東京・目黒の印刷工場跡に開かれたアントレプレナーコミュニティImpactHUB Tokyoが、新たな仲間を募集している。ポジションは「コミュニティ・アントレプレナーシップ
プログラムマネジャー」。どんな仕事なのか、現コミュニティ・アントレプレナーシッププログラムマネジャーの岩井美咲さんに、お話を伺った。

Impact HUB Tokyo

Impact HUB Tokyo は、株式会社Hub Tokyo が運営する、社会的インパクトを生み出そうとする起業家やチェンジメーカーのコミュニティ。欧州、北米、アジア、アフリカなど、世界約86 箇所に存在し、のべ15,000 人を超えるImpact HUB ネットワークの一員である。。2013年2月の開設以降、現在、160名を超える起業家、スタートアップチーム、企業内起業家、NPOリーダー、フリーランス、アーティスト、エンジニアなどが集まるコミュニティへと成長し、メンバー間のコラボレーションを生み出しながら今なお拡大を続けている。

変化が好きで「ルーチン<マルチ」に働きたい方へ

NATIV.編集部が取材に訪れた16時、東京・目黒にあるアントレプレナーコミュニティImpact HUB Tokyoでは、真ん中にレイアウトされたキッチンで、クリスマスパーティの準備が進められていた。

オープンキッチンがコミュニティのハブになっている

元々印刷所だった440㎡のスペースに400名を超える事業家たち”HUBbers”が集うImpact HUB Tokyoは、2013年2月にオープン。約5年間で培われた場づくり、コミュニティづくりのノウハウが東京以外の地域で求められるようになり、現在のチームが地方でリモートで働くなど今後働き方が変わることに。
この変化にチームを拡大して対応していくため、新たにチームの一員として東京のコミュニティ拠点を担当するコミュニティ・マネジャーを募集することになった。

Community of Impact Makers Inside

集っているのは、起業家、スタートアップのチーム、企業内起業家、NPOリーダー、フリーランサー、アーティスト、エンジニアなど。壁に大きく書かれている「Questioning + Action = Impact」の文字が象徴するように、それぞれが、見出した問題意識を世に問い、現状に甘んじることなく行動を起こし、新しい時代を創っていくムーブメントを起こそうしている。

今回募集するポジションには、一応「コミュニティ・アントレプレナーシッププログラムマネジャー」という長い横文字の名前がついているが、このポジションで4年と半年、走ってきた岩井さんは、この仕事を実に多様な言葉で表現する。

  • 人生をかけて仕事をする起業家をそばで支える伴走者。
  • 悩める起業家が前を向くための壁打ち相手。
  • 起業家育成プログラムの運営責任者。
  • クリスマスパーティをやろう!と最初に言い出す係。
  • 今あるニーズを吸い上げ、ピッチの練習会やオープンメンタリングの場をつくる企画者。
  • 起業家の”What”を支える”Why”に分け入る探求者。
  • 価値の交換やムーブメントが起きる「場づくり」を引き受けるホスト。
  • つながりの価値の発見者、増幅装置。

具体的な事例を聞いてみた。

世界的な国際機関と起業家育成プログラムを共創

OCEANチャレンジプログラムの様子

ひとつめは、WWFジャパン(世界自然保護基金)と共催した持続可能な水産業を目指す起業家育成プログラム「OCEANチャレンジプログラム」。Impact HUBは2005年にロンドンで発祥したあと世界中に拡がり、現在約86箇所のグローバルなアントレプレナーのコミュニティに成長を遂げている。

WWFジャパンとの連携は、先に連携プログラムを実施していたImpact HUB Zurich(チューリッヒ)から「東京でもやってみたら?」と紹介があって始まった。詳細はリンク先を見ていただきたいが、「誰か飛び抜けたアイディアをもった人一人をサポートするのではなく、そういったイノベーターたちを全国で増やしていくことが必要だと感じ、まずは全国で水産業の課題解決に取り組むプレイヤーを把握すること、その人たちの課題を見つめるところから始めましょう、という話をしました。」と岩井さん。

Impact HUB Tokyoが実施してきたチームラーニングで行う起業家育成プログラム「Team360」の手法を採用。北は北海道のオホーツク海沿岸、南は宮崎県の離島から、これまで各地で孤軍奮闘していたアントレプレナーが集結し、考え方やネットワークを持ち帰る。

課題解決型思考で「人」に合わせた場を即興

カジュアルでリラックスしやすい空間も魅力のひとつ

ふたつめは、コミュニティの起業家へのサポート事例。「起業家から『マーケティングどうしよう』『ウェブ発信どうしよう』と相談を受け、コミュニティ内で専門的な知識をもつ人や経験をもつ人とつなげ、他の方も参加できるような小規模な学びの機会を作ったり。また、『今度ピッチ(事業発表の機会)があるので練習させていただけますか』との声に、せっかくの機会なので私だけじゃなくてみんなに聞いてもらおう、とメンバー限定のピッチの練習大会を企画し、みんなからのフィードバックを引き出せるよう場をファシリテートすることもあります。」
Impact HUB Tokyoのコミュニティは、それぞれ他の事業をする他人同士ではありながら、同じ事業家として価値観を共有した方々なので、ピッチを聞いてもらい、フィードバックを与え合う相手としてちょうどいいのだという。

”ただのシェアオフィス”ではない価値を創造する

Impact HUB Tokyo にある”ただのシェアオフィス”以上の価値は、コミュニティを運営してきた運営者たちの”ほどよい干渉”が生み出している。

コミュニティ内で開催された小規模なピッチの場

「そうして関わらせてもらった起業家が1〜2年後に全然違う表情を見せたり、新しいサービスができたりすると、ものすごくうれしい。みなさんの事業が『進んでいる!』と実感し、成長の一歩に関われたと思える瞬間は、最高です。」

仕事内容は、これまでの4年半の間にも、どんどん変化してきたというから、これからも変化していくのだろう。最後には、「役割を演じる必要は一切ない。究極、ひとりの人として、人と関わる仕事です」という言葉も飛び出した。

全国で求められ始めた”コミュニティマネジャー”のスキルと経験

冒頭でお伝えしたように、こうしたコミュニティづくりやアントレプレナー育成のスキル・ノウハウは、日本じゅうの地域でさまざまに求められるようになっている。将来的には、東京を拠点に日本じゅうを飛び回るワークスタイルも実現可能だ。

条件は、

  • マルチタスクになるのでルーチン好きではない人。
  • 「こうでなければならない」ではなく「こうしたい」から発想できる人。
  • 違和感を感じたら、自分の頭で考えて、言える人。
  • 課題に共感する人が集まって場が盛り上がればOKでもなく、
    投資家から何億円も調達することを第一義的に目指すのでもない、
    その間のゾーンに価値を感じられる人。
  • 英語を使う場面は多いので、最低でも「話そうと思えば話せる」と思える人。
    (ワークショップやイベントを英語で回せるぐらいは使えるなら、その英語力はすごく活かせるそうだ。)

採用プロセスは、1本のメールから始まります。

「2人目の私になる必要もなくて、新しい風がほしい。とにかくまずは会ってみて、お互いにピンとくる人に出会いたい」と岩井さん。四角く切り取られた枠の中で仕事をすることに窮屈と退屈と感じている人は、まずは一本のメールから。Impact HUB Tokyoにコンタクトをとってみてはいかがだろうか?

応募はコチラのページから
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●株式会社 Hub Tokyo

  • 事業名:Impact HUB Tokyo
  • 代表取締役:槌屋詩野
  • 所在地:東京都目黒区目黒2-11-3 印刷工場1階
  • 電話:03-5761-6775
  • 設立:2012年5月1日
  • 資本金:1750万円(2017年3月現在)
  • コーポレートサイト

取材・文:浅倉彩