「大山が大好きなんです。」そう笑顔で話してくださったのは、大阪からIターンで鳥取に移住して来られた幅田舞さん。
幅田さんが、鳥取県に移住したいと思った一番の理由は大山。その美しさとかっこよさに魅了され、大山の見えるところに住みたいという思いが芽生えたのだそう。
現在、幅田さんは南部町生まれの夫、洋生さんと2人のお子さんの家族4人暮らし。「特定非営利活動法人 なんぶ里山デザイン機構」がリフォームした古民家で暮らしています。
幅田さんが、鳥取県に移住するまでの思い、移住後の暮らしや現在の活動についてインタビューしてきました。
自主性・主体性
大阪府出身の幅田さん。コンクリートに囲まれた都会の中で生まれ、日々生活していく中で「いつか田舎に住みたい。」そう思うようになっていたのだそう。
社会人となり、大阪市内で幼稚園教諭として働き始めた幅田さんは、「自主性」という言葉に疑問を抱くように。
※日本では、2018年に改正された「幼児教育・保育の施設等の指導要録」の中で、「自主性・主体性を育むこと」が挙げられているように、自分の意志や判断に基づき、自らの責任のもとで行動しようとする「主体性」と、あらかじめ決められたことを率先して行動する「自主性」を重視した保育が求められています。
当時、幅田さんは、30人の子供を一人で受け持つクラスを担当しながら「自主性を大事にするとはどういうことなのだろう。」と、モヤモヤした気持ちを抱えながら過ごしていたといいます。
日本の教育現場において、子供たちにどのように指導していくべきなのか悩んでいた時、「森のようちえん」の活動を知ります。
※「森のようちえん」とは、自然体験活動を基軸にした子育て、保育、乳児、幼少期教育の総称のことで「森」だけではなく、海や川、野山、里山、畑、公園など自然体験をするフィールドを指しています。(0歳からだいたい7歳ぐらいまでの乳児・幼少期の子ども達を対象)。
「その日やりたいことを子供自身が決めるという、森のようちえんの方針にとても感銘を受けました。」
まず先生が計画を立て、それに基づき子どもたちが活動するという日本の幼児教育の現場とはまったく違う多様性の教育に興味を持った幅田さんは、「森のようちえん」発祥の地、デンマークに2年間留学。
帰国後、鳥取県智頭町の「森のようちえん まるたんぼう」で研修生として学びながら働き、その後南部町の地域おこし協力隊として3年間活動してきました。
考え方、文化、教育方針すべてが日本とは対照的なデンマークでの経験。森や川など野外のフィールドを活用してのびのびと過ごす「森のようちえん まるたんぼう」での保育スタイルなど、様々な経験から刺激を受けたといいます。
その経験をもとに立ち上げた「森の保育サークル うたたね」は、地域おこし協力隊の活動の中、保育士の高橋さんと運営を始めたもの。
「森の保育サークル うたたね」では、月に一回、おさんぽ会をしたり、お話し会を開いたりイモ堀りをしたり。
自然に触れながら、親も子ものびのび過ごせる集いを開催しているのだそう。
「子供たちが大きく成長していく過程で、サークルの形は少しずつ変化していくとは思いますが、これからも継続していきたいですね。」
幅田さん自身、発見や得るものも多いという「森の保育サークル うたたね」の活動。地域交流の和も広がり、子供達だけでなく親同士の繋がりの場としても大切な存在となっているようです。
鳥取の魅力について
「初めて大山を見た時、すごくかっこいいなと思いました。」
智頭町での「森のようちえん まるたんぼう」での研修期間中、休日を利用し大山へ。その時初めて見た大山の美しさとかっこよさに惹かれ、その後も何度か遊びに行ったのだそう。
その頃から、”大山の見えるところに住みたい”という思いが、幅田さんの心の中に芽生えたと言います。
幅田さんは、「森のようちえん まるたんぼう」での研修後の2018年、南部町の地域おこし協力隊として南部町へ移住。
その後結婚し、現在は、南部町生まれの夫、洋生さんと二人のお子さんと「なんぶ里山定住機構」がリフォームした古民家で暮らしています。
「家から大山が見えるんですよ。」と嬉しそうに話してくれた幅田さん。
夢だった”大山の見えるところで暮らしたい”という思い。四季折々に移り変わる大山の姿をきっと毎日眺めているのでしょう。
夫である洋生さんも、自然が大好きな人。畑で野菜を育てたり、魚釣りをしたり、生まれ育った南部町を満喫しているのだそう。
「人と人との距離も近く、近所の方々が、とても温かくフォローしてくださる環境に感謝しています。」
「鳥取に移住してきてよかったです。ここでの生活が自分には合っているみたいで、のびのびと毎日を過ごしています。」
梅仕事をしたり、柚子ジャムを作ったり、四季折々の変化を身近に感じながら過ごす毎日がとても楽しく充実しています、と話してくださいました。
現在の活動
幅田さんは現在、二人の子育てをしながら、地域おこし協力隊の活動時に始めた、南部町内だけで放映中の「なんぶSANチャンネル」とういうテレビ番組に出演されています。
インタビュー時も地元の方に「テレビに出てる人だよね?」と声を掛けらた幅田さん。
お年寄りから子供さんまで幅広い世代の方から、「テレビ今日も見たよ」「テレビであんな話をされていたね。」と話しかけられることも多いのだとか。
幅田さんと、南部町の方々との距離がとても近いことを感じた瞬間でもありました。
移住を考えている人へ
「鳥取県は、海も山も近くにあり自然を感じつつ、30分圏内ですべてそろう環境で、田舎暮らしでありながら、便利さもある、両方叶うお得感がありますね。」と幅田さん。
「大山寺付近を散歩したり、ドライブをしたり、大山の雪景色を眺めたり、浜辺で水遊びをしたり、波音を聞いたり、きれいな景色にとても癒されています。」
近所に住んでいる子供達も「こんにちは」と挨拶をしてくれて、距離感が近く温かくていい場所ですね、と鳥取県の良さをたくさん話してくださいました。
海も山も近いこの場所で、大山を眺めながら、春夏秋冬、四季折々の自然の変化を楽しみ過ごせる幸せ。
自分の住んでいる場所を「いいところですね」と言ってもらえたことで、改めて鳥取県の良さを再認識できました。
興味のある方は、ぜひ一度鳥取県に遊びに来てくださいね。待っています。
幅田さんの移住スケジュール
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(データ・写真など上記情報は記事作成時点のものです。変更ある場合がありますので参考程度にお願いします。)