北海道の日本海側、留萌管内の南部にある小平町(おびらちょう)で、地域おこし協力隊員を2名募集します。

ひとつは、役場のITを支える「ICTサポート」。もうひとつは、移住の入口に立つ「移住・定住担当」。このまちの役場には、ITの専任がいません。移住の相談窓口には、専任の担当者がいません。今回の募集は、その空席に座る2人を探すものです。

頼って、頼られて。それが、このまちの仕事のすすめ方。この記事では、小平町というまちのこと、なぜこの2人を募集するのか、3年間の働き方と「3年後」の話まで、少し丁寧にお伝えします。ITの仕事で誰かの役に立ちたい方、自分の移住経験そのものを仕事にしてみたい方は、ぜひ最後までお読みください。

1. 小平町というまち

北海道の日本海側、留萌管内の南部。ホタテ、タコ、ウニ。海の恵みと農業とともに暮らしてきた、人口約2,600人のまちです(2,550人/1,473世帯、令和8年9月1日現在)。西は日本海に面し、残る三方は山に囲まれた、東西34km・南北32kmのまち。南は留萌市、北は苫前町に隣接しています。

日常の買い物は町内と、車で約15分の隣の留萌市で。空の玄関は旭川空港(車で約1時間50分)です。

ニシンで栄え、ホタテで生きるまち

明治から大正にかけてニシン漁で栄え、日本海を望む鬼鹿地区には、明治38年建築・道内最大規模の鰊番屋「旧花田家番屋」(国指定重要文化財)が当時の姿のまま残ります。いまはホタテ稚貝の主要産地。タコ・ウニ・ホタテの「育てる漁業」と、メロンをはじめとする農業のまちです。

「道内で小平だけ」の素材があるまち

殻付きの活ホタテ、朝あがったタコ、6月〜9月だけのうに。そして道内では小平町だけがつくる希少品種「アイボリーメロン」。ふるさと納税の返礼品にも、これだけの素材が並んでいます。2人に共通する仕事「情報発信・ふるさと納税PR」の、最高の素材でもあります。

暮らしの制度が、実はしっかりあるまち

18歳までの医療費全額助成、こども園の保育料無料化、高校生の通学定期助成。町の中心部には温泉宿泊施設「ゆったりかん」。暮らしを支える土台は整っています。あとは、このまちに興味を持った人を受け止める「人」がいれば。

2. なぜ、この2人を募集するのか

小さなまちでは、「その道の一人目」がずっと空席のまま、ということがよくあります。

パソコンの調子が悪いとき、いまは職員がそれぞれ手を尽くし、外部の業者さんの力も借りながら対応しています。そして、このまちへの移住を考えてくれた人が、最初に気軽に相談できる相手もまだいません。

  • 役場に、ITの「頼れる人」がいない──「困ったら、まずあの人に聞けばいい」と思える人が一人いるだけで、みんなが安心して自分の仕事に向かえる
  • まちの魅力が、まちの外に届いていない──素材は揃っている。足りないのは「届ける」ことを仕事の真ん中に置く人
  • 「移住したい」を、受け止める人がいない──相談にのり、案内し、仕事や住まいにつなぎ、根づくまで隣を歩く人

役場のIT専任 0人。移住相談の専任 0人。だから、あなたが「一人目」です。

3. 募集する2つの仕事

それぞれの主担当に加えて、情報発信や地域活動など、2人に共通する活動があります。地域活動は、ただの「お手伝い」ではなく企画から関わってもらう予定です。まちの人と顔見知りになる、いちばんの近道でもあります。あなたを知って応援してくれる人が増えるほど、任期のあともこのまちに根を張ることが、ぐっと自然になっていきます。

ROLE ① ICTサポート ― 「困ったら、まずあの人」になる ―

メインの仕事は、役場のITを支えることです。パソコンが動かない、ネットワークがつながらない。そんなとき最初に駆けつけて、状況を切り分け、解決までたどり着く。新しい機器やシステムを入れるときには、「何を選べばいいか」を一緒に考える。庁内の「一人目のIT担当」です。

主な活動内容

  • 庁内のパソコン・ネットワーク等のトラブル一次対応、機器の設定・管理
  • ICT機器・システムの導入支援
  • その他情報関係業務(町ホームページのリニューアル等)に、時期に応じて参加

こんな方に向いています

  • 「困った」と言われたら、放っておけない方
  • 「何でも屋」として頼られることを、むしろ面白がれる方
  • 大きな組織の中で、自分の仕事が誰の役に立っているのか見えづらくなっている方。ここでは、直した相手の顔が見えます。感謝は、名前で届きます

※ITの実務経験(情報システム・ネットワークの運用保守、ヘルプデスク等)がある方を歓迎しますが、必須ではありません。

ROLE ② 移住・定住担当 ― 「住みたい」が、最初に届く人になる ―

この仕事のいちばんの資格は、「自分自身が移住者であること」です。移住前の不安も、手続きの大変さも、来てみてはじめて分かるまちの良さも。あなたがこれから経験することのすべてが、移住を考える次の誰かのための道具になります。そして、あなた自身が小平町での暮らしを楽しみ、発信すること。それ自体が、このまちの入口をつくる仕事です。

主な活動内容

  • 移住希望者への相談対応・案内
  • 移住・定住に関する情報発信
  • 移住希望者と町内の事業者や仕事との接続
  • 移住者の受け入れ・移住後の定着支援

こんな方に向いています

  • 人の相談にのったり、初対面の人と話したりすることが好きな方
  • 自分の移住経験そのものを、仕事にしてみたい方
  • SNS等での発信経験がある方(フォロワー数は問いません)

※写真やデザイン、動画編集など「見せ方」のスキルがある方は歓迎しますが、必須ではありません。

2人に共通する活動(2人で分担)

  • 町の情報発信、ふるさと納税に関する情報発信・PR(得意分野を見て分担を調整)
  • 地域活動(町内行事・イベントの企画・運営協力、幼稚園での交流活動 等)
  • 協力隊員の個性を活かした活動、その他町長が必要と認める活動

 

4. 3年間の働き方イメージ

着任から3年間の働き方を、年ごとのイメージでまとめました。あくまで一例で、実際の進め方は、あなたの経験や得意分野に合わせて相談しながら決めていきます。

YEAR 1|暮らしをつくり、顔を覚えてもらう年

住まいと暮らしを立ち上げ、役場の人・まちの人と顔見知りになる。町内行事に参加して、まちの一年のリズムを知る。

  • ICT:庁内のパソコン・ネットワーク・機器の現状をまるごと把握。外部のシステム会社とも連携しながらトラブル対応を重ね、「困ったらまずあの人」の信頼をつくる。一人で抱える仕事ではありません
  • 移住定住:自分自身の移住のプロセスを、そのまま記録し発信する。移住相談の窓口を立ち上げ、町内の住まい・仕事・事業者の情報を棚卸しする

YEAR 2|自分の色を出し、任期後の道筋を決める年

情報発信・ふるさと納税PRの分担が固まり、それぞれの得意なやり方で「届ける」仕事を本格化。地域活動では企画側に回る。

  • ICT:繰り返すトラブルは原因から潰し、よくある困りごとは手順書に。「駆けつける仕事」を「起きる前に防ぐ仕事」に変えていく。機器・システムの導入では、外部のシステム会社と庁内の間に立つ「町側の窓口」になる
  • 移住定住:相談対応→案内→仕事・住まいへの接続、という流れをかたちにする。移住体験住宅を活かした受け入れ企画や、移住イベント・発信企画を自分の企画として回す

そして、任期後は起業か、就業か──自分の道筋を、町・移住のすゝめと相談しながら決めていく。

YEAR 3|仕組みをつくって、自分が担い手になる年

2年目に決めた道筋を、実際に動きながらかたちにしていく。研修・資格取得の助成制度は、この準備のためにも使えます。

  • ICT:庁内のITを支える仕組みをつくり上げ、任期後はそれを自分が担いつづける。町職員として働きつづけるか、起業して町から業務委託で請けるか──「自分が担える形」そのものを、自分でつくっていく
  • 移住定住:移住者同士、そして移住者とまちの人がつながるコミュニティをつくる。自分が築いた受け入れの仕組みとつながりを、任期後も自分の仕事として担いつづける

 

5. 応募の前に、3年後の話を。

協力隊を考えるとき、いちばん気になるのは「3年後、どうなるのか」だと私たちは考えています。だから、いま考えられる可能性を、応募の前に正直に書いておきます。

進路は、大きく分ければ「就業」か「起業」のふたつ。そのうえで、このまちなら例えばこんな道がある、という4つを挙げます。どの道も、最初から用意されているわけではありません。日々の活動を通じて、まちの人との間に信頼を積み重ねた、その先に開けていく道です。それでも確かなのは、このまちがあなたの3年後を「自分ごと」として考えている、ということです。

PATH A|町職員という道 小平町は、協力隊の3年間を「お互いを知る時間」と考えています。これまで、協力隊から町職員への登用の実績はありません。それでも、活動を通して適性と信頼が積み重なれば、引き続き町職員としての任用も考えられます。「3年経ったら終わり」という前提のまちではありません。

PATH B|町内の事業者で働きつづける道 任期中に磨いたITや発信のスキル、そして3年間で築いた人のつながりは、町内の事業者にとっても貴重な力です。専門分野にこだわらず、まちの中で自分に合う仕事を見つけて働きつづける道もあります。

PATH C|起業して、町のITを請け負う道 職種①のイメージ。庁内のITを支える仕組みを自分でつくり上げ、起業して、町から業務委託で請けつづける。研修・資格取得への助成制度はそのための投資に使えます。副業も可能なので、任期中から仕事の種を育てられます。

PATH D|移住・定住の仕事を続ける道 職種②のイメージ。まちの移住・定住の取り組みは、これからが本番です。任期中に築いた人のつながりと経験を活かして、この分野の仕事を自分の仕事として続けていく道です。

6. 一人にしない体制

仲間が、もう一人います 今回の募集は2名。着任のタイミングはそれぞれの都合に合わせて調整するため、前後することもあります。それでも、ミッションは違えど、同じ立場でこのまちに飛び込み、同じ目線で悩んだり喜んだりできる仲間がいる。それは、心強いことです。

先輩隊員が、まちにいます 小平町には、農業分野で活動する協力隊の先輩が1名います。移住してきた日の不安も、まちに馴染んでいく道のりも、経験した人がすぐ近くにいる。このまちで最初の協力隊になるわけではない、というのも安心材料のひとつです。

役場・企画振興課と二人三脚 活動の拠点は役場。企画振興課の担当者と日々相談しながら動けます。

移住のすゝめが、定住に向けて伴走します 支援団体である一般社団法人移住のすゝめが、応募前のカジュアル面談から、任期中の研修・相談、起業・定住に向けた準備まで、3年間の伴走を通してサポートします。目指すのは、任期を終えること、ではなく、そのあともこのまちで暮らしつづけていることです。

7. こんな方におすすめ

  • 頼ったり、頼られたり。人との関わりを大切にしながら働きたい方
  • 3年で去るのではなく、その先もこのまちで生きていく前提で考えたい方
  • 「まだ仕組みがない場所」で、まちの人と一緒に仕組みをつくっていくことにワクワクする方
  • 顔の見える相手のために、自分の経験を活かしたい方(職種①:IT/職種②:ご自身の移住経験)
  • 安定した雇用の足場で、腰を据えて地域に関わりたい方
  • 海の近く、自然の近くで暮らしたい方

8. 小平の暮らし

海と夕日 西は日本海。水平線に沈む夕日は、暮らしの中の日常です。夏は海水浴場が賑わいます。

食と旬 小平町産のうにを食べられるのは6月〜9月だけ。臼谷漁港の直売所には殻付きの活ホタテが並び、朝あがったタコはその場で釜茹でして直売。春はニシンとホタテ稚貝の水揚げから一年が始まり、畑からは小麦「ルルロッソ」やメロンが届き、秋はサケと新米の季節です。

農の恵み 内陸部では農業も盛ん。春の田植えに始まり、夏は小麦「ルルロッソ」やメロン、秋は新米が実ります。なかでもアイボリーメロンは、道内では小平町だけがつくる希少品種です。

歴史 ニシン漁で栄えた時代の面影を残す、国指定重要文化財「旧花田家番屋」。道の駅「おびら鰊番屋」はまちの顔で、いまも番屋を舞台にまつりが開かれます。

温泉 町の中心部に温泉宿泊施設「ゆったりかん」。光明石温泉の大浴場とサウナがあり、日帰り入浴は大人500円。仕事帰りに寄れる距離です。

子育て 18歳までの医療費を町が全額助成。こども園の保育料は無料。高校生の通学定期も町が差額を負担するなど、子育て支援は手厚いまちです。

日本海側の雪と風は、正直、楽ではありません。それも含めて、カジュアル面談で率直にお話しします。厳しさと同じだけ、静かな美しさのある季節でもあります。

9. 募集要項

詳細は「小平町地域おこし協力隊募集要項」をご確認ください。

項目内容
募集職種① ICTサポート/② 移住・定住担当
募集人数各1名(計2名)
雇用形態小平町の会計年度任用職員として、小平町長が委嘱
活動場所小平町役場 他
報酬月額29万円(社会保険料・雇用保険料の本人負担分が差し引かれます)
勤務週5日(月〜金)8:30〜17:00 ※土日祝勤務時は代休対応 ※業務内容により変更する場合があります
休日土日祝・年末年始(休暇は町の会計年度任用職員に準じます)
任期採用の日〜令和9年(2027年)3月31日(活動への取り組み姿勢や事業成果等により1年ごとに更新、最長令和11年(2029年)3月31日まで)
着任時期採用決定後、協議のうえ決定(令和8年度内=2027年3月末までに着任できる方)
副業
住居町で斡旋します(家賃は自己負担。金額は住宅の種類によって、定額のものと所得に応じて決まるものがあります)
車両自家用車(任意保険加入済に限る。借上料として月額3万円・燃料代含む)または町の公用車
研修等起業・定住に向けて必要と判断した研修・資格取得等への助成あり。一般社団法人移住のすゝめによるサポート・研修あり
引越し家族連れで着任する場合、引越し経費を助成(1回限度)
応募要件委嘱する日において満20歳以上(性別不問)/3大都市圏・地方都市等在住で、採用後に小平町へ住民登録を移し居住できる方(地域要件あり・過疎地域以外からの移住が条件)/令和8年度内(2027年3月末まで)に移住・着任できる方/任期後も町内で起業・就業して定住する意欲のある方/地域住民や関係機関・団体と協力しながら、地域を元気にするために精力的に活動できる方/普通自動車運転免許を有する方/PCの日常利用とSNS等での発信ができる方/地方公務員法第16条に規定する欠格条項に該当しない方
歓迎スキル職種①:情報システム・ネットワークの運用・保守や機器管理、ヘルプデスク等の実務経験、情報処理に関する資格/職種②:接客・相談対応等の対人業務、SNS等での継続的な発信、デザイン・写真・動画編集の経験、ご自身の移住経験/両職種共通:情報発信に関する経験(いずれも必須ではありません)
応募書類履歴書(任意様式・顔写真貼付)/職務経歴書(任意様式)/小平町地域おこし協力隊応募用紙 ※履歴書・職務経歴書の参考様式あり。パソコンでの作成可。顔写真は画像データの貼り付けで構いません
受付随時(採用者が決定し次第、受付終了)

※地域要件:地域おこし協力隊は、いまお住まいの地域によって応募の可否が決まる制度です。ご自身での判断が難しい場合は、お住まいの市区町村や郵便番号がわかれば、移住のすゝめで確認してお答えできます。お気軽にお問い合わせください。

 

10. 応募までの流れ

応募は、オンラインのカジュアル面談から始まります。受付は随時。採用者が決定し次第、終了します。

STEP 01|カジュアル面談(オンライン) 応募前に、原則みなさんに受けていただく事前面談です(選考ではありません)。窓口は一般社団法人移住のすゝめ。「応募するか迷っている」段階でのお申し込みも歓迎です。お申し込み後、面談のご案内とあわせて応募フォームのURLをメールでお送りします。

STEP 02|応募(書類提出) カジュアル面談を経て意思が固まったら、メールでご案内した応募フォームから、履歴書(顔写真貼付)・職務経歴書・小平町地域おこし協力隊応募用紙をご提出ください。履歴書・職務経歴書の様式は任意です。

STEP 03|第一次選考(書類選考) 小平町が書類選考を行い、結果を応募者全員にメールで通知します。合格者は地域要件確認のため住民票の写しを提出いただきます。

STEP 04|第二次選考(現地面接) 第一次選考合格者を対象に、小平町内で面接を実施します(詳細は別途通知)。面接に要する交通費等は自己負担となります。

STEP 05|採用決定・着任準備 令和8年度内(2027年3月末まで)の着任を想定し、協議のうえ着任時期を決定します。

11. 町長からのメッセージ

小平町は、ニシン漁の時代から、海とともに生きてきたまちです。いま、このまちは人口減少という大きな課題の中にいます。しかし私たちは、課題の数だけ、新しい人の力が活きる場所があると考えています。

今回募集する2人には、「3年間の隊員」ではなく、「このまちの未来を一緒につくる仲間」として来ていただきたい。任期が終わったあとも小平町に住み続け、それぞれの道で活躍してもらえるよう、町として精一杯支えます。

まずは一度、このまちを見に来てください。お会いできる日を楽しみにしています。

―― 小平町長 関 次雄

12. 問い合わせ・応募方法

まずは、話を聞きにきてください。応募は、オンラインのカジュアル面談から始まります。選考の場ではないので、仕事の中身、まちの様子、報酬や暮らしのこと、3年後のことまで、何でも聞いてください。「応募するか、まだ迷っている」──その段階で、どうぞ。

カジュアル面談の申し込みはこちら https://iju-susume.jp/recruit/obira-2026/apply/

募集ページ(詳細) https://iju-susume.jp/recruit/obira-2026/

[問い合わせ・面談窓口] 一般社団法人移住のすゝめ(募集業務委託先) 担当:奥田・立花/obira@iju-susume.jp

[募集機関] 小平町役場 企画振興課 担当:秋山・米田/0164-56-2111 〒078-3392 北海道留萌郡小平町字小平町216番地