お客さん同士の交流が熱量を生む

―17年6月に、お客さんを招いて今治の工場見学ツアーを行ったと聞きました。目的や手応えは?

工場で仕事をしている職人さんとお客さんは普段触れ合うことがないので、そこの風通しを良くしたいと思ったんです。集まったのは全国から約40人。県内からの参加者はほぼおらず、皆さん飛行機代や参加費を払って参加してくださった、うちのことが大好きなお客さんです。イベントの最後に、お客さんに自分の好きなタオルについて語ってもらう時間を設けたんですが、職人は皆嬉しそうにしていました。こういう熱は、僕らがいくら伝えてもなかなか伝わりません。

工場見学ツアーの様子

工場見学ツアーの様子

こうしたファンとのコミュニケーションは今の時代欠かせませんが、正直、精緻に設計しているわけではなく、自然に広がっている要素の方が強いです。全国にファンがいますが、中でも京都店のお客さんの熱狂が凄い。僕ら以上に商品のことが好きで、彼らが応援隊となって商品がどんどん広がっている。先月京都店のイベントで気付きましたが、京都店ではお客さん同士が交流をしています。店長が人と喋ることが好きなので、お客さんを紹介しあってそこからコミュニティーができている。それが熱量の源かもしれません。他の店舗やECにも取り入れたいと思っています。

―コミュニティー作りは、多くの企業がいま模索しているものです。イケウチでは、今後どんなやり方で進めていきますか?

構想中ですが、オンラインだけではいくら盛り上げてもコミュニティーはできないと気付きました。イベントを絡めて、そこからオンラインにも誘導してコンテンツを作っていきたい。オンラインとオフライン(実店舗、イベント)を包括的に繋げていくコミュニケーションが必要ですし、まさにそれを考える立場に自分はあります。
やりたいことは多いですが、人手が足りていません。でも、新規で大量に採用して、というのは会社の規模として現実的でない。ちょうど副業を認める企業も増えていますから、同じ思いを持った社外の人といかに仕事をしていくかが大切だと思っています。ありがたいことに、イケウチが好きで応援したいと思ってくださる方は多いので、そういう方達と組んでいく仕組みを作りたい。そういう人に恵まれていることがとてもありがたいです。

取材・文・撮影:編集部
写真提供:IKEUCHI ORGANIC株式会社

●IKEUCHI ORGANIC 株式会社 会社概要

住所(本社)
〒794-0084 愛媛県今治市延喜甲762番地
     (東京オフィス)
〒107-0062 東京都港区南青山6-2-13 2F
創業
1953年(昭和28年)2月11日
設立
1969年(昭和44年)2月12日
代表
池内 計司
代表取締役社長
阿部 哲也