経験者10名のキーノートセッション

各自の経験に基づいたキーノートセッションへの登壇者は、全部で10名。それぞれ1セット20分前後のコンパクトなセッションでしたが、どれも非常に濃い内容で、また皆さんのプレゼンテーション能力も非常に高く、来場者の誰もが集中して聞き入っている様子が印象的でした。

登壇者のプロフィールと、プレゼンの様子は以下のとおりです。


幡野 寛人さん

山梨県身延町役場 産業課 / 山梨県身延町


1993年群馬県生まれ。大学を卒業後、都内の事務機器会社で働いた後、2016年10月に身延町に移住。地域おこし協力隊としての任務は、身延町の特産品「あけぼの大豆」をさらに世に広めること。商品開発・販売促進・町のPR等に携わり、あけぼの大豆を原料にした(焙煎した)飲み物「ソイコティー」を開発。現在任期3年目。



山田 芳雅さん

山東広島市地域おこし協力隊豊栄担当


合同会社ひとむすび代表。地域内で「ひと」「もの」「かね」「情報」が循環している地域を作る。というコンセプトで、定期的にファーマーズマーケットや田舎体験スクールを企画運営している他、ローカルメディア「まるひネット」の運営を行っている。また、捨てられていた羊の毛を利用した豊栄羊毛プロジェクトでは、空き家となっていた古民家を借り上げた「ウール工房」で地域の若者や高齢者とともにピアスやベレー帽を作り「モノ」として販売する一方、原毛から洗濯・草木染・糸紡ぎの工程を行う「コト」体験を提供している。


岸本 有希さん

愛媛県松野町地域おこし協力隊


兵庫県神戸市出身。短大卒業後、神戸市内の児童館に勤務。2017年、町全体から感じた“ウェルカム感”に一目惚れし、どこにあるかも分からなかった松野町へ移住。地元の食をベースにしたまちづくりに取り組み、主に町民で賑わう農家レストラン「おかあさんレストラン」の運営サポートを行っている。趣味はバスケとカフェ巡り。



立花 実咲さん

下川町産業活性化支援機構タウンプロモーション推進部/北海道下川町


1991年静岡県生まれ。2012年に大学を休学して海外を一人旅したのち、編集者として訪日外国人向けウェブメディアの立ち上げに携わる。また同メディアで知り合った仲間とともに、大学4年生の冬に編集部としてメディア「灯台もと暮らし」をスタート。ライター、編集者として活動し、2017年5月より北海道下川町の地域おこし協力隊に着任。現在任期3年目。



遠藤 真弓さんと、茅野 唯さん

白鷹町/蚕桑地区配属/木の駅プロジェクト(活動期間:2016年~2019年)


[遠藤さん]神奈川県横浜市出身。写真の専門学校を卒業後、東京の写真スタジオに就職するも3か月ほどで退社。その年、横浜市の青果卸の会社にバイトで入社。正社員になるも将来が見える生活に疑問を感じ14年勤めた会社を退社。今を生きるんだと思い立ち、長野県八ヶ岳の山小屋でワンシーズン働く。そこで出会った茅野さんと意気投合し白鷹町へ。
[茅野さん]大分県竹田市出身。高校から家を出て、島根の全寮制の高校へ。沖縄の大学へ行くが、“やりたいこと”と“やっていること”のズレに悶々として3年の9月に中退。自然の中で働きたいと思い立ち、長野県八ヶ岳の山小屋で半年働く。山小屋で遠藤さんと出会い、暮らしを大切にできる人生をしようと、白鷹町についていく。



荒武 優希さん

NPO法人ローカルデザインネットワーク副理事長/静岡県東伊豆町


1991年神奈川県横浜市生まれ。学生時代に立ち上げた「空き家改修プロジェクト」にて完成した、コミュニティキッチン「ダイロクキッチン」を運営するため、2016年東伊豆町地域おこし協力隊として移住。後にNPO法人ローカルデザインネットワークを設立し副理事長に着任、地域おこし協力隊卒業後は伊豆に残り学生時代の仲間たちや移住してからできた地元の仲間達と共に、都市と伊豆をつなぎ伊豆で実現できるライフスタイルをさらに多様化する事業を展開している。



坂本 紫織さん

熊本県甲佐町地域おこし教育協力隊


1993年生まれ。福岡県出身。ベンチャー企業にてコンプライアンス業務や社内システムの設計に従事したのち、2018年2月より協力隊に着任。任務は、統廃合の危機にある甲佐高校の魅力化を目的に設置された敷地内の公営塾「あゆみ学舎」の運営。キャリア教育の授業設計をメインに、教科指導や広報などを行う傍ら、複業で大学の講義設計や古民家再生プロデューサーのアシスタント業務を行っている。



小林 未歩さん

上毛町役場 企画情報課(活動期間:2016年6月~2019年3月末)


東京出身のイラストレーター/デザイナー。3.11を機に暮らし方・働き方を考え始め、沖縄を経由して福岡県の東端上毛町の地域おこし協力隊に着任。任期中は移住定住サポートとお試し移住「ワーキングステイ」の運営、イベント企画、古民家を改装したサロンの運営と情報発信など。協力隊の仕事とは別に、自主映画上映会「こうげまち映画部」と集落のおばあちゃんたちのための買い物支援「おためし共同売店」を始め、協力隊卒業後もそれらを継続しながら、地域のデザインなどに取り組む。



佐藤 春華さん

京都府/京都府内全域


1992年生まれ。 秋田県男鹿市出身。秋田大学看護学専攻卒業後、東京都内の療養型病院で看護師として従事。大学時代には地域活性化に関する事業にも興味があったことから、平成29年4月より、地域おこし協力隊として京都府・綾部市で「コミュニティナース」(病院や施設ではなく、地域の中で、住民とパートナーシップを築きながら地域の健康増進を図る「新種の看護師」)としての活動を経験。現在は医療分野を飛び越え、京都府の「協働コーディネーター」として京都府下全域で活動中。


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