梨畑が目前にある、実家の一部屋が版画作家・平瀬恵子さん(41)のアトリエ。窓を開けると優しい自然の風景と共にふわりと風が舞い込み、窓際に吊された制作中の作品がひらりひらりと揺らいでいます。
部屋の半分ほどを占める版画の刷り台。その前の壁には「現在制作中の展示会用の作品レシピ」という作品に対しての覚え書きが貼られています。
「普段の作家活動は皆が寝静まった夜中にすることが多いですね。来客もないし、黙々と版画に集中できるんです。耳に入ってくるのは作品のテイストに合わせて流す音楽だけ」

平瀬さんの制作する版画はテトロンという薄い布を張ったスクリーンを通して印刷する「シルクスクリーン版画」というもの。シルクスクリーン版画は他の版画技法に比べて色や線をくっきりと表現することができ、例えば布製品のプリントや工業製品などにも使用されるなど、主にデザイン的な表現を得意とする技法です。また、版の上でインクを混ぜ合わせ、スクイージー(ゴム製のブレード)を使ってインクを押し出してグラデーションを作ることも可能で、こちらが平瀬さんの得意とする手法。ちょうど、蓮の花をモチーフにした作品を刷っているところにお邪魔させていただきましたが、まるで水彩画のような柔らかな透明感のあるグラデーションの重なりで美しく構成されているのがわかります。

現在は版画作家として展覧会に出展するほか、作品の販売(B5 サイズ参考料金:1 枚11,000 円~〈エディションによって変動〉)、雑誌の表紙画や挿絵の仕事(参考料金:エディション1 枚20,000 円~〈サイズによって変動〉)を受けており、月に3回ほどカルチャーセンターやシルバー大学で教壇に立ち受講生に版画を教えているそう。

「版画は基本的に限定枚数(エディション)を決めて刷るのですが、基本どれもクオリティーを『同じ』にしないといけません。限定枚数以上に刷ることはなく、漫画や雑誌のように『売れれば増刷』ということもありません。これが版画の特徴であり、価値であり、アートを気軽に所有できる面白いところでもありますね」

子どもの頃から絵を描くのが好きだったという平瀬さん。大阪芸術大学を卒業後、同大学の副手として働いていましたが結婚を機に実家へ帰郷。帰郷後は地元の大学に就職し、動画配信などの広報活動を任されていました。

「実家が梨とさつまいもをつくる農家でして。大学の仕事をしながらも横目に『廃棄される規格外の作物』のもったいなさ、というのは知っていました。時代はちょうどフリマアプリが出だした頃です。試しに実家で採れた規格外の鳴門金時を出品したところ、想像以上にお客さんからの反応も良く、農作物の販売に面白さを感じたのが『半農版画家』を始めたきっかけです。得意の広報デザインを販促に活かせば『農業と作家活動は両立できるかも』と大学の仕事を離職し、現在のライフスタイルを決めました」

近所の農産物直売所で出品している商品には、小学5年生の娘さんが考案したさつまいもと梨のオリジナルキャラクターをシールやPOP に採用し、売り場で目立つことに成功。キャラクターが目印となりリピート購入してくれる人も増えのだとか。最近ではその噂を聞いた知り合いの農家さんからちょっとしたデザインの依頼もあるそうです。

「ずっと『いのち』をテーマとして作品づくりをしていますが、作家として表現したいのは自然の中で命が脈々と絶えず続いていく様です。美術学生だった頃は『いのち』イコール『生まれる』『成長』といった表現が正しいと思っていました。しかし最近では花が水分を失っていく様や、散って地面に落ちた花の色素の美しさといった『いのちの循環』に心を惹かれるようになり、年齢を重ねるごとに美の視点も変わってきたことを実感しています。農業に関わることで生命の移ろいを感じられる私の原風景である地元の景色、そして心惹かれるモチーフが身近に感じられることは作家としても幸せなことです」

「作家は一生の仕事であり、成功と失敗を繰り返しながら、表現の真を追求する生業。鳴門という自然豊かなこの土地からインスピレーションをいただき、生命の営みがもつ『強さと儚さ』をこれからも紙の上で表現していきたいと思います」

 

 

 

【企業情報】
企業名:平瀬恵子(版画作家)/カネヒファーム(農業)
住 所:鳴門市大津町
業 種:版画作家/農家

【お問合せ】
TEL:090-8206-0908
MAIL:hirasekeiko@gmail.com
Facebook:https://www.facebook.com/Keiko.Hirase/
Instagram:https://www.instagram.com/hirasekeiko/

 

 

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