北西部は日本海、東部は日本百名山にも数えられる白山に囲まれ、豊かな自然環境に囲まれている石川県小松市。自治体別の「多様な働き方が可能な都市ランキング」で1位(※1)、「住み良さランキング」で8位(※2)に選ばれている小松市は、近年子育て世代を中心に移住者が増えている地域です。その背景には、空港や鉄道などの交通網が充実し国内外へのアクセスの良さや市独自の手厚い子育て支援があります。今回はそんな小松市で家族で暮らす魅力や子育て支援環境、移住した子育て世帯のリアルな声などを2回(前編・後編)に分けて紹介します。

※1 日本経済新聞社・東京大学調べ(人口10万人以上都市 287市区 2020年1月時点調査 )
※2  東洋経済新報社「都市データパック2020年版」

「住み良さランキング」で高評価! 快適に暮らせる小松市地域の魅力

石川県の南部に位置する小松市。 小松空港は北陸の空の玄関口として、東京まで約1 時間で移動できるほか、アジアや国内の主要都市ともつながっています。また、2024 年3 月16 日には北陸新幹線小松駅が開業します。速達タイプとなる「かがやき」の停車などにより東京まで乗り換えなしの直通となるほか、大阪・名古屋方面へ約2 時間半(※3)で移動できるなど、アクセスに便利な環境が整っています。

※3北陸新幹線とJR 特急列車の乗り継ぎの場合

国内線4路線(札幌、羽田、福岡、那覇)、国際線3路線(台北・上海・ソウル)が定期便として就航している

小松市内の美しい里山の風景が残る山間部には大倉岳高原スキー場のほか、十二ヶ滝や荒俣峡、日用苔の里などの景勝地があります。また中間部には大型ショッピングモールやスーパーなどの都市機能が整備されており、安心かつ快適に暮らせる地域です。そんな小松市は東京経済新報社の都市データパック2020年版「住み良さランキング」で、全国812市区の自治体中8位を獲得しており、安心・快適・利便性など全ての指標でバランスが非常に良い住みやすいまちとなっています。

白山の景観とウィンタースポーツを楽しめる大倉岳高原スキー場

小松市には日本の原風景が残る農山村の自然環境に育まれた豊かな食文化があります。お米やにんじん・トマトといった農作物のほか、日本海の新鮮な海の幸、白山水系の清水と米で作られる日本酒など、様々な名産を味わうことができます。

地元住民から愛される「小松うどん」(提供:こまつ観光物産ネットワーク)

「奥の細道」で知られる松尾芭蕉が、小松の門人から贈られたとも言われ、文化庁の100年フードや特許庁の地域団体商標にも登録されている「小松うどん」は、細めで柔らかくコシのある麺が特徴です。そのほか「塩焼きそば」や「トマトカレー」「カニの甲羅揚げ」など、地元産の食材を活かしたグルメはまさに絶品です。

家族で気軽にアクセスできる自然豊かなスポットが充実

北西部には日本海、東部には白山があり、山と海という両方の自然を楽しめることも小松市の魅力。市街地から車で30分圏内に、家族でアウトドアを楽しめる環境が揃っており、豊かな自然の中で子育てをすることが可能です。

澄んだ空気と緑の中で初心者でもキャンプが楽しめる「西俣キャンプ場」

小松市の南東部にある「西俣キャンプ場」では、夏は西俣川での川遊び、春秋は山菜取りや栗拾いなどが楽しめます。炊事場やコインランドリー、シャワー室なども整備されており、小さなこどもでも安心して自然散策ができる人気の遊び場となっています。

草花や野鳥などの観察を年間を通して楽しめる公園「憩いの森」

小松市の東部、国道8号バイパスに隣接している「憩いの森」は、四季折々の草花や野鳥を見ることができる自然豊かな公園です。園内ではバーベキューやハイキングを楽しめるほか、江戸時代に建てられた茅葺き屋根の古民家(中村家・米谷家)が移転復元されており、日本の歴史や文化も感じることができます。

夏はつかみ取りした岩魚を焼いて楽しめる「里山自然学校 大杉みどりの里」

同じく市街地から南東へ約25kmに位置する「里山自然学校 大杉みどりの里」は、夏は大杉谷川沿いで蛍の観察や岩魚つかみ、冬は山でクロスカントリーやそり遊びなどの野外体験が楽しめるスポットです。年間を通して様々な自然体験プログラムを提供しており、学校行事やサークル活動でもよく利用されています。

子どもが遊具を楽しむことができる「木場潟公園」

小松市中心部のほど近くにある木場潟公園は、白山や田園風景と調和した木場潟を自然のまま残した水郷公園です。東西南北4つの園を結ぶ6.4kmの周遊園路には約1,700本の桜並木が続いており、開花の時期には潟を取り囲む「木場潟」「桜」「白山」が織りなす絶景を見ることができます。また、令和5年4月には、里山を「学び」、「遊び」、「体験」できる公園となる「東園地」が新たに整備されオープンしました。樹木遊具・芝生広場などの遊び場やカフェ・足湯などの憩いの場、農業体験ハウスやペレット製造機など体験学習の場があり、親子で楽しめるイベントをたくさん開催しています。

多様な働き方ができる自治体1位にランクイン!子育て世代が育児と仕事を両立しやすい環境を整備

2022年4月に整備された小松市立松東こども園は、木材がふんだんに用いられた温かみのる園舎(写真は絵本ホール)

小松市は、2021年に日本経済新聞と東京大学が行った共同調査で、学童を含む保育環境、福祉施設の充実度合いが評価され「多様な働き方が可能な都市」第1位に選ばれました。市内では育児休暇をとる男性が増えており、こども園・保育所と学童保育の待機児童もゼロと、子育て世代が働きやすい環境が整えられています。

世界的な建設機械メーカー「小松製作所」は小松市の代表的な企業(写真提供:こまつ観光物産ネットワーク)

小松市は、建設機械の世界的メーカー小松製作所の創業の地であることから、ものづくり産業が発展している地域です。市内には製造業を中心に多様な産業が集積しているほか、県庁所在地の金沢市にも近いため、通勤時間が比較的短いのも特徴。かつ、オフィスへの出勤・在宅勤務のいずれも選択しやすい環境が整っており、仕事と子育てを両立しやすい地域と言えるでしょう。

テレワーク環境の充実により、若い世代を中心に都心部からの移住相談が増えている

また小松市は、テレワーク推進にも積極的です。​​22年に市内企業のテレワーク用の設備導入などのデジタル化に対する補助制度(最大75万円)とサテライトオフィスの設置に対する補助制度(最大1500万円)を創設。多様な働き方を望む若い世代から移住先として注目を集めており、東京の仕事をしながら家族との生活は小松市といった選択をされる方も増えています。