ディスカッションによる深い共有

キーノートセッションが終わったあとは、30分ほどのディスカッションの時間が取られました。
全国9箇所の各会場で同時に、4~5人のグループに分かれて印象に残ったプレゼンテーションを選び、そこから導き出せるヒントや、アイデアなどを議論しました。





それぞれのグループでは活発に意見が交わされていました。
単なるインプットにとどまらず、互いの捉え方の違いを共有しながら、登壇者の経験を深く探ろうとする姿勢が強く感じられました。


参加して思ったこと。

イベント全体に感じた印象は、意外にも派手さやセンセーショナルなトーンが抑えられた、落ち着いた感覚に満ちたものでした。
登壇者も参加者も、非常に実直で、現場感覚に溢れていて、プロフェショナルな印象を強く持ちました。
同時に誰もが参加して意義が感じられるような、わかりやすさや親しみやすさもあり、非常に質の高いイベントだと思いました。
これは主催者のコンセプトや司会進行の上手さはもとより、登壇者の皆さんが体験した高度なチャレンジを、参加者にしっかりと共有したいという強い思いからくるものではないかと感じました。

登壇者からは、もう一つ強く感じたことがあります。

それは、皆さんがそれぞれの地域の課題に真正面から取り組み、まさに「地方創生」の先駆者として活動しながらも、
それは必ずしも「地域のため」だけではなく、自らの人生や幸せを着実に追求していこうという姿勢です。
言ってみれば、「地方創生」以上に、「自分創生」をしっかり意識し、それを体現しようとするプレイヤーばかりでした。こうした意識や価値観は、今後「地域おこし協力隊」に参加しようとする人たちにも、着実に広まっていくでしょう。

この価値をしっかりと継続できれば、この「全国よりあい」という古風なネーミングの新しいネットワークは、地域おこし協力隊を次のフェーズへと進める可能性もあるかもしれません。
もちろん彼らは、今まで必ずしも十分ではなかった「知識や経験の共有」を、ネットやデジタルを駆使した新しい方法で進めていくでしょう。
それだけではなく、地域の課題解決に取り組む中で見出す新たな「価値観」や「生き方」を共有する場にもなるかもしれません。
こうした取り組みが進むことで、地域おこし協力隊を、次のフェーズへと大きく進化させる原動力となる可能性を強く感じました。

取材・文:NATIV編集部