栃木県・那須塩原市(なすしおばらし)では、このたび畜産分野の地域おこし協力隊員を1名募集します。
主な役割は、SNSや動画を使って那須塩原の畜産の魅力を市内外に発信することです。那須塩原市は“本州一の酪農地帯”と呼べるだけの実力を持ちながら、その知名度は期待値からは遠いというのが実情です。今回募集するのは、そのギャップを埋め、生産者に寄り添いながら一緒にコンテンツを作っていく“畜産PRクリエイター”です。
働き方は会計年度任用職員として週4日勤務。業務に支障のない範囲で副業も可能です。
この記事では、この募集の背景と、那須塩原というまちのことを詳しくお伝えしていきます。SNSや動画での情報発信に関心のある方、地方で自分の得意を活かしたい方は、ぜひ最後までお読みください。

1. 「那須塩原」というまちについて

那須塩原市は栃木県の北部、「那須高原の玄関口」と呼ばれる位置にあります。東京駅から東北新幹線で約70分。東北自動車道のインターチェンジも2つあり、首都圏との行き来がしやすい地域です。人口は約11万6千人。塩原温泉や板室温泉といった歴史ある温泉地を抱え、「世界の持続可能な観光地TOP100」に2年連続で選出されるなど、観光地としても知られています。
那須塩原市のアクセスマップ
一方で、酪農のまちであることはあまり知られていません。市内には牧場が点在し、ブランド牛や乳製品、乳酸菌を使った商品開発なども行われています。この点については、次の章で詳しくお伝えします。
那須塩原市は8年連続で転入超過(転入者が転出者を上回る状態)が続き、特に小さいお子さんのいる若い夫婦などに人気があります。JR黒磯駅の周辺には、古い建物をリノベーションした個性的なカフェや店が集まっており、移住してこうしたお店を始める人も増えています。

黒磯・板室 TOCHIGI JAPAN編|黒磯観光協会

そして2025年、市誕生20周年を機に、那須塩原市はまちのパーパス(存在目的・活動目的を示すコピー)として「好きを、編む。」を策定しました。自分の「好き」を起点に、暮らしと仕事をつくっていくまちでありたい、そんな思いが込められています。
今回募集する協力隊員にも、この思いに共感し、那須塩原の酪農の魅力を、まだ知らない人たちにもしっかり届けていってほしいと考えています。

2. 知名度とのギャップを、どう埋めるか

那須塩原市の畜産関連商品

那須塩原市の畜産物・関連商品

那須塩原市の生乳産出額は、市町村別で見ると全国3位。全国的に見ても指折りの酪農地帯でありながら、この事実は一般的にはまだまだ知られていません。
市の担当者はこう話します。

「職員自身もイベント企画やSNSでの発信は行っていますが、専門的に情報発信を担う人材がいれば、もっと外向けの発信を強化できるはず。そう考えて、今回の募集に至りました」

これまでは、チーズ・乳酸菌・ブランド牛・牛乳といった商品ごとに担当を分けて協力隊を募集し、チーズ担当・乳酸菌担当の2名が着任しました。生産者自身がSNSでの発信やイベント参加に前向きになってきたこともあり、今年度は商品ごとに分けず、「畜産全体のPR」という一つの枠組みに変更。活動の幅を広げながら、より若い世代にも届く発信を目指しています。

3. 具体的な役割

今回お任せしたいのは、SNS投稿や動画、記事などのコンテンツづくりです。アイデアを企画だけで終わらせず、自ら手を動かし、一つひとつ形にしていくことが、この仕事の中心です。
主な業務は次のとおりです。

  • SNS投稿や動画コンテンツの制作・発信
    市の畜産に関する情報発信は、まだ更新頻度が低く、特に動画コンテンツが不足しています。
  • 畜産関連イベントや生産者への取材、記事の作成
  • 畜産の魅力発信や情報普及に特化したWebサイト、リンク集、グルメマップなどの制作
  • 畜産をテーマにしたノベルティグッズの企画・制作(デザインを含む)
  • その他、畜産振興につながる取り組み全般

現在活動している2名の地域おこし協力隊員(チーズ担当・乳酸菌担当)は、共同でInstagramアカウントを運営しています。着任後は、この2名とも連携しながら、新しいアカウントの立ち上げも含め、どのような発信なら地域の畜産の魅力が伝わるのかを考え、発信の形をつくっていただきます。

那須塩原市畜産振興会 Instagram

那須塩原市畜産振興会 Instagram

目指しているのは、畜産の魅力を知ってもらうだけでなく、実際に手に取ってもらうところまでつなげることです。
行政からの発信には、公平性の観点から、特定の商品や生産者だけを取り上げることが難しい面があります。一方で、地域おこし協力隊という立場だからこそ、行政の発信からもう一歩踏み込み、生産者と消費者をつなぐ取り組みに挑戦できると考えています。
将来的には、TikTokライブを活用した販売や、ネット通販への挑戦も視野に入れています。特定の生産者に偏らないことを前提に、副業申請などの必要な手続きを経たうえで、販売に関わる領域まで活動を広げていく可能性もあります。

4. 求めているのは、こんな人

市が重視しているのは、スキルよりも姿勢です。
今回の担当課の職員はこんなふうに語っています。

「今回のミッションで一番大切なのは、生産者の思いに寄り添い、周囲と信頼関係を築けることです。生産者が何を作りたいのか、どこを目指しているのかを理解したうえで、その思いをコンテンツとして形にしてほしいと考えています。発信の主役は、あくまでも生産者や地域の畜産。自分の主張だけを押し出すのではなく、関係者の目的やニーズに合わせて表現できる方を求めています」

農業や畜産に関する経験は問いません。専門知識がないからこそ、消費者に近い目線で疑問や魅力を見つけ発信できることも、強みになります。
そのうえで、次のような経験や志向をお持ちの方は、特に力を発揮しやすい仕事です。

  • 仕事としてSNS運用やコンテンツ制作に携わった経験がある方
  • 自分の好みだけでなく、相手の目的に合わせてトーンや表現方法を設計できる方
  • 動画の撮影や編集ができる方
  • 既存のやり方にとらわれず、新しい発信・販売方法に挑戦してみたい方
  • 必要に応じて、自ら動画やライブ配信に出演することにも前向きな方

現在活動している隊員とも協力しながら、自分ならではの視点や感性を持ち込んでくださる方を歓迎します。

5. 働く環境と、一緒に働く人たち

那須塩原市役所

那須塩原市役所

農務畜産課所属の協力隊員さん

農務畜産課所属の協力隊員さん

活動の拠点は、那須塩原市役所の農務畜産課・畜産振興係です。市の職員に加え、先ほど紹介した2名の地域おこし協力隊員、地域の生産者の皆さんと連携しながら仕事を進めます。イベントへの参加や生産者との打ち合わせ・取材など、現場に足を運ぶ機会も多くあります。
勤務は週4日、時間は8時30分から17時15分までです。副業も、市の承認を得れば可能です。現在活動している2名の隊員も、それぞれ副業をしながら活動しています。
また、通勤や普段の暮らしには、自家用車があると安心です。酪農地帯ならではののどかな風景や豊かな自然を肌で感じていただくためにも、住まいを決める前に一度足を運んでみるのがおすすめです。希望があれば、現地案内も相談できます。

6. この仕事の将来とキャリアステップ

那須塩原市の畜産品から、セブン-イレブンとのコラボ商品が誕生!

那須塩原市の畜産品から、セブン‐イレブンとのコラボ商品が誕生!(那須塩原市畜産振興会 Instagramより)

3年間の活動を終えたあと、どのような仕事につなげていけるのでしょうか。
一つの参考となるのが、他地域で実践されている「産地コーディネーター」という働き方です。複数の農家や地域の商品をまとめて発信し、ネット販売や飲食店への卸売りなどを通して、生産者と消費者をつなぐ仕事です。
もちろん、任期中に必ずこの道を目指さなければならないわけではありません。ただ、発信だけでなく、商品開発や販売まで経験を広げることで、地域の産品を届ける仕事を将来の選択肢にできる可能性があります。
那須塩原市には、地域の企業や学校などと協力して、新しい商品や企画を形にしてきた実績があります。たとえば、那須塩原牛乳を使ったセブン‐イレブンとのオリジナル商品や、市内の高校生と洋菓子店が連携して生まれた商品などです。
3年間の活動を通して挑戦したいことが見えてきたら、市の職員と相談しながら、地域の企業や事業者とのつながりを広げていくこともできます。
畜産の現場に入り、生産者と関係を築きながら発信や販売に取り組んだ経験は、任期後に地域ビジネスや広報、コンテンツ制作などの仕事を考えるうえでも、活かせる経験になるはずです。

7. 募集要項

今回の募集については、主に以下の条件を提示しています。

職種地域おこし協力隊(畜産関連の魅力発信・情報普及担当)1名
就業場所那須塩原市役所 農務畜産課 畜産振興係(イベントや地域事業者との打合せ等の外勤あり)
雇用形態那須塩原市の会計年度任用職員(任用から1か月間は条件付採用期間)
※任用から1年経過後の更新タイミングで、市の承認を得た場合、任用形態を「業務委託型(副業兼業の制限なし)」に変更可能
任用期間任用日から令和9年(2027年)3月31日まで(年度ごとに再度任用の可否を判断し、最長3年間活動を延長可能)
勤務時間・活動日数週4日(週31時間)8時30分〜17時15分(うち休憩1時間)、時間外労働あり
休日土曜日・日曜日・祝日、および月〜金のいずれか1日を含む週3日、年末年始(12/29〜1/3)
支給額時給により支給(時給1,386円)
月額の目安:約186,000円(週31時間・月約134時間として算出。実際の支給額は月の勤務日数により変動します)
支払日:毎月末締め、翌月20日支払い
手当通勤手当(正規職員に準じて支給)、時間外勤務手当(勤務命令に基づく時間数に応じて支給)
賞与任用期間及び勤務条件に応じて、最大年2回支給(6月及び12月)
住居契約は市が実施。家賃は上限月60,000円まで市が補助(一部自己負担)。光熱水費・転居費用は自己負担
活動経費活動用の公用車を用意(条件付採用期間中は使用不可)。パソコン等の事務機器は貸与(持出不可)。その他必要経費・研修費等は予算の範囲内で市が負担
社会保険健康保険(共済組合)・厚生年金・雇用保険・公務災害補償等に加入
副業市の承認を受けた場合は可能
必須資格着任時に普通自動車第一種運転免許を有すること
必須スキルPC基本操作(文書作成・表計算・プレゼンテーション・動画編集等)、インターネット・メール・SNS等による情報発信ができること

詳細については、お問い合わせいただくか、面談時にご確認ください。

8. 選考の流れ

今回の募集については、以下の流れで進めます。
※一定の応募者が集まった段階で受付を終了する場合があります。

STEP1 フォームから応募後、応募書類の提出

まずは指定の応募用紙(地域おこし協力隊応募用紙兼履歴書)をご提出いただくことで、正式な応募となります。

STEP2 カジュアル面談(オンライン ※必要な場合のみ)

必要に応じて、今回の募集事務局を担う株式会社フューチャーリンクネットワーク(FLN)の担当者とオンラインでカジュアルにお話しします。志望動機やこれまでのご経験を伺うとともに、那須塩原市への質問や確認したいこともこの場で聞いていただけます。

STEP3 書類選考

応募書類(およびカジュアル面談を実施した場合はその内容)をもとに、那須塩原市と株式会社フューチャーリンクネットワーク(FLN)が選考します。結果は応募者全員に通知します。

STEP4 担当者カジュアル面談(オンライン ※必要な場合のみ)

書類選考通過後、より適した人材の任用につなげるため、那須塩原市の受け入れ担当者とオンラインでカジュアルにお話しする機会を設けます(必要な場合のみ実施)。実際の業務内容や地域での活動イメージについて、双方でより具体的に確認し合う場です。

STEP5 最終面接

那須塩原市が実施します。提出書類(3か月以内の住民票、運転免許証の写し)を持参いただきます。現地までの交通・宿泊等の経費はご自身でのご負担をお願いします。選考終了後、結果を文書で通知します。

備考:

  • 面談の回数や形式は、お互いの状況を見ながら柔軟に対応します。
  • 地域おこし協力隊の応募には、応募時点で生活の拠点が三大都市圏をはじめとする都市地域にあり住民登録されていること、任期後も那須塩原市に定住する意欲があることが条件です。総務省が定める「地域要件」への適合が必要なため、こちらの地域おこし協力隊地域要件判定ツールでご自身の居住地(住民票がある場所)を転出地に、那須塩原市を転入地に入力して、事前にチェックすることをおすすめします。もしご不明の点があれば、応募フォームよりご質問ください。

9. 補足情報

那須塩原市の発信をぜひのぞいてみてください。

10. 問い合わせ・応募方法

以下のフォームからお願いします。応募書類を提出する前に、少し話を聞いてみたい、条件や内容について確認したいことがあるという段階でのご連絡も歓迎します。ぜひ気軽にお問い合わせください。

[募集機関]
那須塩原市 産業観光部 農務畜産課 畜産振興係
所在地:〒325-8501 栃木県那須塩原市共墾社108番地2
電話番号:0287-62-7149(平日9:00〜16:00)
公式サイト:https://www.city.nasushiobara.tochigi.jp/