熊本の県南エリアへの移住が注目を集める理由

「熊本の県南エリア」と聞いて、どんなイメージが浮かぶでしょうか? 熊本城? 阿蘇? 天草? ……残念、それらは熊本の県南エリアには含まれないのです。
熊本の県南は字の如く熊本県の南部にあたるエリアの総称。3つの市と3つの郡で構成されています。西に八代海、東に宮崎県、南に鹿児島県という県境。熊本市の中心部までは車で1〜2時間と、なかなかの郊外です。

しかし近年、そんな熊本の県南エリアが地味に移住先として注目を集めているというのです。都市部出身者にとっては「なぜわざわざ?」というのが正直な感想でしょうか。その疑問を、実際に熊本の県南に移住した人の声から探ろうと思います。

その前に、まずは熊本の県南についてざっとインプットしましょう。
熊本の県南エリアの中核である3つの市、八代市・人吉市・水俣市の特徴をざっくりとお伝えします。

 

八代市:歴史情緒とくまモンが迎える熊本第二の都市

熊本県第2の人口を誇る八代市(やつしろし)は、熊本の県南エリアの中心的な都市の一つ。ピンと来た方、ご名答。日本が誇る名歌手、故八代亜紀さんの出身地です。

八代城の城下町として栄えた八代市。開湯600年の日奈久温泉街、日本遺産「石工の郷」、天空の秘境「五家荘」、八代海に浮かぶパワースポット「龍神社」など歴史的な名所が点在する歴史情緒あふれるまちでもあります。

近年では商業施設や公共交通機関の整備が進み、都市部としての機能も充実。国の重点港湾でもある「くまモンポート八代」では大小84体のくまモンが出迎えてくれました。

普段のお買い物は大型ショッピングモール「ゆめタウン」が定番だそうです。市内中心部に、登録だけで無料利用できるコワーキングスペースがあるというのも魅力的すぎ!

新幹線が停まる新八代駅のほか高速ICも3ヶ所もあり、長距離移動も楽。車はあった方が良さそうですが、県南の主要都市ということもあって都会の利便性と田園風景の両方を楽しめそうです。

八代市の基本データ

    • 人口:約12.1万人(2024.2月)

 

    • 世帯数:約5万7千世帯(2024.2月)

 

    学校数:小学校:24、中学校:15、高等学校:8

熊本空港から八代市へのアクセス

    • 車:熊本空港から八代市まで約50km、約1時間のドライブ。

 

    電車:熊本空港から熊本駅まで空港リムジンバスで約40分。そこからJR特急や普通列車で約40分〜1時間で八代駅へ。

八代市のおすすめポイント

    • 0〜5歳児の保育料が無償!※

 

    • 0〜18歳の医療費の自己負担なし!※

 

    • 無料のコワーキングスペース「

SUNABACO八代

    • 」(有料で宿泊も可)

 

    ※無償化の範囲等は要問合せ

 

人吉市:歴史あり川あり温泉あり。人吉球磨地方の中心部

熊本の隠れた宝、人吉市(ひとよしし)。九州山地に抱かれ寒暖差が激しい盆地のため、まちの名物でもある美しい霧に包まれる魅力的な地です。日本三急流のひとつ球磨川を行く「球磨川くだり」は有名。近年はその激しさを五感で楽しむラフティングが人気の模様です。

お酒好きの方なら「球磨焼酎」をご存じかと思いますが、人吉球磨エリアはその生産地。スコッチウイスキーやボルドーワイン、コニャックブランデーのように、地名を冠する数少ないお酒のブランドとして知られています。熊本でも有数の米どころということで、もちろん米焼酎です。

かつては「陸の孤島」と呼ばれていたこの地も、交通網の発展により周辺都市へのアクセスが向上。熊本市、宮崎市、鹿児島市まで約1時間で行けるようになり、車があれば困ることはなさそう。今や文化、生活の中心地として、さらには県境を越えた交流の場となっています。

そんな人吉市で大注目なのは、人気アウトドアブランド〈スノーピーク〉のシェアオフィス・コワーキングスペース「Camping Office osoto Hitoyoshi」があること! 球磨川沿いにあり景色は最高な上に、何とホテルも併設、源泉掛け流し温泉も併設(2024年春にリニューアルオープン予定)なので仕事→温泉→寝るが可能。キャンプギアに囲まれて外で中で過ごして、働いて。もはやここに住みたい。
まずはワーケーションから人吉市の魅力に浸ってみるのがオススメです。

人吉市の基本データ

    • 人口:約3万人(2024.2月)

 

    • 世帯数:約1万5千世帯(2024.2月)

 

    学校数:小学校数:6、中学校数:3、高等学校数:2

熊本空港から人吉市へのアクセス

    • 車:熊本空港から人吉市まで約90km、約1時間15分のドライブ。

 

    • 電車:熊本空港から熊本駅まで空港リムジンバスで約40分。そこからJR特急や普通列車で約1時間30分~2時間で人吉駅へ。

 

    ※八代駅から人吉駅までを繋ぐ肥薩線が令和2年に起きた豪雨災害による不通状態が現在も続いているため、人吉市までは熊本駅から人吉駅まで高速バスで行くのがおすすめです。

人吉市のおすすめポイント

    • 3〜5歳児の保育料が無償!※

 

    • 0〜18歳の医療費の自己負担なし!※

 

    • 源泉掛け流しの温泉が併設!コワーキングスペース「

Camping Office osoto Hitoyoshi

    • 」(有料で宿泊も可)

 

    ※無償化の範囲等は要問合せ

 

水俣市:徒歩生活も可能!?コンパクトな環境モデル都市

熊本県の南端にあり、鹿児島県との県境に位置する水俣市(みなまたし)。八代海に面したリアス式の美しい海岸線や、海の「湯の児温泉」・山の「湯の鶴温泉」といわれる情緒たっぷりな温泉街があるのも魅力です。

水俣といえば……で思い浮かんでしまうのが水俣病ですが、そんな歴史をすっかり乗り越えて更に先に行っているのがイマの水俣市。近年は環境保護への先進的なチャレンジを推進しており、1994年に日本初の「環境モデル都市づくり宣言」を行いました。今は世界中から注目を集めるエコ都市になっています。

そんな水俣市は、市の面積のうち約4分の3が森林。つまり市街地がコンパクトにまとまっているのも暮らしやすさのポイントということ。中心地に住んでしまえば、「直径4kmくらいなので徒歩で生活できる」と水俣市民談。車があれば20分ほどで温泉街にも行けて、QOLはきっとバリ高。
新幹線が停車する新水俣駅から熊本駅・新鹿児島駅までどちらも約30分。高速ICもあり、市街地とのアクセスも良好です。

筆者的オススメは道の駅「Shop&Cafeミナマータ」。何と江口寿史氏デザインの限定ポスターが複数柄あるんです。ここでしか会えない美少女たちの姿を見てほしい!

水俣市の基本データ

    • 人口:約2.2万人(2024.2月)

 

    • 世帯数:約1万1千世帯(2024.2月)

 

    学校数:幼稚園・保育所数:14、小学校数:8、中学校数:5、高等学校数:1

熊本空港から水俣市へのアクセス

    • 車:熊本空港から水俣市まで約90km、約1時間15分のドライブ。

 

    電車:熊本空港から熊本駅まで空港リムジンバスで約40分。そこからJR特急や普通列車で約1時間15分~1時間30分で水俣駅へ。

水俣市のおすすめポイント

    • 3〜5歳児の保育料が無償!※

 

    • 0〜18歳の医療費の自己負担なし!※

 

    • グッズ&食のセレクトが素敵すぎ!青果も安い!道の駅「Shop&Cafeミナマータ」

 

    ※無償化の範囲等は要問合せ

 

熊本の県南移住ならこの人に聞け!

「地味だと思ったけどなかなかイイんじゃないか熊本の県南」と思ったなら、次はどんな人が活躍しているのかを知りましょう。
熊本の県南エリアへの移住を果たした先輩移住者2名をご紹介。熊本県南暮らしについてはもちろん、起業を考えている人へのメッセージもいただきました。

商品企画/デザイン/PR/プランナー 武末さん

武末 TAKESUE
熊本県熊本市出身・東京や福岡を経て現在は熊本県芦北町在住
Instagram @ashikita_grm

もともとブランドやPRに興味があり広告業界に就職。後輩が地方創生の仕事に転職し移住したことを機に芦北町に移住。芦北町の地域おこし協力隊での任期を完了し起業。現在は地域の企業の商品開発、ブランド化やパッケージデザイン制作、自社商品販売(シロップ)等を行っている。

武末さんコメント

「芦北町のいいところは、まず海と山と温泉が同時に町内にあるところ。海水浴、魚釣り、キャンプ、温泉も200円から楽しめます。
次に、交通の便がいいところ。高速のインターが町内に2つ、南九州道は無料区間。新幹線の駅は新八代、新水俣が利用できます。
また、農業などの一次産業の産地がすぐ身近にあるので、食費があまりかからないのもポイントです。

実際に住んでいて、正直、阿蘇や天草のブランド力には及ばないため、別の切り口が必要だと感じます。実際に阿蘇・天草ではこれからの起業は競合が多すぎて難しいという話を耳にすることもあり、熊本県南で起業する方も少ないですが見かけます。これからの可能性を大いに秘めた地域なのは間違いありません!」

 

悠久農園 代表 矢山 隆広さん

矢山 隆広 TAKAHIRO YAYAMA
熊本県熊本市出身・東京勤務を経て現在は熊本県球磨郡多良木町在住
Instagram @yayamaya880

東京で事務職員として働いていた時に熊本を大きな地震が襲い、両親が熊本にいたことから、何かあった時すぐ駆けつけられるようにと熊本へのUターンを決意。
多良木町の地域おこし協力隊に就任し、協力隊のミッション「地域資源の活用」から着想を得て、地域の放置竹林から採れたタケノコを活用した「多良木メンマ」を商品化。2023年にはおにぎり屋もオープン。

矢山さんコメント

「私が暮らしている人吉球磨エリアは山々に囲まれている盆地で、独特で緩やかな空気感に包まれています。霧の多いエリアであることから周囲の山に登ると人吉球磨をすっぽりと覆う雲海を見ることができます。
大都市から離れた地方だからこそ、何か事業を起こそうと思った時に競合が少ないという点は、ビジネスをする上で大きなチャンスに繋がります。やりたいことをやっていれば、第一人者になれるし、活躍の幅も広い。
人口の母数が少ないというのがネックではありますが、地方なので東京などと比べても生活コストが低いので、小さいながらも何とか成り立ちます。
熊本の県南での起業に向いているのは、何が何でも自分でやる!と積極的に行動を起こせる人かも。人吉球磨エリアもこれからの可能性を大いに秘めた地域だと思うので、野心がある人にとってはぴったりな環境かもしれません」

 

まとめ:熊本の県南エリアへの移住で見つかる新たな暮らしの可能性

いかがでしたか?
九州内や都市圏からの移住者も増えつつある熊本の県南エリア。豊かな自然や歴史的な風景に囲まれたまち=地味で不便?という印象から、「実は住んでみると不便すぎることもないし、むしろQOLが爆上がりする可能性しかない!」というポジティブなイメージに変わったのではないでしょうか。

これからの新しい生活の舞台として、まずは熊本の県南エリアのことをもっと知って、行ってみて、その魅力にはまっていただければ嬉しいです!

熊本県移住定住ポータルサイト

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