新潟県長岡市は、4つの大学と1つの高専がある、全国でも有数の「学生の街」です。
若者が主役となり、新しい文化や技術が芽吹く気風があるこの地で、いま最も熱い視線を浴びているAIベンチャーがあります。
それが、長岡技術科学大学・大学院発の株式会社スタイルアーツ。
今回は、AI事業を牽引する樋口さんと、現役の大学院生でありながら最前線で開発に携わる篠木さんにお話を伺いました。
圧倒的なスピード感で挑戦と成長を叶える働き方と「遊び」の哲学に迫ります。

樋口 剛琉さん(写真左):取締役COO
2003年生まれ、新潟県上越市出身。長岡高専卒。高専在学中に介護系DXで起業を経験し、現在はスタイルアーツのAI事業を牽引。プレイヤーとして最前線に立ちつつ、マネジメントもこなす。
篠木 友馬さん(写真右):AIビジネスデザイン事業部 エンジニア
2002年生まれ、兵庫県神戸市出身。現在、長岡技術科学大学大学院1年生。インターンを経てアルバイトとして参画。研究と開発の両輪で走り続ける。
※内容は、2026年3月時点の情報です。
目次
学生の街・長岡で「挑戦」のきっかけに出会える「Defiance Books」
長岡駅前大手口から徒歩2分。
今回の取材場所として指定されたのは、大手通の喧騒から少し離れたビルの1階にある「Defiance Books(デファイアンス・ブックス)」。

この本屋さん、スタイルアーツが運営する書店なのです。
通り沿いの「IT企業が作った本屋さん」と書かれたポスターが目を惹きます。

「誰かがおすすめした本だけ取り扱う」という一風変わったコンセプト、そして、コワーキングスペースを併設したその空間は、良い意味で「本屋らしくない」温かさとスタイリッシュさが共存する佇まい。


なぜ、AIベンチャーがアナログな本屋さんを作ったのでしょうか?
その理由を伺うとー
「地方は東京に比べて、情報の鮮度や新しい価値観に触れる機会がどうしても少ない。それを解消し、誰もが新しいことに挑むきっかけを『本』を通じて作りたい。そんな代表・芝田の思いから、この場所は生まれました」(樋口さん)店名の「Defiance」には、「挑戦」や「自立」という意味が込められています。
哲学書から環境問題、アートまで、多様なジャンルの本とともに、推薦者の「顔」と「想い」が並ぶ棚。
ここは単なる本屋ではなく、人との出会いを通して、自らの中に「挑戦」の火を灯すための場所なのです。

ミッション「クリエイティブで挑戦を生む」――遊びが技術を加速させる
この「Defiance(挑戦)」という言葉は、スタイルアーツのミッションである「クリエイティブで挑戦を生む」へと繋がっています。

引用:株式会社スタイルアーツ公式HP(https://style-arts.jp/)
彼らにとっての「クリエイティブ」とは、単なるデザインやコードの意匠的な美しさではありません。
「自分たちがワクワクする『遊び』や『体験』を、どう技術に落とし込めるか。そこから生まれる提案こそが、お客様に驚きを与え、新しい挑戦を促すと信じています」(樋口さん)ミュージカルの観劇やアート鑑賞も立派なインプットの1つだと思います、と語る樋口さん。
会社の承認も得られれば、インプットの費用は会社負担で出ることもあるんだとか。
実際にスタイルアーツが展開する事業は、AIエージェントの開発、セミナーなどのAI活用支援、Webアプリの開発、果てはAR・VRまで驚くほど多岐にわたります。
「例えばVRや最新のガジェットも、自分たちが本気で遊んでみるからこそ、『これを使えば現場の課題が解決できるかも』というアイデアが湧いてくるんです」(樋口さん)技大発の底抜けの好奇心と成長への向上心が、社会への新たな価値に変換される現場を目の当たりにしました。
怪物級の同世代に囲まれて――樋口さんの葛藤と篠木さんの成長
スタイルアーツで働くメンバーは、皆一様に「自走」しています。
しかし、その輝かしい活躍の裏には、若きリーダーならではの苦悩もありました。
AI事業部を任されている樋口さんは、弱冠22歳。
「マネージャーとしてプロジェクトを完遂させる責任と、自分自身が誰よりも手を動かしたいというプレイヤーとしての欲求。そのバランスに悩むこともあります。『自分が本気でやれば終わる』という自信がある一方で、チームとしてどう最大化させるか。日々、自分自身の限界をアップデートし続けなければならないプレッシャーは常にあります」(樋口さん)
そんな樋口さんの背中を見て働く中で、スタイルアーツで人生が変わった、と言うのが篠木さんです。
「インターンから始めて1年、毎日が驚きの連続です。最初は周りのスキルの高さに圧倒され、自分と比較して落ち込むこともありました。でも、スタイルアーツには『失敗を恐れず早く試す(Fail Fast)』という文化があって、指示を待つのではなく、自分で考えて動くことに対して。その厳しさと自由さが、僕をエンジニアとして一回りも二回りも大きくしてくれました」(篠木さん)
もちろん、一度挑戦を始めたら責任は伴うし、アクションに対しての評価はかなりシビアでドライなんですよ、と笑う2人。
一人で抱え込まずに相談できる環境が、ためらうことなく挑戦と成長を続けることができる原動力になっているのだと感じました。
究極の「プロフェッショナル」は、究極に「遊ぶ」
AIを行動の中心に置く。
AI導入を、経営戦略に。
AIで挑戦する企業の翼になる。と公式HPでも銘打っているだけあって、社内でもAIをフル活用されているそうですが、樋口さんはこの状況に意外なお悩みがあるそうで・・・。
「AIは、人間が1時間かけてやることを、たった数分で出してくるんです。そのアウトプットを、人間が一つひとつ確認していくのですが、その負荷がとにかくすごい。プログラミングのコードを見た直後に、別のプロジェクトの企画書をチェックして……と、脳が休まる暇がないんです。」(樋口さん)膨大な成果物を、脳をフル回転させてジャッジし続ける。
そんなデジタルな疲労の限界を超えた先に、彼らが行き着く解決策は・・・。
「結局のところ、『筋トレとサウナ』が解決策になりがちです(笑)。代表がパーソナルジム事業をやっていたこともあり、筋トレとサウナはスタイルアーツの根底に流れるスピリットのようなものなのかもしれません」(樋口さん)先日はチーム全員でサウナが併設されている貸し別荘、VILLA VOIX(ヴィラ ヴォワ)にて合宿を行ったのだとか。
「合宿の前半は会社の方針や個人の目標などを固めるワークを行い、その後は疲弊した脳を休めるために全員でサウナに入り、社長持ち寄りの肉やワインを開けて楽しみました!」(樋口さん)オンとオフの切り替えを全力で楽しむ彼らのスタイルは、まさに現代の「アスリート・エンジニア」そのものでした。
「AIといえば、スタイルアーツ」長岡から新潟全域を照らす
現在、スタイルアーツは長岡を拠点にして、行政や地元企業の挑戦を後押ししています。
目指すのは「AIといえばスタイルアーツ」と言われる未来。
「大手・中小、行政問わず、AIの導入・伴走支援から研究開発など、AIを相談するならスタイルアーツと言われるような、企業を目指しています。その活動を今よりもっと広げていきたいと考えています。」(樋口さん)
「自分たちが心からワクワクできることをやらなければ、世の中をワクワクさせることはできない」
——そんな信念のもと、スタイルアーツが目指すのは、単なるAI導入支援にとどまりません。
長岡から新潟へ、新潟から全国へ企業や個人が「自分も挑戦してみよう」と思える瞬間を増やしていくことです。
教える・教えられるという関係を超えて互いに高め合うスタイルアーツは、これからも「クリエイティブで挑戦を生む」というミッションを旗印に、新潟の産業と人の可能性をアップデートし続けていきます。
