地方にクリエイティブな仕事は無い、そんな風に考えている方も少なくないでしょう。

地元三重の住宅会社「株式会社サンクスホーム」で“広報”として働き、挑戦の日々を送っている林蒼依さん。
Instagram、YouTube、TikTok、プレスリリース、そして法人営業まで。彼女が担う仕事を追いかけると、「地方だからできることに限りがある」という思い込みが、少しずつ崩れていきます。お客様や取引先から「Instagramに出てる方ですよね」と声をかけられるほどの存在になった彼女が、地方×広報という仕事の面白さ、そして試行錯誤のリアルを話してくれました。Nativ.media編集部が深掘りします。

株式会社サンクスホームとは
三重県津市に本社を置き、三重・愛知エリアで注文住宅やリフォームを展開する地域密着型の工務店です。
設立30周年の節目にリブランディングを実施。新ミッション『くらしかた未来基準』のもと、
確かな技術で「誰もが誇れるくらしの未来」を切り拓いています。

アパレルから美容部員、そしてメイク講師へ。“縁”がつないだサンクスホームとの出会い

—— 改めて、今担当されているお仕事を教えてください。

林: Instagram、TikTok、YouTube、ThreadsといったSNS全般の運用と、お客様向けのオーナーズサイトへの記事配信を週2回。PRやプレスリリース、取材関係のメディアアプローチも担当していますし、最近は法人営業も始めています。

—— 法人営業は、林さんが手を挙げたんですか?

林: いえ、社内ミーティングの中で声をかけてもらった感じで、とんとん拍子で任せていただけることになりました。

——なるほど、チャレンジの機会が多い環境なのですね。 やってみてどうですか。

林: 手探りではじめたことではあるのですが……。やっぱり楽しいですね。住宅業界にいたら出会えないような異業種の方とお会いする機会が多くなりました。そういう方と話すのが面白いですし、勉強になることも多いです。基本的に毎日違うことがしたい性格なので、入社してからずっと新しいことをさせてもらえていて、日々同じ作業をしていない今の環境は本当に自分に合っていると感じています(笑)

————毎日違うことがしたい!そんな林さんが、なぜ住宅会社に入ることになったのでしょう。実はその出会いも、一風変わったものでした。

—— サンクスホームに入られる前は、どんなお仕事をされていたんですか?

林: 名古屋のアパレル会社で接客を1年半ほど経験して、その後は化粧品メーカーの美容部員として1年半勤務しました。

その後フリーのメイク講師を目指したのですが、名古屋は同業者が多い環境でした。そのため、まだ競合が少ない地元の三重に戻って活動しようと考えたんです。生まれ育った三重県で活動を広めていきたいという気持ちもありました。 そんな折、サンクスホームのモデルハウスをお借りしてメイクレッスンを始めたことがご縁になり、気づけば入社のお話をいただいていました。

—— 最終的にサンクスホームへの入社の決め手はなんだったんでしょうか?

林: 住宅には正直、全く興味がなかったんですよ(笑)。

ただ、会長や社長に会って話を聞いたら、在籍年数に関わらず挑戦できる環境に魅力を感じて。社員旅行の写真を見て社員同士の仲の良さも感じられて、ここで働いてみたいと思いました。

“バズ”を目指して試行錯誤の毎日、「挑戦を止めない」社風

—— SNSの投稿内容は、自由に決められるんですか?

林: そうですね。会社からはサンクスホームというブランドの軸だけ守るように言われています。トップダウンで「この投稿をしてね」とはならなくて、フォロワーを伸ばすという目標に向けて、内容は自分で決める形です。

—— 最近だとTiktokで再生回数が8万回、いいね数1,800越えというかなりの数字をたたき出している投稿もありますよね。しかし、最初からうまくいっていたわけではないですよね。

林: はい。最初は色々なジャンルを試してみたのですが、地域情報以外のコンテンツは再生数が1,000回にも届きませんでした。

でも、地域のおすすめスポットを紹介した途端に急激に伸びて、コメント欄にも「私はここがおすすめ!」といった声がたくさん集まるようになったんです。情報がさらなる情報を呼ぶようなサイクルができているのを感じて、この発信を続けていこうと決めました。

—— 試行錯誤の末に、今の投稿のスタイルが決まっていったんですね。SNS以外にも、社内で「やってみたいこと」は通りやすい雰囲気ですか?

林: 会社の基本スタンスとして、「これをやるから、あれをやって」といったトップダウンの指示があまりないんです。提案しても頭ごなしにNOとは言われません。大きなプロジェクトに限らず、日々の業務の中のちょっとした選択でも意見が通りやすくて、自由に任せてもらえる社風ですね。

「知らない」ことが武器になる。若手も主役になれる会社

—— サンクスホームでは若手でも活躍できる環境はあるのでしょうか?

林: 「サンクスラボ(*)」を立ち上げたとき、入社したばかりで会社のことをまだよく知らない私を、あえてプロジェクトのメンバーに入れてくれたんです。

「会社のことを知らないからこそ、お客様に近い目線で作れるはずだ」という発想なんですよね。若手から手を挙げることもできますし、こうして大事な場面で抜擢してもらえるのは、サンクスホームならではだと感じています。

(*)サンクスラボ…住宅の性能、間取りを決める流れなど、実際に「見て」「触れて」体感できるサンクスホームが持つ研究施設。

—— 若手がそうして手を挙げやすいのは、やはり社内全体の風通しが良いからでしょうか?

林: そうですね。私はこれまでは、人間関係が少し複雑だったり、上下関係に気を遣って意見が言いにくい環境も経験してきました。

だからこそ余計に感じるのですが、サンクスホームは本当に風通しがいいんですよ。10年、20年と働いているベテランの方もいらっしゃいますが、年次に関わらずとてもフラットに接してくださいます。働く上で、なんだかんだ人間関係が一番大事だと思っています。

—— そうした風通しの良い環境や、若手を抜擢して挑戦させる社風は、社長の影響が大きいと思います。広報として近くで見ていて、䑓堂社長はどのような方だと感じますか。

林:常に新しいことを取り入れながら挑戦を続ける方です。
30周年のタイミングでロゴの色やブランド名の英語表記まで刷新したことは、会社にとっても大きな挑戦だったと思います。

代表自らが挑戦を続ける姿勢が、会社全体のスピード感やチャレンジする風土につながっているのだと思います。

次世代に伝えたい、三重県で働く面白さと可能性

—— 三重で働くことについて、今はどう感じていますか?

林: 以前、社長の䑓堂が実際に四日市で街頭インタビューをした際にも「遊ぶ場所が少ない」「働くところがない」という声があったそうですが、三重は世間からそんなふうに言われがちですよね……。でも、やはり自分の地元なので、もっと盛り上げていきたいという気持ちが強いですね。

今はもう、三重から出たくないと思うほどです(笑)。とにかく車移動がすごく快適なんですよ。毎日満員電車に揺られる生活には、もう戻れないかもしれないですね。三重で毎日車通勤をしていると、たまに名古屋へ行って地下鉄に乗るだけで「ちょっと無理かも」と思ってしまうくらいです。

—— 今、仕事で一番やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?

林: オーナー様(*)向けのイベントや、新規のお客様がいらしたときに「Instagramに出ている方ですよね、いつも見ています」と声をかけていただけることです。そうした言葉が、一番のモチベーションになっていますね。

(*)…サンクスホームを通じて家を建てたり、購入したりした「施主(お家や土地の所有者)」のこと。

—— これから新しくチャレンジしてみたいことはありますか?

林: ゆくゆくは、三重県内の会社さんのSNS運用にも携わってみたいです。最近、地元でお付き合いのある居酒屋さんのTikTokを撮影させていただいているのですが、それがすごく楽しくて。まだまだ勉強中ですが、色々な企業さんのPRをお手伝いできるようになりたいですね。

—— 林さんが今抱いている「夢」を教えてください。

林:会社としての夢でいうと、三重ではサンクスホームの名前がだいぶ浸透してきて、法人営業でも社名を出せばわかっていただけるようになりました。今後は愛知のお客様にも、私たちの魅力をどんどん届けていきたいですね!なので、「三重・愛知 住宅会社」と検索したときに上位に出てくるよう、広報としてブランド力を高めていきたいです。さらに大きな話をすれば、「家を建てるなら絶対にサンクスホームがいい」と皆さんに言っていただける状態まで持っていくのが目標ですね。

そして、個人としての夢でいうと……
実は、高校2年生の妹がいるんです。今、就職か進学かで悩んでいる時期なのですが、学校に来る求人を眺めては、「三重には働くところがない」とこぼしているんですよね。妹自身は「もっとキラキラした仕事がしたい」と言っていて。だからこそ、私がもっと発信していかなきゃと思うんです。姉である私が「うちの会社、こんな面白いことやってるよ」と直接言ってもなかなか響かないので(笑)。いつか地元の高校生にも自然と届くくらい、サンクスホームの魅力を浸透させていきたいですね。

—— 身近な妹さんへの温かい思いが、林さんの発信の大きな原動力になっているのですね。とても素敵ですし、その発信が彼らに届く日が私も楽しみです。最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。

林:確かに、都市部のほうが仕事の選択肢は多いかもしれません。でも、三重県内にもこんなに色々なことに挑戦できて、自由で風通しの良い会社があるんです。挑戦したい気持ちや夢を持っている方と、ぜひ一緒にお仕事ができたら嬉しいです!

—— 本日はありがとうございました。
林さんへのインタビューの時間は「地方には何もない」「面白い仕事は都会にしかない」そんな固定観念を、軽やかに、そして力強く覆してくれる時間でした。異業種から飛び込んだ彼女が広報から法人営業まで幅広く活躍できているのは、彼女自身の旺盛な好奇心はもちろん、未経験の視点を「武器」として評価し、若手の挑戦を歓迎するサンクスホームの懐の深さがあってこそでしょう。
「地方だから」という枠を越えていく彼女の発信が、この記事を読んだ誰かの新しい選択肢を広げるきっかけになりますように。

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