現在、数々の斬新な取り組みで話題になっている広島県。昨年、編集部で取材した最大2億円規模の企業誘致制度(※現在は好評につき募集は締め切られている。)や広島県の湯崎県知事へのインタビューの中でも、企業誘致に対する多くの施策を伺え、大きな反響を呼びました。

そんな広島県への事業展開や移転を検討するにあたり、注目すべき地域があります。それは県の中央部に位置する東広島市です。東広島市は広島へのアクセスも良く、教育環境が整っていることから人口が年々増加しており、そのポテンシャルに注目する人は徐々に増えつつあります。今回は、そんな東広島市の魅力と取り組みについて、東広島市の担当者に話を聞きました。

充実した教育環境を活かし優秀な人材を輩出するまち

編集部:本日はよろしくお願いします。広島県の助成金の件は、かなり大きな話題になりましたね!初期コスト最大2億円の大規模支援は、全国的にも話題になったようです。その中でも東広島市に注目されている方が徐々に増えてきているのは、具体的にはどんな魅力があるからなのでしょうか?

画像(東広島市 産業部 産業振興課 企業振興係 門出 剛さん)

門出さん:ありがたいことですね。まずは、東広島市には広島大学や近畿大学、広島国際大学があり、国や県の研究機関も集積しています。そのおかげで、中四国・九州からも優秀でユニークな人材が集まる地域となっており、それをメリットと感じていただけているようで、民間の研究機関も数多く立地いただいています。人材確保の観点のみならず、地域の若い学生さんや研究者とつながる機会を求めて東広島市を選んでいただければ嬉しい限りですし、今後そのような仕掛けづくりをしていきたいと考えています。

広島大学 広報グループ 提供

編集部:確かに若くて優秀な人材が集まっているのは企業にとっても大きな魅力ですね。新しい地域でネットワークをつくるといっても、きっかけづくりが難しいですし、市の職員の方からの紹介でしたらお互いにとっても安心だと思います。

東広島市の挑戦的な取り組み

編集部:東広島市はSDGs未来都市に選定されるなど新しい取り組みに挑戦している街だと見受けられます。

門出さん:そうですね。若い世代からも関心が高く、新たな企業価値の視点としても注目されてきているSDGsを一つの切り口として、企業の皆様と手を取り合ったあたらしい形の企業自治体連携をこの東広島市で実現していきたいと考えています。

編集部:産業面でも何か新しい取り組みがありますか。

門出さん:産業支援面では、令和元年11月から東広島イノベーションラボ ミライノ+という産業イノベーション拠点を開設し、新しいチャレンジを志す方々の繋がりを形成し、哲学やアート思考など『常識を超える』ために必要な学びの場(セミナーやワークショップ等)を提供しています。
また、全国で多くの中小企業の支援の実績を持つ「Bizモデル」をロールモデルとした「Hi-Biz」を東広島商工会議所と共同で設置し、2020年2月の開所以来2,000件以上の相談をいただいているところです。中小企業の売り上げアップを目的に伴走型の支援を行っていますので、ぜひ活用していただきたいと思います。

編集部:広島大学でも昨年10月にアリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院広島大学グローバル校を東広島キャンパス内に設置し共同で運営することが合意された他、今年の1月には「カーボンニュートラル×スマートキャンパス5.0」宣言をして注目を集められるなど、次々と新しいことに取組まれていますね。

門出さん:東広島市としても、このような大学の先進的な取り組みと連動して、さらなるチャレンジをしていきたいと考えております。例えば、産業面では今年、日本貿易振興機構JETROの「地域への対日直接投資サポートプログラム」の支援対象に選ばれ、外国企業の誘致施策を支援いただくことになったので、国内に限らず、大学のシーズの事業化や大学との連携につながる企業とのマッチングを促進していきたいと考えております。

編集部:なるほど、海外人材と繋がるきっかけもつくれそうですし東広島市でビジネスを行う魅力は今後ますます高まっていきそうですね。

多様な環境に恵まれた学園都市

編集部:東広島市はどのような街なんでしょうか。

門出さん:東広島市は、市域が東京23区と同程度と広く、北は中国山地に続き南には多島美の美しさから世界の観光客の訪れる瀬戸内海にも面しており、多様な自然に恵まれた地域です。リンゴとみかんが同じ市内で収穫でき、このような地域は全国的にも珍しいそうです。編集部:東広島市は、住みやすさの点でもかなり評価が高いと聞いていますが、どんな特徴があるんですか?

門出さん:東広島市は人口約19万人ほどの市で、先程お話した大学だけでなく小学校から大学まで教育機関が充実している学園都市です。教育環境が整っているというのは、住みやすさの一つのポイントだと思います。

編集部:それは移転してくる企業の家族にとっても、かなり魅力的な環境ですね。お子さんの教育環境は移住先の重要なポイントですし。

門出さん:そうですよね。それ以外でも、暮らしやすいポイントはあります。主な住宅地からも少し足を伸ばせば海や山もある自然に囲まれた地域ですし、同時に広島市に隣接しており広島市街地へは電車で一時間以内でアクセスでき、東広島から広島市へ通勤されている方も多くおられます。教育環境と合わせて、ここ数年人口が増えているのもそういった理由からだと思います。

編集部:なるほど、人気が出るのも頷けます。

オフィス賃料・通信費が最大3年間実質無料の助成金あり!

編集部:東広島市の魅力をたくさん知ることができました。本当にありがとうございます!最初に少しお話されていた、助成金制度についても詳しく教えてもらえないでしょうか?

<東広島市サテライトオフィス等誘致促進助成金>

対象経費助成率・期間備考
イニシャルコスト
内装改修費用、情報通信システム導入費、研究開発に要する機器の購入費
30%
初年度のみ
ランニングコスト
オフィス賃料、情報通信システム保守・使用料、通信回線使用料
50%
3年度
県との協調助成により、100%助成

 

門出さん:はい、助成金のメニューは2つあって、1つ目は初期コストの30%を支援する制度です。対象となる経費は、内装改修費用や情報通信システム導入費、研究開発に要する機器の購入費などで、IT系の企業や研究開発系の企業を対象としており、東広島市へ初めて拠点を開設する際に活用いただくことが可能です。

編集部:なるほど、事業を展開する上で初期コストは抑えることは重要ですし、助成金はありがたいですね。

門出さん:2つ目のメニューは、企業が事業を展開していく上でオフィス賃料や通信費を最大100%助成し、3年間実質無料にできるものです。これも東広島市へ初めて拠点を開設した企業を対象に県と市が費用の50%ずつ負担するもので、オフィス賃料、情報通信システム保守・使用料、通信回線使用料などが対象になります。100%助成には県の要件を満たす必要はありますが、拠点を移された企業さんの初期費用の負担軽減になればと、市単独でも50%を支援することが可能です。

編集部:ここまで支援してもらえるのはなかなか無いですね!一緒に伴走してくれる本気度を強く感じます。

門出さん:そう言っていただけると嬉しいです。ぜひ多くの方に使ってもらいたいですし、東広島市から広島全体を盛り上げていきたいですね。

編集部:かなり要点を抑えた、かゆいところに手が届く制度設計をされているという印象を強くしました。多くの企業の目に留まるといいですね!

門出さん:はい、是非とも宜しくお願いします。まずはお気軽にお問い合わせいただきたいと思っています。

編集部:本日はありがとうございました。

●広島県東広島市への問い合わせ
東広島市産業部 産業振興課
電話:082-420-0921
Mail:hgh200921@city.higashihiroshima.lg.jp