猪狩 元気(いがり げんき)さん
[栃木県]→[和歌山県 紀美野町]


今回は、紀美野町(きみのちょう)に移住し、少年のような心で”遊び場づくり”に挑戦する猪狩元気(いがり げんき)さんにお話しを伺いました。猪狩さんは栃木県出身の29歳、一児のお父さんです。小さな頃から昆虫少年、中でも蝶が一番好きで、豊かな自然に魅せられ2017年6月に町内へ移住されました。現在は会社員として勤めながら、紀美野町の自然体験を通じた地域活動に取り組んでいらっしゃいます。

 

紀美野町の魅力

「本当に自然が豊か。想像以上にたくさんの種類の蝶を、実際に見ることができます。」

町内を調査したところ、蝶好きの猪狩さんの想像を超える、年間で約25種類もの蝶を観察できたという。また、紀美野町(きみのちょう)は、県内の北部、いわゆる紀北(きほく)地域に位置し、車を使えば、北は関西国際空港(大阪府泉佐野市)、南は田辺市まで1時間と意外と便利なところも魅力の一つと話してくれた。

標本コレクションのごく一部。オーストラリアで買ったTシャツがお気に入り。

地域の仕事の探し方

猪狩さんは、大学生時代を北海道で過ごし、出身の栃木県での中学校教諭の仕事に就くが、将来への不安を感じる中、大学生時代に旅行で訪れ、豊かな自然が印象深かった紀美野町への移住を検討する。

「とにかく紀美野町に移住することを決めたので、どんな仕事でも就く覚悟でした。」

インターネットで「和歌山県」「移住」というキーワードで仕事探しを始める中、「JOIN(ジョイン、一般社団法人 移住・交流促進機構 https://www.iju-join.jp/ )」で、紀美野町が地域おこし協力隊を募集していることを知ったという。
学生時代の先輩が、北海道で地域おこし協力隊として活動していることを知っていたので、興味があったというが、強い意志を持って転職活動に取り組んだ猪狩さんは、無事に地域おこし協力隊として採用される。

地域おこし協力隊としてのミッションは、地域の仕事を継ぐ、継業のスタイルでコウヤマキ(高野槙)という植物の販売にたずさわることだった。「任期中は、地域の中でどのように立ち回れば良いのか、どうすれば地域の方々から“応援”してもらえるのかを学び、今取り組んでいる地域活動に、『いいね!』と言ってもらえる土壌作りになったように感じています。」と話してくれた。
そんな猪狩さんも移住当初は、方言が分からず話が通じなかったこともあるそうで「『てきら』(和歌山弁で“あなたたち”)と言われ、お酒の『テキーラ』と聞き取り、話が通じなかったことは良い思い出です(笑)」と教えてくれた。

「てきら≠テキーラ」についてお話される。

地域との関わりを通じて

紀美野町は以前から移住・定住支援に取り組んできていて、何より町内各地域で活動している人が多く、町民の力をすごく感じるという猪狩さんは、地域の方との関わりを通じて自分がしたいと思う地域活動を考えるきっかけになったという。

「地域で活動されている尊敬する方々と知り合うことができ、自分もこれまでの経験を活かした活動に取り組みたいと考えることができました。その地域やコミュニティが、自分の性格に合う・合わないということはあると思いますが、それは、移住者でも移住者でなくても、同じだと思います。飛び込んでみることで学ぶことが多かったです。」

お話を伺った部屋には「紀美野町の生き物」(剥製)がいっぱい。

移住したからできた「挑戦」

地域おこし協力隊を経て、現在は県内の企業に会社員として勤めながら、子供向けの自然体験活動に取り組んでいる猪狩さんに、活動内容を伺った。

「自分が小さな頃から好きな昆虫と、これまで学んできた教育を掛け合わせた『昆虫×教育』の体験プログラムを作っています。紀美野町の豊かな自然の中で、野外教育を通じた子供たちの原体験の場づくりに挑戦しています。」

猪狩さんより昆虫に詳しい子供が参加することもあるそうで、「子供から教えてもらうこともあります。」と話す。また、自然体験イベントでは、昆虫採集や標本製作も行うそうで、「季節を変えながら同じルートで昆虫採集を行うことで、生態を理解することができます。標本製作は、命の尊さも学ぶことにつながり、子供たちの大切な経験になっていると思います。」とやりがいを語ってくれた。

町内での自然体験イベントの様子(ご本人提供)

 

夜の昆虫採集イベントの様子(ご本人提供)

「気になる地域があれば『いいなぁ、行ってみるか』という軽い気持ちで」

移住を検討されている方にアドバイスをお願いしたところ、「イメージしている移住後の生活があって、気になる地域があれば『いいなぁ、行ってみるか』という軽い気持ちでまずは地域を訪れて、その地域を実際に感じることが大切。退路を断っていないのであれば、一度きてみたらいい。地域に案内人が居るかいないかも重要かな。」と話してくれた。押さえておきたいポイントを踏まえつつ、友人の家に遊びに行くような気軽さで地域に行ってみる、そんな気持ちで移住を考えてみると一歩目が少し軽くなる方も多いはずだ。

旧保育所跡を活用した「きみの自然体験館」の敷地の大きな木。

 

―猪狩さんは、紀美野町の自然と人の豊かさに魅了され、地域の方々との繋がりの中で、ご自身が「こう遊びたい!」と思う“遊び場づくり”に真剣に取り組まれています。お話の中で、これからもいろいろなことに挑戦していく、と目を輝かせる様子は、まさに昆虫少年という印象を受けました。間もなく、家族も増える予定とのことで、家族との時間も大切にしていきたいともおっしゃっていました。まずは「行ってみるか」という軽い気持ちで、猪狩さんのイベントに行ってみてはいかがでしょうか―

 

娘の茉留ちゃんと。もうすぐお姉ちゃんになります。