地方移住の下見に行きたくても行けない。そんなモヤモヤのあなたに、オンラインでの地方移住相談をおすすめします。下見に行かなくても、むしろ下見に行く前にオンラインで移住相談した方が効率が良いです。今回は30以上の自治体とオンライン移住相談してきた経験を踏まえ、オンライン移住相談のポイントとおすすめの相談先をご紹介します。

オンライン移住相談って?

オンライン移住相談
数年前の移住相談と言えば、現地訪問し自治体と対面相談するのが普通だった。それが新型コロナの影響もあり、対面よりオンラインでの移住相談がスタンダードになりつつある。Zoomでの1on1の相談は有意義。パソコン越しに資料を共有しながら説明してくれるので分かりやすい。リアルタイムで外風景を映し出してくれる自治体もある。
 
もちろん下見に行った方が良いのだろうけど、その手前でオンライン相談しておくと下見効率も格段に上がる。オンライン相談時に、移住者の紹介や町案内を依頼しおけば、訪問時に見事に対応してもらえる自治体が増えた。またオンライン移住相談でも、自分に合う町かどうかは判断できる。無駄に下見に行く必要もなくなるのでいいかと思う。
 

オンライン移住相談の流れ

オンライン移住相談

■準備
ほとんどの自治体のオンライン相談は、Zoomで行われています。事前に動作確認をしておきましょう。実際の相談時間は約30分程(長くても1時間)、長いようで短いです。現地の人や相談員に聞かないとわからないこと、不安におもっていることなど、聞きたいことを事前にリスト化しておくことをおすすめします。

■事前予約
オンライン移住相談は基本的に予約制です。相談希望日の少なくとも3日前には予約を完了しておきたいものです。ただ移住セミナーや移住人気が高いエリアでのオンライン移住相談は、すぐに予約が埋まってしまうので、早めに予約しておきましょう。ちなみに自治体主催の移住相談は、すべて無料です。

■オンライン移住相談のポータルサイト
「移住希望エリア☓オンライン移住相談」でGoogle検索すれば、対応している自治体のサイトが見つかります。具体的な移住候補地が決まっていないなら、以下のような移住ポータルサイトサイトを使えば、オンライン移住相談が可能な自治体が一覧でき、予約もスムーズです。

SMOUTオンライン移住相談センター
ふるさと回帰支援センター
 

オンライン移住相談で聞いておきたいこと

オンライン移住相談

■移住者数
移住者の数は知っておきたいところ。転入が移住者なのか判断がつかない場合もあるが、少なくとも相談窓口経由でどれぐらいの人が移住しているのかは聞いておこう。移住者が100人以上いれば、ある程度受け入れ体制が整っていると、私は勝手に判断しています。少なすぎても怖いし、多すぎても微妙。どんな状況かを聞いておきましょう。

■地域の仕事
その地域にどういった仕事があるのか、年齢や職種なども聞いておこう。また移住者がどんな仕事に就いているのかも聞いておきたい。テレワーク移住者が多いのか、地域企業転職か、就農か、それともセカンドライフ移住なのか。どういった仕事をしている人がいるかがわかると、地域の生活やライフスタイルがイメージできます。

■気候や災害
夏冬の状況は確認しておこう。あなたの好みにもよるだろうが、冬場にマイナスになる地域もあれば、夏場は想像以上に高温多湿な場合もある。また昨今の災害状況や災害対策(ハザードマップで確認可能)についても、出来る限り詳しく聞いておいた方が良い。

■移住者のリアル
移住者のその後についても確認しよう。どういった仕事をしているのか? 移住後の彼らの相談事は、どういったものがあるのか? 移住後のフォローも移住相談員の仕事なので、ここも遠慮なく聞いた方がいい。移住後のトラブルや困りごとも知っておいた方が良い。

■地域の不動産事情
自治体は地域の不動産会社と提携している場合が多い。移住先の物件については、やはり地元の不動産会社に相談した方が良い。自治体によっては、あなたが希望する物件を直接不動産屋さんに確認してくれることも。土地柄やハザードエリアも地元の人に聞いた方がいいので、地域の不動産屋は紹介してもらっておこう。

■移住関連の支援
軽自動車購入の補助金が出たり、通勤支援金が出たりと、自治体による補助金・支援金は様々。相談員さんに聞くと、条件含め細かく教えてもらえるのでありがたい。
 

移住先選定の2つのヒント

オンライン移住相談
とは言え、どこに移住相談すればいいのかわからない。移住候補先を絞り込めないという方も多いようなので、私が移住候補先を絞り込んだ2つの方法をご紹介します。

 
■城下町で絞り込む
移住して税金を収めるわけなので、どちらかというと潤っている町に移住して、しっかり町のサポートも受けたい。潤っている町=城下町だと個人的に思っている。歴史があって、商人がいる。ヒト・モノ・カネが動いている町。商売人が多い町は活気があって、町も潤っている。

 
東京近郊の主な城下町⇒
長野県松本市(松本藩松本城下)
山梨県都留市(谷村藩谷村城下町) *筆者移住先候補
千葉県佐倉市(佐倉藩佐倉城下)
神奈川県小田原市(小田原藩小田原城下) *筆者移住先候補
etc.

■隣町で絞り込む
みんなと一緒思考で移住するより、ズラシ思考の方がいいかなと。人気の移住先は、既に物件供給が追いついていないところもあるし、そもそも移住者ばかりで面白みがない。何か事業をやろうと思っても競合が激しい。それが隣町だとたちまち状況が変わる。家賃は断然安くなるし、人も車も、事業も渋滞しない。

主な隣町⇒
埼玉県小鹿野町(秩父市に隣接)*有名観光地隣町
茨城県結城市(栃木県小山市【栃木県第2の都市】に隣接)
神奈川県二宮町・中井町(小田原市に隣接)
長野県佐久市・群馬県安中市(長野県軽井沢町に隣接)
 

おすすめのオンライン移住相談先

富士山
■山梨県
移住先として大人気の山梨県。だけどどのエリアが自分に合っているのかわからない。山梨に興味があるのなら、まずは「やまなし暮らし支援センター」でのオンライン移住相談がおすすめ。山梨県出身の相談員さんが、エリアごとの特徴を見事にご紹介してくれます。

【東京都】やまなし暮らし支援センター
 
三島移住
■静岡県三島市
とにかく三島市の相談員さんの説明スキルが高いです。Google Mapを画面共有しながら街全体の説明を行って頂けるので、行ったことがなくても、明確に三島の町のイメージが持てるようになります。また気候や災害対策情報など、ネットでは集めにくい情報を、具体的に教えてもらえます。

三島市とオンライン移住相談
 
美瑛町
■北海道美瑛町
東京から北海道に移住した方が相談員さんなので、自分と重ね合わせてよりリアルなお話を聞くことが出来ます。住宅、仕事、2拠点居住、移住者、土地価格のこと等、もの凄く丁寧に教えて頂けます。

参考記事:【地方移住検討中】日本で最も美しい町「丘のまち北海道美瑛町」〜北の国からの世界についてオンラインで聞いてみた。
 

筆者の地方移住の進捗

会社がリモートワークを推進していることもあり、移住へのハードルはかなり下がった。とは言え、大学までは都内で学びたいという娘の要望があるため、完全移住は少し先になりそう。なので第一ステップとして週末移住あるいは週中移住を検討中。家族としては、私が単身移住することで、ひと部屋自由に使えることになるし、思春期まっさかりの娘にとってパパ不在は願ったり叶ったりらしい(笑)

サラリーマンをしながらレンタルスペース事業を地方でやってみようかと、最近思っています。地方でお役立ちできる事業が作れたら本望。なので色んな人にお話を聞くようにしています。地方移住&起業で人生を楽しくしていきます。今のところの移住候補地は以下の通りです。都内からアクセスの良いところを探しています。

・山梨県(都留市、大月市、上野原市) ・神奈川県小田原市
・茨城県(結城市、土浦市)など

【著者】旅行会社にて地域交流事業に従事。1972年生まれ大阪市出身。関西大学経済学部経済学科卒業。エネルギーを軸とした地域財源作り、地域プロモーション、人材育成、地域ブランディングなど、様々な「地域☓ビジネスソリューション」を経験。全国の名旅館・ホテルを300施設以上を訪問し地域の課題解決に取り組んでいる。この先1〜2年で地方移住を検討中、地方移住ブログにて移住先の下見情報や補助金情報などを公開中⇒「地方移住してテレワークで働けば、人生めちゃ楽しいやん!と思う。」にて公開中。Twitterはフォロワー数3000人。