みなさんこんにちは!
一般社団法人 全国道の駅支援機構 です。
本記事は、過去セミナーにご参加頂いた皆様当機構理事のメンバーと名刺交換をさせて頂いた皆様にご挨拶と今後の道の駅に関する情報提供のためにお送りしたメールマガジンより転載しております。

今回のテーマは先日実施しました道の駅支援機構主催の「第二回自治体の道の駅戦略セミナー」レポートとしてお届けします。2019年11月28日、私達、一般社団法人全国道の駅支援機構は、「自治体の道の駅戦略セミナー2019」を企画し開催いたしました。
大変ありがたいことに、約100名のお申込を頂き、当日も大変盛況のうちに開催することができました。
一般社団法人全国道の駅支援機構は、「『道の駅』を地域の原動力に」をスローガンに2018年7月に立ち上げた法人です。
当機構のメンバーがそれぞれの専門性から関わったノウハウを基盤に、道の駅の様々な経営的な「サイクル」を見極め、どのような支援が可能なのかを試行錯誤しながら、この1年運営してきました。


[▲セミナー冒頭の「道の駅の経営ライフサイクルと課題の整理」(理事長倉重より)]

昨年の引き続き、主に自治体及び道の駅事業に関心の高い企業を集めて開催された「道の駅戦略セミナー」では、当機構のメンバーが、実際に道の駅の運営に携わる経験の中で得た知見やノウハウを、具体的に披露する機会となりました。
セミナーの最初のセッションでは、道の駅を軸にした活動を強めている北海道鹿部(しかべ)町の盛田町長にご登壇いただき、町の状況をお話いただきました。
またメインセッションでは、機構の理事で、鹿部町の「道の駅しかべ間歇泉公園」の指定管理を受託している地域商社「株式会社シカベンチャー」を経営する、大関将広、金山宏樹、岡澤有紘の3人の理事から、現場で起こる事例をもとに、その経験や可能性をテーマに講演しました。
講演内容の詳細については、「あまりにも赤裸々なので非公開で」という前提でしたので、こちらでも書ききれませんが、その概要やメッセージをかいつまんでお届けします。

セミナーの構成
1)A級グルメの町連合と道の駅で「食」による町おこしを目指す–鹿部町
2)道の駅を立て直すために起業–シカベンチャーの挑戦
3)道の駅事業の自治体向けと企業向け支援サービス–一般社団法人道の駅支援機構

1)A級グルメの町連合と道の駅で「食」による町おこしを目指す–鹿部町

北海道鹿部町は、ホタテの養殖や鹿部町沿岸付近でしかとれない白口浜真昆布、スケトウダラから取れる「たらこ」などの海の幸と、温泉に恵まれた町です。
「道の駅しかべ間歇泉公園」は、北海道新幹線の新青森-新函館北斗間開通と同時の平成28年3月にオープンしました。
それを契機に、年間10万人に満たなかった間歇泉公園には、30万人を超えるお客様にお越しいただけるようになりました。
このことで、やはり「道の駅」という施設の可能性を強く感じました。しかしその後数年立っても、初年度の爆発的な集客を超えるインパクトをだすことは難しく、悩んでいた所に出会った「全国道の駅支援機構」の皆さんにご相談し、ご支援をいただいて、道の駅を次のステップにすすめるお手伝いをいただくことになりました。


▲鹿部町盛田昌彦町長

また、現在は食の人材育成を目的に、その取組の先進的にすすめる島根県邑南町の寺本さんとご一緒させていただき、私達鹿部町と、福井県小浜市、島根県西ノ島町、宮崎県都農町の5自治体が連携した「にっぽんA級グルメのまち連合」を結成し、食を中心にしたまちづくりを強力に推進しています。

2)道の駅を立て直すために起業シカベンチャーの挑戦

–鹿部町の道の駅の改善を相談された、大関・金山・岡澤の3名は、その指定管理を受託するための地域商社を設立しました。
それが「株式会社シカベンチャー」です。その経験からの学びやノウハウについて、「メルマガでは書けない道の駅のリアル」と題して、メンバーから発表させていただきました。
まず最初に、シカベンチャーの大関代表から、その概要や、設立目的、および立ち上げ時の経験談などが語られました。
よそものの私達が新しい会社を作って乗り込んでくるという状況は、やはり地元の方たちにとっては少なからず不安だったと思います。
そこでもともといらっしゃった従業員の皆さんとも、一人ひとり面談をさせていただくなどしながら、私達の目指すことや、これからどうやっていくべきかなど、意見も伺いながら少しづつ理解をしてもらうステップを踏みながら進めました。
こうした地元の方たちとの意思疎通や共通理解のプロセスがいかに大切かを学びながら事業を進めています。
また道の駅の売上の基盤を作るために、鹿部町のふるさと納税の運営事業もシカベンチャーで引き受けることにしました。
ふるさと納税と道の駅事業は非常に親和性が高く、その運営受託による収入は、一つの柱になります。(大関社長談)


▲株式会社シカベンチャー代表で、当機構の理事でもある大関将広

次に、同じく当機構の理事であり、株式会社シカベンチャーの取締役でもある、株式会社シカケ代表の金山宏樹から、道の駅の売り場改善と、その効果についてのプレゼンテーションがありました。
金山は、淡路島にある「道の駅うずしお」を経営する株式会社うずのくに南あわじの飲食事業部を率い、数々のヒット商品・メニューを生み出し、道の駅の売上を大きく飛躍させた経験の持ち主です。
その後独立し、全国の道の駅や飲食店のメニュー開発・商品開発などに奔走し、あちこちで大人気の店舗を生み出している仕掛け人です。

そのノウハウを鹿部町の道の駅にも適応し、順調な売上向上を実現している事例を具体的に説明しました。
道の駅の売り場改善は、地道で大変ですが、着実に売上を伸ばしていくのに不可欠なアクションです。
従業員の皆さんからもアイデアを集め、少しづつ売上アップが実現すると、やりがいにもつながります。
また道の駅しかべの最大の課題は、利益率の低さでした。
その改善には、一定以上の利益率が確保できる自社商品のラインアップが欠かせません。
売り場の中でキャッシュポイントをどう作っていくかが、道の駅経営には必須です。(金山談)


▲株式会社シカベンチャー取締役で、当機構の理事でもある金山宏樹

さらに、同じく当機構の理事で、シカベンチャーの役員を務める岡澤有紘から、業務効率およびPDCAサイクル改善などについての説明がありました。岡澤は、商社や事業ファンドでの経験をもつ財務のプロです。
また農業の六次化を全国で進める専門家でもあります。
PDCAサイクルは、それまでは年1回の回転で行われていました。
これを私達は、少なくとも月2回のサイクルで回せるよう、業務改善を行ってきました。
そのために必要なビジネスチャットなどのツールや、クラウドサービスも積極的に取り入れ、従業員の皆さんの負担を減らしながらも生産性を向上させる工夫を行っています。(岡澤談)


▲株式会社シカベンチャー取締役で、当機構の理事でもある岡澤有紘

3)道の駅事業の自治体向けと企業向け支援サービスについて

当機構では、こうした踏み込んだ支援を行う前段階として、道の駅の設立前や、事業改善の前に、その場所でどのくらいの売上が上げられる可能性があるかを事前調査する「ポテンシャル簡易診断サービス」を行っています。
このサービスは、定型的なものでおよそ1.5~2ヶ月程度で行います。
費用も50万円と手頃なことから、このセミナー前後でも、多くの自治体や関連事業者からお問い合わせ、お申込みをいただいています。
当機構の植草から、その診断サービスの概要や、今後予定している全国の道の駅の統計調査などについて、説明させていただきました。
植草は公認会計士でもあり、地域産品開発や地域商社のプラットフォーム事業を手がける専門家でもあります。


▲当機構の理事植草茂樹

またこのセミナーでは、今後「道の駅」を新規事業として捉え、そのマーケットへの進出を検討している事業者の皆様にも、数多くご参加いただきました。
当機構では、そうした事業者とのコラボレーションや、情報共有を目的にした賛助会員制度も立ち上げました。
すでにかなり大規模な経営規模の企業様・数社のお申し込みをいただいています。
この制度の詳細について、同じく当機構の理事である花岡良輔からご説明いたしました。花岡は、製造小売業態で地域の名産品や新たなスイーツなどの食品開発を専門にしているコンサルタントです。


▲当機構の理事花岡良輔

ますます注目される「道の駅事業」に向けて講演のあと、会場を変えてランチを兼ねた名刺交換会も行われました。
当機構のメンバー紹介もさせていただき、また参加者同士の交流も図りながら、今後、各地で「道の駅」を盛り上げていくための出会いの場としてご活用いただくのがその目的でした。
おかげさまでこちらも大いに盛り上がり、当機構のメンバーとご参加いただいた皆さんとも様々な課題について直接お話させていただく機会になりました。


▲セミナー後のランチ兼名刺交換会の様子


▲当機構のメンバー紹介の様子

当機構では、全国でますます注目が集まる道の駅事業の発展に少しでも貢献できるよう、今後もこうしたセミナーや情報共有の機会を積極的に作っていきたいと考えています。
また文中にてご紹介したサービスや、具体的なご相談については、こちらの「全国道の駅支援機構」のサイトから、是非お気軽にお問い合わせください。

またの機会に、皆様とお会いできるのをメンバー一同心からお待ちしております。どうか引き続きよろしくお願い申し上げます。以上となります。

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