IKEUCHIの未来、今治の未来
前身池内タオルから今治のタオルを究めつづけて、64年。同社の社名プレートは今でもファクトリーショップ内に飾られている。事務所建物に表記されている社名も然り。『IKEUCHI TOWEL CO. LTD.』の文字は今もまだ残されている。
「忘れないようにね。とってあるんです。」
自社ブランド製品、オーガニック120が1999年に製品化されてからは18年が経つ。
各国から賞賛を受けるタオルを作り続けてきた。
その反面、民事再生法の適用を申請したことから、今治の地を快く歩けない日々もあった。
多くのファンとともに歩み続け、今のIKEUCHI ORGANICの地位を確立した。
![](https://nativ.media/wp-content/uploads/2017/10/eb965f971a3d93e000634a9551dd86fb.png)
IKEUCHI ORGANICのあゆみ
出典)イケウチオーガニック公式サイトより
これからのIKEUCHI ORGANICを池内さんはどう捉えているのか。
「ものづくりの軸はずっと変わりません。変わらないけど、成長する。」
掲げるコンセプトは同じでも、中身は年を重ねるにつれ、良くなっていく。
「僕らが成長しているのではなくて、お客さんがより成長していくことを求めてくるので。」
そんなIKEUCHI ORGANICで池内さんはなにを大切に、どう仕事をしていくのか。
商品説明会での様子
同社のタオルにはストーリーがあり、それに魅せられて購入をする人も多い。
「魅力を発信するのがうまい」
今治タオルを取り扱うタオル専門店伊織の代表取締役社長、村上さんはIKEUCHI ORGANICをこう評価する。
どんな思いで作られたどんな商品なのか。
ものづくりとは何なのか。
そんな「想いを届けるのが仕事です。」
2015年に社長を退き、代表の座からIKEUCHIを率いる池内さん。
これまでやってきたこと、これからの取り組み、夢を発信していくことに力を入れている。
6月には今治本社にある工場内を開放。オープンハウスを行った。
空港にまで出向かい、自らファンたちを案内したという池内さん。
このイベントは、9時間通して大盛況。
タオル職人を目当てに、40人を超えるファンが県外から今治へ押し寄せた。
「特に学生は最優先。」
これからのものづくり、これからの今治を引っ張っていく若者への期待は計り知れない。
大学のゼミ活動に協力したり、中高生の校外学習の一環に、お昼ご飯を抜いてまで付き合ったり…。
「若い世代が見に来てくれると嬉しいです。そういう世代にどんどん伝えていきたいですから。」
ビートルズに始まり、Apple製品、車…と好奇心旺盛さと輝くその目はまるで子供さながら。そんな好奇心から、多方にアンテナを張る一方で、自社の事業、タオル作りに関わる全てに気を配り細部にまで手を抜かない。池内さんならではのこだわりを持って、客の欲しいタオルを一足先に立って作っていく。そして、その想いを、製品を使ってくれる客へ、IKEUCHI ORGANICを支えてくれている人たちへ、未来を担う若い世代へ伝えていく。
池内さんは今日も、代表室からコットンの原材料を片手に取りながらIMABARIの未来を考えていることだろう。
取材・文・撮影:編集部
写真提供:IKEUCHI ORGANIC 株式会社
●IKEUCHI ORGANIC 株式会社 会社概要
- 所在地(本社): 〒794-0084 愛媛県今治市延喜甲762番地
- 東京オフィス : 〒107-0062 東京都港区南青山6-2-13 2F
- 創 業 : 1953年(昭和28年)2月11日
- 設 立 : 1969年(昭和44年)2月12日
- 代 表 : 池内計司
- 代表取締役社長:阿部哲也