IKEUCHIの未来、今治の未来

前身池内タオルから今治のタオルを究めつづけて、64年。同社の社名プレートは今でもファクトリーショップ内に飾られている。事務所建物に表記されている社名も然り。『IKEUCHI TOWEL CO. LTD.』の文字は今もまだ残されている。
「忘れないようにね。とってあるんです。」
自社ブランド製品、オーガニック120が1999年に製品化されてからは18年が経つ。
各国から賞賛を受けるタオルを作り続けてきた。
その反面、民事再生法の適用を申請したことから、今治の地を快く歩けない日々もあった。
多くのファンとともに歩み続け、今のIKEUCHI ORGANICの地位を確立した。

IKEUCHI ORGANICのあゆみ
出典)イケウチオーガニック公式サイトより

これからのIKEUCHI ORGANICを池内さんはどう捉えているのか。
「ものづくりの軸はずっと変わりません。変わらないけど、成長する。」
掲げるコンセプトは同じでも、中身は年を重ねるにつれ、良くなっていく。
「僕らが成長しているのではなくて、お客さんがより成長していくことを求めてくるので。」
そんなIKEUCHI ORGANICで池内さんはなにを大切に、どう仕事をしていくのか。

商品説明会での様子

同社のタオルにはストーリーがあり、それに魅せられて購入をする人も多い。
「魅力を発信するのがうまい」
今治タオルを取り扱うタオル専門店伊織の代表取締役社長、村上さんはIKEUCHI ORGANICをこう評価する。

どんな思いで作られたどんな商品なのか。
ものづくりとは何なのか。

そんな「想いを届けるのが仕事です。」
2015年に社長を退き、代表の座からIKEUCHIを率いる池内さん。
これまでやってきたこと、これからの取り組み、夢を発信していくことに力を入れている。

6月には今治本社にある工場内を開放。オープンハウスを行った。
空港にまで出向かい、自らファンたちを案内したという池内さん。
このイベントは、9時間通して大盛況。
タオル職人を目当てに、40人を超えるファンが県外から今治へ押し寄せた。

「特に学生は最優先。」
これからのものづくり、これからの今治を引っ張っていく若者への期待は計り知れない。
大学のゼミ活動に協力したり、中高生の校外学習の一環に、お昼ご飯を抜いてまで付き合ったり…。
「若い世代が見に来てくれると嬉しいです。そういう世代にどんどん伝えていきたいですから。」

ビートルズに始まり、Apple製品、車…と好奇心旺盛さと輝くその目はまるで子供さながら。そんな好奇心から、多方にアンテナを張る一方で、自社の事業、タオル作りに関わる全てに気を配り細部にまで手を抜かない。池内さんならではのこだわりを持って、客の欲しいタオルを一足先に立って作っていく。そして、その想いを、製品を使ってくれる客へ、IKEUCHI ORGANICを支えてくれている人たちへ、未来を担う若い世代へ伝えていく。
池内さんは今日も、代表室からコットンの原材料を片手に取りながらIMABARIの未来を考えていることだろう。

取材・文・撮影:編集部
写真提供:IKEUCHI ORGANIC 株式会社

●IKEUCHI ORGANIC 株式会社 会社概要

  • 所在地(本社): 〒794-0084 愛媛県今治市延喜甲762番地
  • 東京オフィス : 〒107-0062 東京都港区南青山6-2-13 2F
  • 創  業 : 1953年(昭和28年)2月11日
  • 設  立 : 1969年(昭和44年)2月12日
  • 代  表 : 池内計司
  • 代表取締役社長:阿部哲也