ギャップもあれど、それは「未来への投資」

2つの不安点を解消すべく、WAKAZEへ飛び込んだ佐藤さん。
転職前と後では、様々な違いがあると語る。

まずは仕事面。

「付き合う人の幅が広くなりました。お客様が飲食店さんだったりお酒を扱う人もいれば、広報という立場でメディアの方ともお付き合いがあったりとか、ベンチャーという切り口で飲食だけではなくIT系のベンチャー、代表クラスの方々とすぐアクセスできるようになって、直接話をして私個人を知ってもらうことができるようになったので。それは一個面白いなと思っていることです。」

「あとは働く内容としては前職では、あらかじめ切り取られた業務範囲があって、ここだけやってみたいな感じだったんですけど、そこが境界線がなくなってきているので、自分のやらなきゃいけないことが増えた分、気づいたらできるようになっていることが増えていたというようなことがあります。3人クラスのベンチャーだと、どうしても経営視点を求められて最初そこは自信がなくて苦労したんですけど、自分が一つ動くことで会社にとってどういうメリットがあるのかとか、これをやることに対して利益が出るのかとか総合して考えて意思決定をするということができるようにだんだんなってきたというのは、大きいと思っています。単純に楽しいです。言われたことをやるだけじゃないので。そういを楽しめる人は(ベンチャーに転職するのは)いいんじゃないかと。」

しかし良い変化だけとも言えない。

「裏を返すとあれしろこれしろと誰も言ってくれなくて、教えてくれない。最初はすごい戸惑いました。今思うと、私ほんと何もできないなと落ち込んでいた時期もありました。自分に求められているものにも全く応えられていなかったので、すごく大変でした。入社して3ヶ月くらいは、ずっと悶々としていた気がします。今は、小さい成功体験を積み重ねていって、なんとなく要領を得てきたのでちょっとずつできることが増えて、楽しくなってきてはいるんですけど。すでにでき上がった会社からゼロイチのスタートアップに入った時って、正解が全くないっていうのが、たぶんぶちあたる壁なんじゃないかなと思いますね。」

「お給料はだいぶ下がりました。あとは朝が早くなったとか。そういう違いはありますね。」

ただ佐藤さんはそのギャップに対しても前向きに考える。

「(給与が下がることに対する抵抗は)私は正直あまりなくて。自分が30代、40代になった時に自分一人でも戦えるようになっていないといけないなと思っていて。個人として自立して、会社とか組織に属していなくても、必要とされるようになっていたいという思いがあるので、未来への投資的な意味で、今お給料が下がることに対してはそんなに。それを考えるとお給料が100万、200万下がったところで、5年後10年後の自分がそうなっている方がよっぽど価値があると思ったのであまり気にしませんでした。」

会社と一心同体かのように働けることは、働くモチベーションにもつながるという。

日本を世界中から人が集まる日本酒の聖地に

そんな佐藤さんが描くWAKAZEで実現したい未来とは。

「日本酒ブームが一過性のもので終わらずに、それが定着していくといいなと。ワインを例に考えてみると、世界中で飲まれるようになって、その商品全般が一般的なものになった時に原点回帰が起きるんですよね。ワインが好きな人がワイン発祥の地に注目し始めて旅行で訪れる。日本酒も世界に持っていって世界中で定着していったら日本が日本酒の聖地になるわけじゃないですか。海外の人が来ることで、日本酒業界がちょっと良い方向に変わってる日本酒業界も活性化されるし、山形も絶対スポットライトを浴びると思うんです。そういう意味で、遠回りかもしないけど地元に豊かさが回帰していく道筋が見えたこともあり、閉塞感のある業界をなんとかしていくというWAKAZEのビジョンにすごく共感しています。」


日本酒が世界で定着していく夢と、それに伴う山形の盛り上がりに期待しながら働く佐藤さん。
そんな佐藤さんの描く未来を私も見てみたいなという気持ちにさせられた。

取材・文:梶井夏葉、撮影:宮嵜涼志

●株式会社WAKAZE

  • 代表取締役:稲川琢磨
  • 所在地:山形県鶴岡市末広町5番22号 マリカ西館2階201号室
  • 設立:2016年1月
  • 資本金:900万円

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