世界最大級の渦潮が有名な四国の玄関口「徳島県鳴門市」では、家庭菜園、アルバイト、兼業等、形態や規模を問わず農業を生活に取り入れながら、農業以外の仕事、ライフワーク、得意なことといった、自身のライフスタイルに合わせたX(=天職)で世の中に貢献する新しい生活様式「半農半X」を応援しています。
半農半Xシェアハウス事業第2弾のなると金時編では、鳴門市役所と(株)JA里浦ファームと(株)おてつたびとで連携。午前中は特産品のなると金時の農作業、午後はフリータイムの鳴門暮らしを2週間体験していただきました。
あえて下調べをせずに鳴門に来たという、長野県の伊藤達洋さんと鳥取県の大塚智史さん。鳴門で1週間過ごして感じたことを伺いました。
伊藤さん「僕は潮の満ち引きの音が好きでして。住んでいる長野県には海がないんですが、鳴門では海に囲まれた生活でゆったりとした時間を過ごしています。鳴門は海だけではなく、山の要素と両面が揃っていて、落ち着いた雰囲気が理想的です。」
大塚さん「海も山もあるところは、今住んでいる鳥取県と少し似ていると思ったんですが、鳴門は観光に特化しているところに違いを感じました。道の駅くるくるなるとや渦潮は行ってみたのですが、他にも行きたいところがたくさんあり、10月にも再び鳴門に訪れる予定です。また、鳴門市の大麻町にWi-Fi完備の無料のコワーキングスペースがあると知って驚きました。ぜひ参加期間中に利用したいと思っています。」
普段はフリーランスとして働いているお二人。学べることが多くあったようです。
伊藤さん「フリーランスという仕事を続けていると、トレンドに流されそうになったり、自分の強みを見失いそうになり、「自分の価値って何だろう?」と迷走しやすいんです。その点、農業ほどストイックな仕事はないなと感服させられました。農家さん一人ひとりが「自分のなると金時が一番美味しい」というプライドを持って、プロ意識で取り組む姿勢、自分の強み、やり方、工夫の仕方など、「モチベーション以上の思いって何だろう?」と学べるものがたくさんありました。」
以前農業に関わる仕事をしていたという大塚さんですが、鳴門市の農業環境は特別だと言います。
大塚さん「農業は後継者不足が深刻といわれていますが、鳴門では意外と若い方が農業に参加している姿を見かけることが多いなと感じました。また、農家さんはどちらかというと保守的な方が多いイメージを持っていたのですが、私たち県外の参加者を温かく受け入れてフレンドリーに接してくださり、美味しいお店を紹介してくれたり、野菜をくれたりと、とても親切にしてくださっています。」
午前中はなると金時の農作業、午後はフリーランスの仕事と、まさに半農半Xな暮らしを体験していただいているお二人。それぞれに相乗効果も感じているようです。
大塚さん「おそらく半農半Xをしている方は、都会から地方に移住して農業を始めるという流れが多いかと思うんですが、僕はその逆でして。元々農業に関する仕事をしていたのですが、農業の世界だけしかやっていないことに不安を感じたことから、フリーランスでパソコンを使った仕事を始めました。農作業とフリーランスの仕事と、正反対の仕事を持つことは精神的にも肉体的にも良く、どちらにもプラスに役立つし、とても楽しいです。それを実感できる良い機会を持てました。」
伊藤さん「半農半Xというのは、人間として自然の姿だと感じました。何万年も前から人は農耕を始めていますが、それに現代の要素のパソコンという自分の得意なことを掛け合わすことで、自然に生活リズムが整うだけでなく、作業の切り替えが出来ることにより「仕事」をしている感じが薄れて、どちらの生産性も上がっているように思います。」
最後に、今後の半農半Xシェアハウス事業参加者に一言メッセージをお願いしました。
伊藤さん「鳴門でゆったりとした流れる時間を過ごす中で、時間への捉え方が変わり、時間に対する体感価値が上がりました。普段はパソコンに向かって頭だけで考える癖が付いていましたが、太陽を浴びて農作業で身体を動かしながら考えることで、新しい自分にも気付くことが出来ました。価値ある時間を過ごすことが出来ています。」
大塚さん「農作業の仕事は午前中だけなので、フリーランスの仕事と併用できるのがいいですね。仕事もはかどり、心身一体で整いました!自分を見つめ直すきっかけにも、リセットをしに訪れるのにもおすすめです。」
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