栃木県・那須塩原市(なすしおばらし)では、このたび移住支援を行う地域おこし協力隊員を1名募集します。主な役割は、移住検討者の住まい探しのサポートです。市内の住宅情報やエリアごとの特性を把握し、ニーズに合わせて提案をしていただくほか、中古住宅や空き家・空き店舗のリノベーションの相談支援をしていただきます。
「このエリアなら、こんな暮らしができる!」「この家をリノベしたら、理想的なライフスタイルが実現できるかも!」というような情報や活用法をイメージして発信し、移住検討者の相談に乗ったり、物件や地域の事業者、地域の人たちへとつないでいく仕事。いわば、住まいの面から移住のサポートをする“住まいコーディネーター”です。
働き方は週3日または週4日を選べて、業務に支障のない範囲で副業も可能です。この記事では、この募集の背景と、那須塩原というまちのことを、詳しくお伝えしていきます。リノベーションや建築、空き家活用に関心のある方、地方で自分の得意を活かしたい方は、ぜひ最後までお読みください。
1. 「那須塩原」というまちについて
那須塩原市は栃木県の北部、「那須高原の玄関口」と呼ばれる位置にあります。東京駅から東北新幹線で約70分。東北自動車道のインターチェンジも2つあり、首都圏との行き来がしやすい地域です。人口は約11万6千人。塩原温泉や板室温泉といった歴史ある温泉地を抱え、「世界の持続可能な観光地TOP100」に2年連続で選出されるなど、観光地としての顔も持っています。

ここでひとつ、よくある誤解について触れておきます。リゾートや別荘地のイメージで知られる「那須」は、正確には主にお隣の那須町です。那須塩原市は、新幹線の駅と大型スーパーなどがあり、賃貸物件も一定以上に流通している「暮らしやすい地方都市」。地方でゆとりのある生活をしたい人や、首都圏での仕事を続けながら二拠点で暮らしたい人にはぴったりのまちなのです。
実際、那須塩原市は8年連続で転入超過(転入者が転出者を上回る状態)が続き、特に小さいお子さんのいる若い夫婦などに人気があります。JR黒磯駅の周辺は、古い建物をリノベーションした個性的なカフェやお店が集まるエリアとして知られ、空き店舗で飲食店や宿などを始める移住者も増えてきました。

那須塩原市図書館 みるる(JR黒磯駅隣接)
Nasushiobara voyage, Japan – 那須塩原市|那須塩原市動画チャンネル
そして2025年、市誕生20周年を機に、那須塩原市のパーパス(存在目的・活動目的を示すコピー)「好きを、編む。」を策定しました。
自分の「好き」を起点に、暮らしと仕事を編み上げていくまちでありたい、そんな思いが込められています。
今回募集する協力隊員にも、ぜひこの考え方に共感し、地域に「好きを、編む」人を増やしていく役割を担っていただきたいと思います。
2. 移住するときの鍵は、やっぱり「住まい」

那須エリア 移住定住ポータルサイト「那須にすんで、」
移住の相談で、必ずポイントになるのが「住まい」と「仕事」の2つです。
中でも「住まい」のニーズは、この数年で大きく多様化しました。新築だけでなく、賃貸、空き家・中古住宅のリノベーション・DIY。選択肢が増えた分、「自分の場合はどうすればいいのか」は悩むポイントになっています。
この取り組みの背景について、市の担当者はこう語ってくれました。
「いろいろなニーズがある中で、通常の移住相談ではなかなか対応できない、もう一歩踏み込んだ支援をしたい、という思いがずっとありました。
その物件の活用方法はもちろん、エリアの特性も踏まえながら、また地域の事業者とのネットワークも活用しながら、移住者のみなさんにより良い住まいと出会えるようなお手伝いをして、移住に関する悩みを少しでも減らして、いい暮らしを見つけて地域に定着していただきたいんです」
今回の人材募集は、こうした移住者への配慮から生まれました。
3. 具体的な役割
今回募集するのは、那須塩原へ移住を考えている方が安心して新生活を始められるよう、ニーズに合わせた居住エリアや住まいの提案、物件探しのサポートをするポジションです。また、移住検討者や移住者から中古住宅や空き家・空き店舗のリノベーションの相談があった場合に、補助制度の案内や適切な相談先の紹介、建築設計事務所や工務店の特徴や強みの説明などを行っていただきます。「この地域ならこんな暮らしを好む人が暮らしやすそう」、空き家物件を見て「この間取りなら、こういうライフスタイルの人に向いている」など、生活環境や物件の条件による可能性をイメージして提案します。
本市ではすでに、空き家担当の地域おこし協力隊と地域活性化起業人の2名が空き家物件の開拓や不動産事業者との関係構築を進めています。また、同じチームにはなりわい創出(起業支援等)担当及び情報発信担当の協力隊がいるので、起業に向けた空き家・空き店舗の活用、住まい・空き家バンク物件情報の発信など、他のメンバーとも連携・協力しながら業務を進めていくことになります。
主な業務をまとめると、次のようになります。
- 市内の住まい情報やエリア特性の把握、集約化
- 中古住宅や空き家・空き店舗のリノベーション相談支援
- DIYワークショップ等の企画、リノベーションガイドブックの作成
- 移住検討者からの相談対応(窓口・電話・メール・オンライン会議など)
- 移住検討者向け現地案内ツアーのアテンド
- 移住フェアやイベントへの出展、サポート
支援の対象は空き家バンクの物件だけでなく、民間で流通する中古住宅なども含まれます。移住してまず賃貸に住み、暮らしながら物件を探して購入・リノベーションへ進む。そんなふうに住まいが移り変わっていく方にも、その都度そばで相談に乗りながら伴走していきます。
4. 求めているのは、こんな人
不動産は専門性の高い領域ですので、そうしたご経験を持つ方は大歓迎です。しかし一番大切なのは、やはり「コミュニケーション能力」と、「自分ごと」として動ける姿勢です。移住検討者と同じ目線で一緒に悩み、一緒に考えられる方にぜひ来てほしいと考えています。
経験や意欲面からいうと、特にこんな方がイメージに近いと思います。
- 建築士・宅地建物取引士の資格を持っている方、もしくはこれから取得を目指している方
- 不動産業界や建築業界で働いた経験がある方
- 自分でも空き家を買ってリノベーションして住みたい、もしくはその経験がある方
- 空き店舗を活用して、お店やゲストハウスを開業したいという構想がある方
もちろん、これらのすべてを満たす必要はありません。
実務経験があれば歓迎しますが、それ以上に大切にしたいのは「この物件ならこんなことができそう!」とアイデアを楽しめる姿勢です。物件のポテンシャルを見つけ出し、その魅力を周りに伝えながら活用をサポートしていける、そんな方をお待ちしています。
5. 働く環境と、一緒に働く人たち

那須塩原市移住促進センターで働く皆さん
活動のベースは、JR那須塩原駅西口から徒歩8分、市民活動センター内にある那須塩原市移住促進センターです。
センターには現在、市の職員3名と移住定住コーディネーター3名、協力隊員2名、あわせて8名が在籍しています。市全体では令和8年6月1日時点で8名の協力隊員が活動しており、毎月の定例ミーティングのほか、一緒にイベントへ出かけるような仲の良さもあります。ひとりで地域に飛び込むのではなく、チームの中で仕事を始められる環境です。
働き方は、週3日または週4日から選べます。勤務時間は8時30分から17時15分。最初は窓口などでの相談対応や現地案内で移住検討者のニーズを把握し、慣れてくれば物件や地域を回る外の活動が中心になります。副業も業務に支障のない範囲で可能なので、いまの仕事を続けながらの移住も相談できます。
6. この仕事の将来とキャリアステップ
雇用形態は、1年目は市の会計年度任用職員です。この間も、市の承認を得たうえで副業は可能です。そして2年目以降は希望すれば、市との協議の上で業務委託型に切り替えられます。委託型になると副業・兼業の制限がなくなるので、自分の事業を育てながら活動したい方に向いた仕組みです。たとえば「週3日はこの仕事に、残りの日は自分の事業や副業に」といった働き方も可能です。収入源を複線化しながら、地域での基盤を築いていくことができます。
それによって、3年の任期後のキャリアの選択肢も広がるはずです。この地域でいま求められているのは、地域と移住者、不動産業者さんと移住検討者をつなぐ、中間的な役割を担う団体や法人。民間の立場で、リノベーションしたい、空き家を探している、というときにいつでも相談できるような事業者です。
また市内には、空き店舗をリノベーションしてゲストハウスを開業したり、カフェや飲食店などの事業を始めた移住者も少なくありません。自らそうした事業をしながら、移住相談の窓口になったり、リノベーションに特化したまちづくり会社を興すなどという夢を描く人も出てくるでしょう。適度な人の集まり具合や、物件の選択肢の多さ、また首都圏から近いという地の利からも、そんな将来像を描ける「可能性」のある地域であることは、間違いありません。この仕事を通じて3年間で築くネットワークは、将来確かな資産になるはずです。
7. 募集要項
今回の募集については、主に以下の条件を提示しています。
| 職種 | 地域おこし協力隊(移住支援/住まい・リノベ支援担当(住まいコーディネーター)) 1名 |
|---|---|
| 勤務地 | 那須塩原市移住促進センター(市民活動センター内) ※イベント参加や地域事業者との打合せ等で外勤あり |
| 雇用形態 | 那須塩原市の会計年度任用職員(任用から1か月間は条件付採用期間) ※任用1年経過後の更新時に「業務委託型(副業・兼業の制限なし)」へ変更可(市の承認が必要) |
| 任用期間 | 令和9年(2027年)5⽉1⽇(予定)から令和10年(2028年)3⽉31⽇まで ※着任時期(委嘱日)については、面接等の選考過程で確認・協議の上決定します。 ※年度ごとに更新を判断し、最長3年間 |
| 活動日数 | 週4日(週31時間)または週3日(週23時間15分)/土日祝を含むシフト制 ※任用時点で副業・起業等があり活動に支障ないと市が認めた場合は週3日も可 |
| 勤務時間 | 8時30分〜17時15分(うち休憩1時間) |
| 休日 | 毎週水曜、年末年始(12/29〜1/3)ほか、勤務日数に応じた休日。年次有給休暇は市規則に基づき付与 |
| 報酬 | 時給により支給(時給1,312円) 週4日勤務の場合:162,688円/月(1,312円/時間×124時間/月) 週3日勤務の場合:122,016円/月(1,312円/時間×93時間/月) 支払日:毎月末締め、翌月20日支払い |
| 手当 | 通勤手当(正規職員に準じて支給)、時間外勤務手当(勤務命令に基づく時間数に応じて支給) |
| 賞与 | 任用期間及び勤務条件に応じて、最大年2回支給(6月及び12月) |
| 住居 | 契約は市が実施。家賃は上限月60,000円まで市が補助(一部自己負担)。光熱水費・転居費用は自己負担 |
| 活動経費 | 活動には公用車を使用可。PC等の事務機器は貸与(持出不可)。その他必要な経費・研修費は予算の範囲内で市が負担 |
| 社会保険 | 健康保険(共済組合)・厚生年金・雇用保険・公務災害補償等に加入 |
| 副業 | 可(ただし市の承認が必要) |
| 必須資格 | 普通自動車第一種運転免許(AT車限定可。現地案内で運転があります) |
| 必須スキル | PC基本操作(文書作成・表計算・プレゼン・動画編集等)、インターネット・メール・SNSの活用 |
詳細については、お問い合わせいただくか、面談時にご確認ください。
8. 選考の流れ
今回の募集については、以下の流れで進めます。
※一定の応募者が集まった段階で受付を終了する場合があります。
STEP1 フォームから応募後、応募書類の提出
まずは指定の応募用紙(地域おこし協力隊応募用紙兼履歴書)をご提出いただくことで、正式な応募となります。
STEP2 カジュアル面談(オンライン ※必要な場合のみ)
必要に応じて、今回の募集事務局を担う株式会社フューチャーリンクネットワーク(FLN)の担当者とオンラインでカジュアルにお話しします。志望動機やこれまでのご経験を伺うとともに、那須塩原市への質問や確認したいこともこの場で聞いていただけます。
STEP3 書類選考
応募書類(およびカジュアル面談を実施した場合はその内容)をもとに、那須塩原市と株式会社フューチャーリンクネットワーク(FLN)が選考します。結果は応募者全員に通知します。
STEP4 担当者カジュアル面談(オンライン ※必要な場合のみ)
書類選考通過後、より適した人材の任用につなげるため、那須塩原市の受け入れ担当者とオンラインでカジュアルにお話しする機会を設けます(必要な場合のみ実施)。実際の業務内容や地域での活動イメージについて、双方でより具体的に確認し合う場です。
STEP5 最終面接
那須塩原市が実施します。提出書類(3か月以内の住民票、運転免許証の写し)を持参いただきます。現地までの交通・宿泊等の経費はご自身でのご負担をお願いします。選考終了後、結果を文書で通知します。
備考:
- 面談の回数や形式は、お互いの状況を見ながら柔軟に対応します。
- 地域おこし協力隊の応募には、応募時点で生活の拠点が三大都市圏をはじめとする都市地域にあり住民登録されていること、任期後も那須塩原市に定住する意欲があることが条件です。総務省が定める「地域要件」への適合が必要なため、こちらの地域おこし協力隊地域要件判定ツールでご自身の居住地(住民票がある場所)を転出地に、那須塩原市を転入地に入力して、事前にチェックすることをおすすめします。もしご不明の点があれば、応募フォームよりご質問ください。
9. 補足情報
那須塩原市の発信をぜひのぞいてみてください。
10. 問い合わせ・応募方法
以下のフォームからお願いします。応募書類を提出する前に、少し話を聞いてみたい、条件や内容について確認したいことがあるという段階でのご連絡も歓迎します。ぜひ気軽にお問い合わせください。
[募集機関]
那須塩原市 企画部 企画政策課/那須塩原市移住促進センター
所在地:〒329-3157 栃木県那須塩原市大原間西1-11-10(移住促進センター)
公式サイト:https://www.city.nasushiobara.tochigi.jp/





