和歌山県が、2018年4月から企画している起業・就農、就労の体験プログラムが
利用者が希望する事業者のもとで「しごと」を体験しながら、
周辺地域の先輩移住者や地域住民の方との交流を通じて「くらし」の体験を行い、
移住後の生活をイメージすることができます。体験費は無料です。その“体験先”をご紹介します。
南海りんかんバス株式会社
住所:
橋本営業所(本社):和歌山県橋本市市脇5丁目1-24
高野山営業所:和歌山県伊都郡高野町大字高野山105-1
事業内容:
地域公共交通事業(路線バス・高速バス・貸切バス・コミュニティバス、スクールバスなどの運行)
しごと・暮らしの特徴
ニュータウンと世界遺産・高野山、ふたつの道を走る
和歌山県北東部の橋本市は、人口6万人弱の地方都市。南海高野線で大阪・難波まで乗り換えなしで出られることから、市の北部にはベッドタウンと呼ばれる新興住宅地が広がっています。そこから山を登れば、世界遺産・高野山。空海が開いた真言密教の聖地として、年間を通して国内外から多くの参拝者や観光客が訪れます。
この対照的なふたつのエリアで路線バスを走らせているのが「南海りんかんバス株式会社」です。1992年に設立され、翌1993年4月に南海電気鉄道から独立分社する形で、高野山・橋本両営業所のバス事業を引き継ぎました。
橋本営業所は、南海高野線の林間田園都市駅を起点に、三石台・城山台といったニュータウンと駅、橋本市民病院などを結ぶ路線が中心。あわせて、市から受託したコミュニティバスやスクールバスも運行しています。
高野山営業所では、高野山駅と金剛峯寺・奥の院など山内の主要地点を結ぶ路線に加え、京都と高野山を結ぶ高速バス(京都線)も担当。観光シーズンには臨時バスの運行も多くなります。
「通勤・通学など日常路線と、世界遺産・高野山をめぐる観光路線。性格が異なる二つの営業所があることが、当社ならではの大きな強みだと思います」と話すのは、採用を担当する山本典明さん。従業員43名、車両40両で、地域の暮らしと、高野山を訪れる人の移動を支えています。
今回募集しているのは、バス運転士。現時点で大型二種免許を持っていなくても、普通自動車運転免許(AT限定不可)を取得後3年以上経過していれば応募できます。自然豊かな地域で、地域に欠かせない仕事とともに新しい暮らしを始めたい人にとって、現実的な選択肢になるはずです。

今回体験できる内容
今回の体験では、会社概要の説明や営業所見学のほか、主に高野山営業所の路線バスへの添乗体験や、インバウンド観光客への案内業務などを行っていただきます。現役の運転士と直接話せる機会もあるため、仕事のやりがいや大変さについて聞くこともできます。
運転こそできませんが、運転士のすぐ隣で、乗務前の日常点検から運行、休憩の取り方まで、一日の流れを間近に見ることができます。
高野山駅から奥の院までを往復しておよそ1時間。そこで10分から1時間ほどの休憩を挟み、また走り出す。この繰り返しが運転士の一日です。街が大きくないぶん時速20〜30キロでゆっくり走る区間が多く、案内をしながらの運行になります。
高野山は海外からの観光客が多く、行き先や乗り場、観光スポットについて聞かれることもよくあるといいます。英語でのやりとりになるので、うまく伝わらないこともあるそうです。それでも、喜んでもらえたときにはやりがいを感じるとのこと。
「月並みな言葉ではあるんですけど、お客さまへの案内で喜んでもらったときなんかはすごく励みになるんですよね。実際にそれを現場で感じてもらうと、想像と全然違うと思うので。そういうリアルな空気を感じてもらえたらいいなと思いますね」
南海りんかんバスの運転士の仕事は、バスを運転するだけではありません。地域住民の暮らしを支え、ときには観光客へ地域の魅力を伝えるなど、人と関わる場面が多くあります。この体験では、現場の空気を感じながら、地域を支える仕事の魅力を知ることができるでしょう。
仕事についてはもちろん、橋本市や高野町での暮らしや移住について営業所のさまざまな方に話を聞くことができるのも、この体験ならではの魅力です。橋本市や高野町で働くイメージを膨らませながら、自分らしい暮らし方や働き方を考えるきっかけにしてみてください。

未経験から始める人がほとんど。免許取得は会社が支える
南海りんかんバスの運転士は、そのほとんどがバス乗務未経験からのスタート。経験者は橋本営業所・高野山営業所ともに全体の1〜2割で、大型免許の経験がまったくないところから入社する人が大半だそうです。
免許は、内定後4か月以内に教習所へ通って大型二種を取得し、確認してから正式入社という流れ。通いであれば1〜2か月ほどで取得する方が多いといいます。費用は入社後、給与の支給日ごとに会社が分割で負担する仕組みです。
入社後は研修を経て、まずは路線バスの運転士としてスタート。経験を積んだ先には、高速バスや貸切バスの乗務、運転士を育成する指導教官、運行を管理する監督者といった道もあります。免許を取るところから始めて、長く働きながら役割を広げていける仕事です。
また、橋本市や高野町周辺は交通量が比較的少なく、地域路線も短距離の運行が中心です。「ダイヤの乱れが少ないので、あせりを感じることなく、落ち着いて走れる。そこは田舎ならではだと思います」と運転士の谷口友城さんは話します。
勤務は日中が中心です。夜10時を超える運行は週に1〜2回程度で、その日は昼からの出勤になるよう組まれています。早く帰宅できる日も多く、趣味や暮らしと両立しやすい働き方です。

職場の雰囲気と、日々の暮らし
職場は40代以上が中心。多くが中途入社で、車やバイク、狩猟など、趣味を楽しむ方が多いそうです。年齢から想像するよりずっと活発で、笑い声や冗談の飛び交う職場だといいます。定年は60歳ですが、その後も契約社員として最長75歳まで乗務を続けられます。
高野町では、世界遺産・高野山の歴史や文化を身近に感じながら、観光地ならではの人の流れや交流がある暮らしを体験できます。
橋本市周辺には日常の買い物施設や医療機関もあり、都市部ほどの便利さではないものの、自然に近い暮らしと日々の生活のしやすさを両立しやすい地域です。地方への移住でよく心配される地域になじめるかという点について、山本さんの見方は違います。
「都会にお住まいの方が地方をイメージする時、独自のルールが強すぎて馴染めないとかよく聞くんですけども、橋本市は、そうした不安をあまり感じずに入ってこられる地域という気がします」
高野山の宿場町として多くの人を迎えてきた歴史が、訪れる人を自然に受け入れる空気を育んできたのかもしれません。
「移住に際しては、経済面や将来の不安があると思うんですけども、公共交通という地域にとって欠かせない仕事である点と、高野山という、多くのお客さまがいらっしゃるエリアで事業をさせていただいている点で、比較的心配なく移り住んでいただけるのかなと思っています」
橋本市は利便性と自然の近さを両立しやすく、高野町は世界遺産・高野山の歴史や文化を身近に感じられる地域です。南海りんかんバスの仕事は、その二つの地域を舞台に、地域住民の毎日と観光で訪れる人々の移動を支える仕事です。地域の支えとなりながら暮らしたい方にとって、路線バス運転士は現実的でやりがいのある選択肢になるはずです。
採用情報
※しごと・暮らし体験後に就労した際の情報です。
【勤務地】
橋本営業所(和歌山県橋本市市脇5丁目1-24)
高野山営業所(和歌山県伊都郡高野町)
※いずれかの営業所に配属
【募集職種】 バス運転士
【給与】
基本給:約21万円
月額平均支給額:約27万円(基本給+諸手当)
賞与:あり
【雇用形態】
正社員(6ヵ月の試用期間あり)
※定年60歳。以降は契約社員として最長75歳まで契約更新可
【必要なスキル】
大型二種免許所持者
※未取得の場合は、普通自動車運転免許(AT限定不可)を取得後3年以上経過している方
※内定後4ヵ月以内に大型二種免許を取得いただき、取得確認後に入社となります
【歓迎する経験・資格】
不問(バス乗務経験は不要。入社者の8〜9割が未経験からのスタートです)
【勤務時間・曜日】
シフト制のため、日によって出勤・退勤時刻が異なります。
日中の勤務が中心で、夜10時を超える場合は週1〜2回程度ありますが、そんな日は午後からの出勤となる場合があります。
【休日・休暇】 年間104日
【待遇】 各種社会保険完備、有給休暇あり、交通費支給、大型二種免許取得費用の支援制度あり
スケジュールイメージ
1日目(13:00~17:00)
1.ごあいさつ、会社説明や営業所の見学
2.しごと体験
・路線バスへの添乗、観光客への案内業務など
2日目(9:00~17:00)
1.しごと体験
・路線バスへの添乗、観光客への案内業務など
・現役運転士との座談会
3日目(9:00~15:00)
1.しごと体験
・路線バスへの添乗、観光客への案内業務など
2.体験の感想、質疑応答
※体験は主に高野山営業所で行ないます。ご希望があれば橋本営業所の見学も可能です。
