和歌山県が、2018年4月から企画している起業・就農、就労の体験プログラムが

「わかやま しごと・暮らし体験」です。

利用者が希望する事業者のもとで「しごと」を体験しながら、

周辺地域の先輩移住者や地域住民の方との交流を通じて「くらし」の体験を行い、

移住後の生活をイメージすることができます。体験費は無料です。その“体験先”をご紹介します。

みかん援農(加茂川協議会)

住所:和歌山県海南市下津町方372-1
事業内容:農家と援農者のマッチング

 

和歌山県の北西沿岸部に位置する海南市下津町は、みかんの生産量全国一位を誇る和歌山県下でも屈指のみかん産地。400年以上前に農家が急勾配な山々を開拓し、石積みの段々畑を築きました。世界農業遺産に認定されるほどの貯蔵技術「蔵出しみかん」を確立し、長期出荷を実現していることでも有名です。

しかし近年、過疎化・少子高齢化が進み、後継者不足から農家の廃業が目立ち、休耕地が増えています。なかでも、みかん農家の繁忙期である11・12月は、収穫や運び作業における労働力不足が極めて深刻な状況となっています。

この地域課題を解決しようと、2017年にはじまったプロジェクトが「みかん援農(えんのう)」。

繁忙期に人手を必要とする下津町のみかん農家と、全国から集まった働き手をつなぎます。ひとことで言えば、期間限定の住み込みバイトですが、単なる作業で終わらないのが「みかん援農」の魅力です。

なんといっても醍醐味は、農作業と同時に終始繰り広げられる雑談。下津町で長年実直に農業に携わる人たちと、全国から集まるバックグラウンドの多様な人たち。

農作業を通じて対局にある双方が交流することで、もう一つ故郷ができるような素敵な関係性が築かれています。また、宿泊先は2〜8人のシェアハウスなので、援農者同士の活気あふれる交流も楽しいポイントです。

ぜひあなたも、みかんではじまる出会いを体験しませんか。

今回体験できる内容

加茂川協議会が斡旋役となり、勤務先となる農家と宿泊先の手配を一手に引き受けています。各農家の特性や人柄に合わせ、援農希望者と電話や面談をしたうえで、最大限に相乗効果が引き出せそうな配置を決定します。

作業内容は、ミカン収穫・運び・袋かけなど。作業時間は、農家によって多少異なりますが、休憩を挟んだ朝7時〜夕方5時までの約8時間。

山肌を覆う一面のみかん畑のなか、美しい朝焼けと共に一日がはじまります。日中は日が差して作業に最適な気候に。収穫と雑談に夢中になっている間に夕暮れが訪れます。

【「みかん援農」や下津町の風景を動画で観たい方はこちら】
https://youtu.be/bDiFDhN5URs

これまで地元の農家からは「自発的で一生懸命ないい子たちばかり!」と援農者について喜びの声が多くあがっています。一方、援農者は口を揃えて「地元のおばちゃんやおいやんの話が面白い!」と楽しげな表情で言うそうです。

下津町のみかん農家や、昔から繁忙期に農家を手伝う地元の人たちは、今では70〜80代がほとんど。全国から集まる援農者は20〜30代が多いため、作業に励む援農者たちを子や孫に重ね、快く迎え入れている様子が伺えます。

作業後はシェアハウスへ。自炊となるため、おのおの、ときにはルームメイトと食材を買って調理し、晩御飯を楽しみます。

宿泊先は同じでも勤務先が異なる人もいるため、お互いの普段の仕事や趣味についてだけでなく、それぞれの今日の出来事を共有したり、時には各勤務先でもらったみかんの食べ比べ大会がはじまることもあるのだとか。

援農者が一番多くなる時期に関係者全員を招待した交流会も開催されるため、タイミングが合えばぜひ参加を。「みかん援農」を存分に楽しんでください。

※しごと暮らし体験では「みかん援農」の前に「おためし体験」として、2〜3日間の体験が可能です。産地や土地の歴史の説明や地域の案内をしつつ、農業のお手伝いをしていただきます。

しごと・暮らしの特徴

「みかん援農」を運営する加茂川協議会の大谷さんは、下津町のみかん農家の生まれです。就職を機に県外で働いていましたが、28歳の時、父親が病で倒れたことから継業を決意し、妻子を連れてUターンしました。

「いかに地元の農業を面白くできるか」のテーマのもと、2014年より6次産業化に取り組み、地元の農産物を用いた加工品ブランド「FROM FARM」をスタート。

2018年には、果物をはじめとする地元食材が味わえるカフェ「KAMOGO」をオープンし、今では年間2万人の来客者を迎える人気店となっています。

そして、繁忙期の人手不足が農家にとって最大の課題だと気づき、2017年に「みかん援農」を開始しました。農家や援農者の満足度が高く、次第に評判が広まり、一人では対応が難しいほど需要が増えたことから、2023年に、大谷さんが会長を務める「加茂川協議会」でチームを立ち上げて運営しています。

昨年は約40戸の農家と約70名の援農者をマッチング。「みかん援農」をきっかけに下津町に暮らしの拠点を移した人は、これまで10名ほどいるそうです。なかには、勤務先の農家から農園の一部を譲り受け、就農までした人もいます。

大谷さんは「LCCの便数の多い関西国際空港から車で1時間もかからない下津町は、便利さもあり自然もあり、バランスの良い土地。

そんな可能性を秘めた下津町で、援農という新たな農業への関わり方から、地域を知り、新たな出会いが増え、面白い未来が生まれるきっかけをつくっていけたらいいですね」と笑顔で展望を語ります。

援農者はもちろんのこと、大谷さんの活動全体に関わってくれる仲間も募集中だそう。下津町やみかん農家、そして大谷さんに興味が湧いた方は、まず「みかん援農」から、はじめてみてはいかがでしょうか。

【勤務地】和歌山県海南市下津町
【給与】時給1,100~1,300円(残業代も同様)
※勤務先の農家や時期により給与が多少異なります
【雇用形態】期間限定のアルバイト
※11・12月を中心に、10月や翌年1月も応相談
【必要なスキル】特になし(普通自動車免許があると便利)
【その他、推奨される資格およびスキル】特になし(一生懸命に仕事に励む方)
【勤務時間・曜日】7:00(8:00)~17:00
※上記のうち休憩約1~2時間。実働8時間
※勤務先の農家により就業時間が多少異なります
【待遇・福利厚生】宿泊先(シェアハウス)を安価で紹介します
※個室:21,000円/月、700円/日
※相部屋:15,000円/月、500円/日

スケジュールイメージ

1日目(10:00~17:00)
1.オリエンテーション
・ごあいさつ、やりたいことや目的の確認
・みかん援農の説明
2. 体験先のみかん農家のご紹介
・収穫等のお手伝い

2日目(8:00~12:00)
1. みかんの収穫のお手伝い
・ミカン収穫・運び・袋かけなどを行っていただきます。
2.体験のまとめ
・体験の感想、質疑応答

補足事項

最少催行人数:1名
宿泊場所 :近隣宿泊施設
集合場所:KAMOGO(和歌山県海南市下津町方372-1)

体験経費

参加費:無料
宿泊費:3,000円/泊まで補助あり
※初回の体験のみ適用
食費:実費負担
交通費(自宅~集合場所):実費負担