学生にとって就職先の企業を選ぶのはとても重要です。ネットには就職情報があふれ、企業説明会も数多く開かれていますが、情報が多すぎて逆に迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。そんな中、熊本県は2015年度から「ブライト企業認定制度」を通じて、県内の魅力ある企業をPRする活動を続けています。ブライト企業って何でしょう。どんな企業が選ばれ、その実力とは? 実際にブライト企業を訪ねて、魅力を探ってみました。

JR上熊本駅の西口から出ると、大きな建物が隣接しているのが見えます。ここは熊本製粉株式会社の本社と熊本工場。ブライト企業に認定された会社です。正面玄関で取締役管理本部長の藤江修さんら社員の皆さんに出迎えていただきました。

働く人がいきいきと輝く“ブライト企業”

まず「ブライト企業」について説明します。熊本県では、働く人がいきいきと輝き、安心して働き続けられる企業を「ブライト企業」(ブラック企業と対極の企業をイメージした熊本県の造語)として認定しています。県内の企業から募集を行い「従業員とその家族の満足度が高い」「地域の雇用を大切にしている」「地域社会、地域経済への貢献度が高い」「安定した経営を行っている」という4つの基本的な要件に関連する20の審査項目で、一定の水準を満たしている企業をブライト企業として選び、2018年10月現在288社が認定されています。「熊本県には、多彩な魅力を持つ企業が数多く存在します。この制度で、これから就職する県内外の学生や保護者の皆さんに熊本の企業の魅力を発信し、県内就職の促進につなげたいと考えています」と、熊本県労働雇用創生課は狙いを説明しています。

充実した休暇制度でリフレッシュ

さて、熊本製粉に話を戻しましょう。同社は1947年設立、現在の従業員は約190名。小麦粉、そば粉、米粉などの「製粉事業」を主力に、調味料・健康食品素材などの「食品事業」、常温倉庫・低温倉庫などの「倉庫事業」を展開しています。

「当社では、社員が積極的に休暇をとったりリフレッシュしたりできるよう様々な取組みにより工夫を行っています」と藤江取締役。その言葉通り、ノー残業デー、有休取得促進日、誕生日などに取得できるアニバーサリー休暇、クリスマスケーキ購入補助、納涼祭や社員旅行、スポーツ大会の開催など多彩なイベント・制度を設けて、社員の生活の充実を後押ししています。

5連休も可能な「WLB休暇」

「当社では、社員が積極的に休暇をとったりリフレッシュしたりできるよう様々な取組みにより工夫を行っています」と藤江取締役。その言葉通り、ノー残業デー、有休取得促進日、誕生日などに取得できるアニバーサリー休暇、クリスマスケーキ購入補助、納涼祭や社員旅行、スポーツ大会の開催など多彩なイベント・制度を設けて、社員の生活の充実を後押ししています。

それに加え、2017年度からスタートさせた新制度が「ワーク・ライフ・バランス(WLB)休暇」です。これは、年度初めに全ての社員が3日間をWLB休暇として設定できるもの。連続取得が基本で、土曜日曜などと組み合わせれば5連休以上も可能です。会社にとっては社員がONとOFFのメリハリをつけて生産性の向上を図り、同時に休暇中の社員のカバーをすることを通して職場の業務分担を促進できるのが狙いだそう。

WLB休暇の導入にあたっては、宮本貫治社長が旗振り役となって会議などで繰り返しWLBの重要性をアピールして浸透させました。このため、導入への反発はなかったそうです。スタート年度は取得率100%を達成し、18年度も完全取得の見込み。WLB休暇の使い方については様々ですが「同期同士で旅行したり、家族と過ごしたりしていると聞いています」(総務部)。藤江取締役は「将来は5日間に拡充したい」と意気込んでいました。

メンタルヘルスからプライベートまでフォロー

人材育成にも力を入れています。そのひとつが「ブラザー&シスター制度」。これは先輩社員を指導役として付ける「メンター制度」の一種ですが、入社1年目の社員に年齢の近い先輩社員がお兄さん、お姉さん役として任命され、仕事や新生活での不安、悩みをフォローする制度です。先輩社員は必ず別の部署から選ばれ、新入社員は次年度にはブラザー&シスターとして後輩の面倒をみるのがユニークな点です。

同制度は2009年度から導入していましたが、2014年に人材開発部が誕生してから、ブラッシュアップを図ってきました。具体的には、先輩社員は新入社員と毎月1回以上面談などでコミュニケーションをとり、フォローの状況などを人材開発課に報告すること——といった目的を明確化。2016年からは、コミュニケーションのための食事代などの懇親会費用を会社で一部負担しています。「若手社員の意見を聞きながら、制度のブラッシュアップを行っています。人づくりにも常に変化、チャレンジが必要です」と、執行役員総務部長兼人材開発課長の福島真理子さんは強調します。

年間130人が受ける通信教育も

ほかにも、業務の改善活動を推進するため社内のイントラネットワークのシステム上で「気づきメモ」を導入しています。社員は改善点やアイデアなどを自由に提出でき、そのメモは誰もが見ること、コメントすることができます。多く気づきメモを提出した社員は人事評価にも反映されます。毎年1000件を超える気づきメモが提出され、その中からヒット商品や新しい市場開拓などが実現しているそうです。また、自主的・主体的な学びを習慣化するため、会社負担により会社指定の通信教育を受けられる制度もあり、毎年130人以上が申し込み、9割超が修了しています。

◇BtoB企業として異例の就職希望ランクイン

熊本製粉はこうした取組みにより2017年度にブライト企業として認定され、18年10月にはくまもとブライト企業賞を受賞しました。それだけではなく、学生への知名度や新卒採用の受験者アップ、さらに離職者の減少にも効果が出ているといいます。例えば、2018年就職希望企業関心度ランキング(雑誌「くまもと経済」による)では男子18位、女子11位にランクインしています。消費者との接点が少ない「BtoB」の企業としては異例の高順位です。ここ数年の新卒採用受験者数も200人を超えており、毎年5〜10人超が入社しています。

社の生き残りをかけ、若手の活躍を後押し

製粉業界は将来、少子高齢化による人口減や経済連携協定「TPP」などによって、市場の縮小が予想されるため、熊本製粉では、大手がやらないニッチ市場でのシェア拡大、地域に根ざした商品開発、欧米のグルテンフリー市場への参入などに力を入れているそうです。そうした将来を担うプロジェクトチームは入社5年以内の若手社員が中心。「若い社員でもいろんなチャレンジができるんだよ、そう背中を押してあげる」(藤江取締役)のが、熊本製粉の諸制度に根っこに流れているスピリット。それが、ブライト企業に選ばれた理由なのです。

熊本製粉をはじめ、ブライト企業はWebサイト「ワンストップジョブサイトくまもと」の「熊本県ブライト企業推進事業」のページからご覧になれます。

【熊本県ブライト企業についての詳細はこちら】

また、2019年2月2、3両日には、福岡市天神のエルガーラホールでブライト企業が多数出展する「熊本県ブライト企業就職フェアin福岡」が開かれます。参加してブライト企業に出会ってみませんか。

【熊本県ブライト企業就職フェアin福岡の詳細はこちら】

この記事を読んで熊本県ブライト企業に興味を持たれた方は下記のバナーからからフェア特設ページを是非ご覧ください。

熊本県ブライト企業就職フェアin福岡