一角にあるのは大正4年(1915年)創業のファッションマツダ。

店内に眠っていた昭和時代の反物を、サコッシュとして新たに蘇らせている「MOTTETE」を立ち上げたのは内徳直美さん。ファッションマツダの4代目です。

ファッションマツダは、経済の発展や時代の流れと共に変化しながら、信用を積み重ね商売をご家族で続けてきました。労働着をつくっていた綿布屋から始まり、「ハレとケ」に必要だった呉服屋、そして洋服専門店へと変化しつつ 50年来のお客様や老舗の問屋さんに支えられて今があります。

「同じものがあるわけじゃない。1つ1つ手に取って見るとどの商品も、優しさとちょっとした工夫や丁寧さがわかるんです」

商品の素材や縫製加工についての豊かな知識と確かな目。そんな細やかな心遣いは、お客様への対応にも感じ取れます。かと言って、敷居が高い雰囲気ではなく、店内にはいつも笑い声が絶えません。

昨年からは婦人服販売の傍ら、呉服屋時代にご両親が仕入れていた絹100%の反物に目を向け始めました。

試行錯誤を重ね、サコッシュ「MOTTETE」の製作、販売を展開しはじめた内徳さん。ご両親から「ファッションマツダ」を受け継ぐために、奮闘中です。

 

松田衣料品(MOTTETE)

今回体験できる内容


今回のくらしごと体験は、内徳さんと共に「MOTTETE」の製作ができます。製作した「MOTTETE」はお土産としてお持ち帰りできます。

裏地の芯張りから生地の裁断、ミシンでの縫製、手縫い仕上げの作業を一からやっていただきます。

昭和の反物や古くから大切に使用されている道具を使っての作業も楽しみの1つ。内徳さん家族の思い出話と共に、製作秘話も伺ってみてください。

また、週に1度(火曜日の午後)に「いきいき百歳体操」が商店街でありますよ。

ご近所さんと和気あいあいと過ごせる時間にもぜひ参加してみてください。商店街を通る方や常連さんとのおしゃべりも、笑いのたえない日常を感じるよいきっかけになること間違いなしです。

 

松田衣料品(MOTTETE)

世代をこえ 素材の肌触りを感じて いつも「もってて」ほしい MOTTETEの誕生


内徳直美さんは直方生まれ直方育ち。大学進学時に一時、故郷を出たものの就職でUターン。百貨店の婦人服売り場に配属されます。

「あとから知ったことですが、母(文子さん)も同じ百貨店に勤めていたらしくって(笑)。ただ、技術ではかないません。母はドレスなんかも縫えるほどの技術を持っているんですが、私は現場で必要に迫られてできることが増えていったという感じなんです」

結婚後、ファッションマツダの手伝いをしながら、親子で商店街での商売を守ってきた内徳さん。時代の変化のなか次第に人通りがさみしくなっていく商店街で、自分のできることは何なのかを模索し始めます。

「今は洋服がメインですが、店の奥にたくさんの昭和時代の反物があったんです。ファブリック素材の巻物として見方を変えると”お宝”を発掘した気持ちになりましたね。私に残された大切な宝物をどうにか人の目に触れ、肌に触れるものにしていきたいと思いました」

「MOTTETE」の生地は正絹の昭和時代の反物。正絹とは天然繊維である絹糸100%からできています。蚕がつくる繭から紡ぐ絹糸は、人間の肌と同じタンパク質。化繊とは違う肌触りのよさと生地の艶の美しさ。

「呉服屋をしていた両親にとって、反物を『着物』以外の何かに変化させることは、素材の良さを知っているからこそ簡単にはできないことでした。この反物たちに光を当てることができるのは私の役目。

試行錯誤を重ね、洋服を仕立ててみたりもしましたが、人によってサイズの違うものをつくると端切れが出てしまうんですよ。少しでも生地を無駄にはしたくなくて。同じサイズで製作できて、洗濯不要でなおかつ『持ち歩けて人に見てもらえるもの』を考えて考えて、行きついたものが『サコッシュ』でした。」

こうして誕生したのが「MOTTETE」です。「想ってて・護ってて・持ってて」がコンセプト。あるものをどう生かし、そのものの素晴らしさをどう伝えるか?そんな想いをこめたネーミングです。

「MOTTETE」では、先々代から受け継がれたミシンや裁縫道具を使用し、反物の生地を余すことなく生かせるよう考えて裁断しています。

反物の柄には、子どもの成長や御祝事への幸せを願う気持ちが込められ、日本の四季折々の生命(蝶や菊、草木、水など)をデザインした吉祥文様が散りばめられています。

「縫い目やつなぎ合わせが生地の絵柄をさえぎってしまわないように製作しているんですよ。」

生地、反物に込められた日本の絵柄、道具、縫製技術。どれ一つ無駄にはしない内徳さんの気配り。今回の体験で、内徳さんと一緒に製作する「MOTTETE」は唯一無二のものとなるでしょう。

 

スケジュール


1日目(13:00~17:00)
1.ごあいさつ、やりたいことや目的の確認
2.MOTTETEの仕事の説明
3.MOTTETE製作の作業
※実際の仕事状況によって変更があります。

2日目(10:00~17:00)
1.MOTTETE製作の作業
※実際の仕事状況によって変更があります。

3日目(10:00~15:00)
1.MOTTETE製作の作業
※実際の仕事状況によって変更があります。
2.体験の感想、質疑応答

 

補足事項


最少催行人数:1名
費用:無料(宿泊費別)※宿泊費は一部補助されます。
宿泊場所 :忘覚庵

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