<羽村市公式キャラクター「はむりん」と青木悟さん>

東京都北西部に位置する羽村市は、新宿から電車1本でアクセスでき、多摩川の清流と緑豊かな環境に恵まれたまちです。近年は子育て環境の充実度が評価され、注目されています。
この記事では、羽村市広報・シティプロモーション係の青木悟さんに、まちの魅力についてお話を聞きました。「東京都の中でも3番目に小さな市なんです。全国の市の中でも7番目のコンパクトさですね」と青木さん。

小さな市域ながら、日経BPの「共働き子育てしやすいまちランキング」で2022年に全国4位、2023年に5位にランクインするなど、子育て環境の充実度は高く評価されています。

▼地下水100%の水道水が象徴する自然の恵み

<関東最大級のチューリップ畑。春には「はむら花と水のまつり」で賑わう>

羽村市の特徴の一つが、水道水です。東京都内では珍しい地下水100%の水道水を、独自の浄水施設で処理して各家庭に届けています。赤ちゃんから高齢者まで欠かせない水という資源を、豊かな自然から得られる点は、まちの大きな魅力となっています。

春になると、多摩川沿いの水田地帯には関東最大級のチューリップ畑が広がります。「はむら花と水のまつり」では、約2週間にわたって多くの模擬店が並び、花見と食事を楽しむ人々で賑わいます。市外からの来訪者も多く、まちの春の風物詩として定着しています。

▼子ども無料の動物園がある住宅街

<今年誕生したレッサーパンダの赤ちゃんや双子のアメリカビーバーが人気。 ヒノトントンZOO(羽村市動物公園)>

住宅街の一角にあるヒノトントンZOO(羽村市動物公園)も、羽村市ならではの施設です。アットホームな雰囲気の中、子どもは入園料無料、大人も年間パスポートが1,500円と手頃な価格設定が特徴です。近隣の市外からも家族連れが多く訪れ、市内の子育て世帯は週末の定番スポットとして利用しています。

今年は当園初のレッサーパンダの赤ちゃんが誕生したほか、アメリカビーバーの双子の赤ちゃんも2年連続で生まれ、話題を呼んでいます。キリンなどの大型動物も見られ、約70種類の動物が暮らす、気軽に何度でも訪れやすい身近な動物公園となっています。

▼市民が主体の地域づくり

<市民記者による地域の魅力発信活動も盛ん>

2023年度からスタートした「ポットラックプロジェクト」は、市民主体のユニークな取り組みです。行政主導ではなく、市民がやりたいことを持ち寄ってイベントを作り上げていく試みで、公園での焚き火イベントや音楽イベントなど、これまでにない企画が次々と実現しています。

「毎回プログラムが変わっていくのも魅力なんです。来場者の方が『私もこんなことをやってみたい』と企画側になることもあれば、参加するだけでも大歓迎。いろんな形で仲間を増やしていきたいという思いでやっています」

また、13名ほどの市民記者による地域の魅力発信活動も活発です。毎月の編集会議で話題を持ち寄り、地域の人や店舗などについての記事をウェブマガジンで発信しています。移住者と地元住民が自然に交わる場としても機能しており、まちの「キーマン」として活躍しています。

▼都心近くで程よい暮らし

コンパクトな市域ながら、飲食店やスーパー、公園なども充実し、都心へも一時間程度でアクセス可能です。イベントや施設へのアクセスのしやすさは、小さな市域ならではのメリット。都心に勤務しながらも、落ち着いた生活を送りたい人々にとって理想的な環境といえます。

現役世代の多くが都心へ通勤しているそうですが、一時間程度の通勤時間は、仕事と生活にメリハリをつける上でちょうどよい距離感なのだとか。

▼地域の受け入れ体制も温かい

自治体によっては地域住民同士の関係性が濃すぎて新住民が地域活動に関わりにくいケースもありますが、羽村市ではそういった壁は低めです。住民それぞれが関わりやすい形で地域に参加できる柔軟さや人の温かさが、暮らしやすさの一因となっています。

羽村市で育ち、現在は子育てをしながら広報とシティプロモーションの仕事に携わる青木さんは、休日には地域の子どもたちにキックボールを教えるなど、自身も地域活動に参加しています。

「住んでいる町のことを知れば知るほど、自分の暮らしは豊かになると思うんです。マイナスの声に引っ張られるのではなく、人との出会いや町の良さを見つけていく視点で関わることで、より暮らしが充実していくと感じています」

▼羽村市の魅力と可能性

<多摩川と玉川上水の分岐点となる羽村堰。桜の名所としても人気>

羽村市は子育て家族が感じている「東京で子育てしやすいまち」の魅力として、「人の温かさ」「都会の便利さ」「自然の豊かさ」の三つを特徴に掲げています。移住促進のための特別な助成金などは用意していませんが、それは「お金で呼び込むよりも、羽村市の良さをしっかり感じて住んでいただくことで、その後の定住につながってほしい」という思いがあるからです。

「市の調査を見ると、定住意向は90%近くあり、若い世代でも同じように高い数字が出ています」という声からは、実際の暮らしの満足度の高さが感じられます。

都心での仕事と、都市機能と自然環境の調和したまちでの子育てを両立させたい。そんな願いを持つ家族にとって、羽村市は魅力的な選択肢となるはずです。小さな市域だからこそ生まれる人とのつながり、程よい距離感での都心アクセス、そして豊かな自然。これらのバランスの良さこそが、羽村市最大の魅力なのかもしれません。

羽村市の暮らしについては、市の公式サイト 羽やすめで詳しい情報をご紹介しています。

東京での新しい暮らしに興味をお持ちの方は、東京都が運営する東京たましま移住定住ポータルサイトや、地域との関わり方を提案するプラットフォームSMOUTの特集ページもご覧ください。

新しい暮らしのヒントが見つかるかもしれません。