「日々の業務に追われ、AIやDXの最新技術を学ぶ時間もリソースもない」「関係人口や産学連携なんて、直接採用(移住)に繋がらなきゃ投資損なのでは」——そう思っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、同じようになかなかイメージが持てなかったものの、通信制大学・ZEN大学の学生たちとのプログラムを通じて新たな発見・発展をした企業があります。三重県鈴鹿市で物流業を中心に幅広く事業を展開する、多貴商運株式会社です。
このプログラムは、地域を知り尽くした「ナカビト」である三重シティプロモーションの森田氏と私たちの強力な連携によって実現し、大きな化学反応を起こしました。

▼三重シティプロモーション・森田氏の紹介記事はこちら

本記事では、地方企業が、関係人口創出の取り組みに乗ることでどう変わったのか?経営者のホンネから見えた「地方企業にとって今こそ必要な関係人口とのつながり」をインタビューを通して紹介します。

「最初は地方企業に何のトクがあるのかと思っていた」

── 多貴商運様は現在、課題解決プログラム(※)終了後も継続して学生たちとの連携を進められています。ですが東出社長、率直に申し上げて、最初はこうした取り組みに最初は半信半疑なところもあったとお聞きしました。

※ZEN大学に在学する学生を対象に実施した産学連携プログラムのこと。詳細は以下の記事をご覧ください。

東出社長(以下、東出): そうそう、本当に最初はね、「産学連携なんて、うちみたいな地方の中小企業に何のトクがあるの?」と思ってたんですよ(笑)。どうしても実務を知らない学生さんというイメージが先に来てしまうし、わざわざ自社のリソースを割いて何になるんだろうと。

それに、地方企業にとって『関係人口』という言葉を聞くと、どうしても『最終的に自社に転職して移住(定住人口に転換)してくれないと意味がない』とゴールを狭めて捉えがちですよね。

── その認識が変わったキッカケは何だったのでしょうか?

東出: FLNが主催しているオンラインイベント『地域の仕事”ホンネ”サロン』に登壇するところから始まり、実際に産学連携プログラムを通じて地域外の人と『緩やかに、今までなかった距離感で』繋がり始めたことが大きかったです。

実際にZEN大学などの学生たちと関わってみたら、僕らの思い込みが完全にひっくり返りました。彼らはビジネス感度も高くて、AIや自動化技術の知識も、大人の僕らより圧倒的に吸収が早い。ただ時間を潰しに来るんじゃなくて、本気で時間を費やして、自動配車システムなどのビジネス提案を高いレベルでプレゼンしてくれたんです。

仕事をしていると、どうしても日々の業務に追われて最先端の技術をゼロから勉強する時間は作れません。でも、学生たちの若くて自由な頭脳とうちの現場のニーズを交流させることで、コストを抑えながら自社だけでは難しかった研究開発や新規ビジネスの可能性が見えてきて、「これは有意義な投資だ」と分かりました。

複数回のオンラインイベント登壇、産学連携プロジェクトへの参加で関係人口とつながり続ける

── 東出社長はこれまで、FLNが主催する『ホンネサロン』に複数回ご登壇されていますね。そこでの経験も大きな気づきになったとか。

東出: 実は僕はもともと表に出るのって苦手なんです(笑)。でも、ホンネサロンに何度も出させてもらう中で、考え方がガラッと変わりました。

地方企業が「うちはこんな想いで、こんな面白い仕事に挑戦している」とざっくばらんに情報発信をすると、案外、外の世界へちゃんと届くんですよね。そして、そこで生まれた小さな繋がりが、ただのイベントで終わらずに次のプロジェクトへ発展していく。オンラインを活用すれば、県外の個人や組織とも気楽に、でも深いところで繋がれるんだという確かな手応えがありました。

保守的になりがちな地方企業こそ、自社の魅力や挑戦をしっかりと外に向けて発信していかないといけない。発信したからこそ、新しい技術を持った学生や外部人材が「一緒にやりたい」と集まってくれるんです。地方企業こそ、恐れずにこういう発信の場にトライする価値があると、今では強く実感しています。

── 2〜3月に実施した課題解決プログラム実施から数ヶ月が経ちましたが、直近でも学生の皆さんとの連携を継続されているそうですね。

東出: はい。せっかくいただいた縁をここで途絶えさせないように、今も継続的にやり取りを続けています。例えば、産学連携プログラムに参加してくれた学生が、プログラムの最終プレゼンで発表した提案内容を実装に向けて取り組んでくれています。

こうして、がっつり就職という形でなくても、オンラインを活用してそれぞれの得意分野や多様な距離感で自社の事業に携わってもらえる。この「取りこぼしのない繋がり」こそが、関係人口の本当の価値ですね。学生さんに学びの場を提供しているように見えて、実際は自分たちが得られる気づきが本当に大きいです。

── 最後に、関係人口創出や外部人材の巻き込みに悩む、全国の地方自治体や企業の皆さまへメッセージをお願いします。

東出: 外の視点が入ることで、「うちの当たり前って実は強みやったんや」と気づくし、社内の空気も変わる。ただ、こういう場を企業が自分たちだけで企画して維持していく大変さも感じています。

だからこそ、仕組みや設計はプロに頼ればいいと思います。ただのマッチングやコンテンツの提供じゃなく、企業側にどんな気づきや学びが得られるかまで泥臭く考えて、間に入って進めてくれます。企業は、まずはそのお膳立てに乗っかるところから始めればいい。

やはり一過性のイベントで人を呼ぶより、こうやって『地元の既存企業が外の人材と化学反応を起こして元気になる仕組み』が、成果も見えやすくてよっぽど有意義なはずです。少しでも雰囲気や流れを変えたいと思っている地方企業さんは、まずは気軽にFLNさんに「うちならどう関われる?」って聞いてみるのがいいと思いますよ。

── 今日話した内容に留まらず、今後も地域を支え牽引していく事業を仕込まれているので、いっしょにPRしていければと思っています。東出社長、お忙しい中インタビューありがとうございました!

【結び(今後の展開)】

今回のプロジェクトを通じて見えたのは、「就職」や「移住」といった従来の枠にとらわれず、多様な関わり方(関係人口)を受容することで地方企業が大きく発展していく可能性です。

そして、この成功の裏側には、企業と学生の間に入り、熱量を持ってプロジェクトを推進した三重シティプロモーション・森田氏という「ナカビト」と、FLNの強固な連携体制がありました。地域に根ざしたプレイヤーとプロフェッショナルがタッグを組むことで、企業は安心して外部の人材と交わり、新たな価値を生み出すことができます。

FLNでは今後も、森田氏のような地域のナカビトと連携しながら、「若年層と地域の新しい関わり方」を全国へと広げていきます。関係人口創出や外部人材の巻き込みにご関心のある自治体・企業の皆様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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FLNの関係人口創出事業