みなさんこんにちは!
一般社団法人 全国道の駅支援機構 です。
本記事は、過去セミナーにご参加頂いた皆様当機構理事のメンバーと名刺交換をさせて頂いた皆様にご挨拶と今後の道の駅に関する情報提供のためにお送りしたメールマガジンより転載しております。

皆様、はじめまして。一般社団法人全国道の駅支援機構の理事を務めております岡澤と申します。
当機構の理事を務める傍らで、株式会社オリザリアという会社の代表として、農水畜産業者を主として卸売、製造などの食品関連企業向けのコンサルティング会社を経営しております。

現在の仕事に携わる前に事業再生を専門に行う投資ファンドに勤務していた経験が長いことから、私の主たるキャリアバックグラウンドは「事業再生と数値による経営管理」です。

職業柄、何らかの理由で事業を立て直す必要に迫られた企業を多々見てきましたが、それら企業に共通していることは「数値による経営管理を行っていなかった」という点です。

「なんでこんなことになっちゃったんだろう」…「こうなる前になぜ気付かなかったんだろう」…そうならないためにも、今回のメルマガでは「道の駅の健全経営のための数字管理」をテーマに書いてみようと思います。

決算書、作って終わりにしてませんか?

道の駅の運営を行う場合、行政が運営主体となる以外では、何らかの法人(株式会社、合同会社等)を立てて運営することが殆どであると思います。そして法人であれば年に1回、その年の業績を数値化した決算書を作成していると思います。
でもその決算書、作成してほっと一息、終わりにしていませんか?指定管理団体からの提出を受けて、そのままファイルに直行していませんか?

PDCAサイクルを回そう

「PDCAサイクル」という言葉に聞き覚えはありますでしょうか?
数年前から本屋さんのビジネス書の棚でもよく見かけるようになったこの言葉、PLAN(計画)↓DO(実行)↓CHECK(効果測定)↓ACTION(再実行)の頭文字を取った、ビジネスにおける一連の流れを表現する用語です。

ビジネスにおいては、当初「計画」を立ててそれを「実行し」、その結果の「効果測定」(振り返り)を行うことで問題発生個所をあぶりだして、その問題を解決する施策を「再実行」することで、より効率的で成果の上がる事業運営が可能になるという考え方です。

そのPDCAサイクル、止まってますよ!

要再生となる企業でも、殆どは「予算」(計画)と「執行」(実行)は行っています。
その結果として当然、決算書も作成します。でも、どうして再生が必要な状態になってしまうのでしょうか?
それは、多くの要再生企業で「効果測定」と「再実行」を行っていないためです。

決算書は事業を行った成果としての数字が記載されています。
数字だけ見て「今年は良かったね!」「今年はなんだかイマイチだったけど、来年はなんとかいけるよね」という話をするためだけに使うには、あまりにモッタイナイ!「計画との乖離はどれくらい発生したんだろう」「なぜ年初に立てた計画からこんなに上振れ/下振れしてしまったんだろう」「下振れしてしまったら、その差は来年埋まるんだろうか」「そもそも、年初に立てた計画って、どんな前提で作成したものだったんだろう」「うまくいかない原因を、とりあえず『天候が悪かったため』というふわっとした要因に押し付けていいの?

本当は別の要因があり、それが解決されない限りは業績は上向かないんじゃないか?」決算書は、こんな振り返りをするためのきっかけになります。振り返りを行って、どこにうまくいかなかった原因があったのかを特定し、その課題を解決するための施策を来年度の計画に織り込み、それを着実に実行する。

ここまでして、ようやくビジネスサイクルである「PDCA」が完結します。
多くの企業で、「P」と「D」は行うのですが、やりっぱなしになってしまい、肝心の「C」と「A」が置き去りになり問題の根本があいまいなまま、翌年の事業運営に突入してしまいます。

私は支援をさせて頂く先の経営陣の方々にもよくこのような表現でお話します。
「あなたは野球のバッターです。バッターボックスに立って、目を瞑ってバットを振っても、ボールには当たりませんでした。ボールはバットを振った場所から高めに入ったのか、低めだったのか、また振るのが早かったのか、遅かったのか、それがわからないまま、また目を瞑ってバットを振って、ボールに当たるでしょうか?」

…当たりませんよね。そりゃそうです。イチローでも無理だと思います(笑)

PDCAサイクルを効果的に回すためには

それでは、どうしたらバットをボールに当てることができるのでしょうか?
まず、自分が振ったバットとボールの距離、タイミングのズレを正確に認識し、その修正を次のスイングに反映させる必要があります。

そして、これは意外と見落とされがちですがスイングの数を増やして、ボールとの差を修正する回数…を増やすのも有効です。
実際の野球ではスイング(空振り)ばかりしているとあっという間にアウトになってしまいますが、ビジネスの世界ではこのスイングと修正の回数を増やすことができます。

決算書は、年1回だけのイベントではありません。12分割して毎月の計画を作成することもできますし、更に細かく分解して、週次、日次の計画に分解することすら可能です。

年1回のスイングと修正しかしないバッターと、年12回、年52回、年365回のスイングと修正を繰り返すバッター、どちらの方がヒットを打つ可能性が高くなるでしょうか?

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