みなさんこんにちは!
一般社団法人 全国道の駅支援機構 です。
本記事は、過去セミナーにご参加頂いた皆様当機構理事のメンバーと名刺交換をさせて頂いた皆様にご挨拶と今後の道の駅に関する情報提供のためにお送りしたメールマガジンより転載しております。

今回のテーマは「道の駅におけるスイーツ強化のポイント」です。

皆様、はじめまして。全国道の駅支援機構の花岡と申します。
私は、株式会社リエゾンビジネスサポートにて全国の観光地向けにスイーツビジネスの提案をさせて頂いております。
今回は、「道の駅におけるスイーツ強化のポイント」をテーマに書かせていただきます。

日々進化をし続ける道の駅

1993年にスタートした道の駅も年々進化を続けています。
全国の道の駅を調査していると以下の4つの進化を遂げている気がします。

ステージ1 地元の農産物を集めて販売する地産流通型
ステージ2 地元の名物素材にテーマを絞るコンセプト特化型
ステージ3 地域に埋もれている素材にもスポットを当て地域ブランドに育てていく
ステージ4 圏外への情報発信+地域商社機能として他地域へ販路を広げていく

特にステージ1と2には大きな違いがあり、ステージ1は地元商圏をメインとしていることが多いですが、ステージ2以降はどちらかといえば地元外がメインで観光強化型になっていることです。

観光強化型にシフトした道の駅が強化するスイーツカテゴリー

商圏の広域化を狙った観光ニーズの獲得については、「道の駅利用者の4人に3人が地元外の利用者」というアンケート結果もあります。
地元外には大きく同一県内での日帰り観光客、県外からの宿泊付観光客に分けられますが、国内の観光市場のカテゴリー別消費金額を算出すると、宿泊・飲食・温浴を除く観光客1人あたりの物販消費額が平均4476円。
うち菓子は1524円と他のカテゴリーと比較しても圧倒的なシェアがあり、当然道の駅側も菓子マーケットの取り込みを重点課題の一つとなっています。

以下に道の駅におけるスイーツマーケットの展開事例をピックアップします。

単品3億円を超える名物単品を持つ道の駅 霧の森

愛媛県四国中央市にある道の駅霧の森では、単品3億円を突破する名物スイーツ「霧の森大福」が道の駅の看板商品になっています。
霧の森大福の発売をスタートしたのが、今から20年前の2000年(平成12年)。
スタート時点から菓子工房を設け、地元の新宮茶という生産量が限られている素材にスポットをあて、加工品として販売する目的で大福を開発。
販売当初は認知されずに販売量は伸び悩んでいましたが、販売スタート4年後の2004年のテレビ取材をきっかけに一気に販売量が増加。
ブレイク後も発売当初の個包装・無添加にこだわり続け着実に売上を伸ばしています。
霧の森大福が売れることにより、地元の新宮茶生産者にも誇りが生まれ、地元の自慢の逸品として今日も霧の森大福を求めて道の駅に行列ができています。

多くの製造販売業態で年間190万人が来訪する川場田園プラザ

先日も情報番組で取り上げられてましたが、人口約3300人の群馬県利根郡川場村にありながら、年間190万人以上が訪れる道の駅川場田園プラザ。平成27年には全国の道の駅のモデルとして全国6か所の一つとして選定されている。
「農業プラス観光」をコンセプトに年間約190万人が来訪し、リピート率が70%以上、施設年商はテナント収入含めて20億円を超える人気の道の駅となっています。川場田園プラザの施設の特徴としては、多くの製造販売業態を有し、「ここでしか買えない・食べれない商品・メニュー」を品揃えしている点です。
多くの道の駅にある産直市場のほか、ミルク工房やミート工房、ビール工房、パン工房、地産レストランなどを構えます。
川場田園プラザでは産直市場が集客並びに売上の核店舗となり、その周辺を年商1億円以上の製造販売業態の店舗が構えている。
その各製造販売業態が独自の名物商品を開発し魅力を発信。
例えばミルク工房の一番人気商品は飲むヨーグルトで、単品2億円を超えるとも言われています。
駅長の小海一則氏は「道の駅を訪れる人の7割は、首都圏の方々です。地元にはすぐ通える場所にスーパーがあって、野菜から肉まで大抵のものが手に入る。わざわざお金を払って、時間をかけて川場田園プラザにやって来てもらうには、ここでしか手に入らないモノ、食べられないモノが必要」とおっしゃています。

「地産地消」と「本物志向」このキーワードは地方の製菓製パン業界においても重要なキーワードの一つです。

地元の製菓製パン事業者とどう付き合うか?

先進的な道の駅のスイーツの取り組み事例をお伝えしましたが、道の駅として地元の製菓製パン事業者とどのようにかかわっていけばよいのでしょうか。
パターンとしては、道の駅の運営形態・方針にもよりますが、以下の4パターンが想定できます。

A 商品供給型・・・地域の1生産者として道の駅で商品を販売
B 道の駅オリジナル商品開発型・・・道の駅のPB商品の開発を菓子・パン製造業と開発する
C テナント出店型・・・店舗ブランドとして道の駅のテナント出店
D 運営参画型・・・指定管理者などで施設の運営業務に参画

現状、一番多いパターンはAパターンでしょう。
Dの運営参画型は規模や運営実務ノウハウ等が必要なので、ある一定以上の規模の企業は検討していきたいパターンです。
「Cのテナント出店型」は多くなっていくと個人的には考えています。
事実、ここ1~2年の道の駅の新規登録やリニューアルの案件において一番多い相談案件であり、施設リニューアルに伴って出店したテナント店は比較的順調に推移しています。
道の駅側としては、地元に根付いている地域密着型製菓製パン店のブランド力・商品力・技術力を道の駅が求め、製菓製パン業としては、地元商圏のマーケットが縮小する中で、観光マーケットへの参入のきっかけとなり、お互いにメリットのある展開だと考えます。

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