この著書のメインターゲットは30歳代だと断言できる、その理由。

本著は発売以来売れに売れ、最新の新著でNo.1のベストセラーになっているので、読んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

あのライフネット生命の創業者で、現在はAPU(立命館アジア太平洋大学)学長の出口さんの最新著作です。
自分は10年ほど前からその著書に心を動かされ、セミナーや講演会に何度となく伺い、直接お話する機会もいただき、企画・主催する講演会にまでご登壇いただいたご縁もあり、心から尊敬してやまない方です。

その最新著作ということで、即ポチしてあっと今に読了。”出口フリーク”の私にとっては、まさに「ベストアルバム」のような(笑)本でした。
以前の著書に「思考軸をつくれ」というタイトルのものもありましたが、まさに出口さんの”ブレ”の無さがこの難局の社会から求められているのは納得です。

しかしそれだけではなく、こういう時期だかららこそ同じ言葉でも以前とは違う「響き方」を感じるところも多々あり、改めてその価値観や”軸”の真価を痛感しました。
今誰もが、あまりに強い風に煽られ、人生の姿勢制御のしかたを見失っています。
そんな中で、出口さんの口癖である「タテ・ヨコ・算数」-すなわち「歴史とグローバルとファクト(データ)」の視点で冷静に対局を見極める姿勢は、まさに全ての人に普遍的な基準を示しています。その視座から、コロナ前後の社会と人生への向き合い方を語られています。

ただ、実は一つだけこの本を読み進めながら、徐々に強く疑問を感じていたことがありました。
それは、なぜこの『”還暦”という言葉をタイトルに使ったのか?』ということでした。
というのも、いつもの軽快かつ明快な文章がどんどん展開されるものの、「60歳から人生始まるんだ!」的な話は一向に出てこないからです。
出口さんは60歳で起業され、70歳でまたどえらい転職をされているので、当然そのことが頭に浮かんで手に取る人が多いはず。更にいうと当年53歳の自分にとっては、恥ずかしながらかなりその文脈を期待していたのも事実です。
しかし本の半ばで、はたと気づきました。

「そうか。これは深い意味での”還暦”なんだな…」と。
還暦というのはご存知のように、ある意味「生まれ変わる」ということ。(参考記事はこちら
「人生一度きりだから、思い切り楽しもう!」
なんていう人は多いけど、あの出口さんのことだから、多分こうおっしゃるつもりなんだろう。

「一度きりなんて、とんでもない。今や二毛作は三毛作はあたり前。人生100年時代だから、年齢に縛られる事自体、意味がありませんよね!」

私の出口フリーク度合いも満更でもありません。その読みは見事的中しました。(笑)

更にそのことは、先日BS1で放送された「最後の講義」という番組でも証明されていました。
Zoomの画面に並んだ若い大学生の前で、この著作のエッセンスを更に噛み砕いてわかりやすく語られた出口さん。その「特別講義」を聞き終えた生徒さん達の表情が、なんとも清々しく且つ自信に満ち溢れていて、それを見ただけで思わグッと来てしまった…。そんな素晴らしい番組でした。

[出典:NHK BS1 「最後の講義-大学学長 出口治明]@NHK

(この番組は、こちらのNHKオンデマンドでも見られますので、宜しければ是非!)

以上のことから、私はこの著書はもちろん全世代が読むべきだと思いますが、敢えてメインのターゲットを勝手に決めるとしたら、30歳代の皆さんだと思います。その次は40歳代。あとは全ての年代で等しくではないかと。年齢にこだわるなと言われているので完全に矛盾しますが、それでも尚、30代だという理由は3つあります。

それは、

1.私が本当に「仕事をし始めた」と感じた年代が(遅まきながら)30代だったから。
2.コロナ禍の今のタイミングで(いい意味で)「何者にもなれていない」30代の皆さんこそが、アフターコロナの時代に進化を遂げる最初の世代だろうから。
3.普段私が一緒に仕事をしている30代の皆さんの顔が浮かび、是非読んでもらいたいから。

…の3つです。

1.は、「もしあの頃にこの本に出会っていたら」という、取るに足らない個人的な感傷にすぎません。
2.は、話すと長くなりそうですので、また別の機会に。
3.は、本当にそう思うからです。

暗いトンネルに入り込んだような気分から抜けられない日々が続いています。この著書にあふれる明快な言葉の一つ一つが、まさにその「出口」に導いてくれるようです。本当に、全ての方に全力でお薦めします。

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【著者】ネイティブ株式会社 代表取締役 倉重 宜弘(くらしげ よしひろ)
愛知県出身。早稲田大学 第一文学部 社会学専修 卒業。金融系シンクタンクを経て、2000年よりデジタルマーケティング専門ベンチャーに創業期から参画。大手企業のデジタルマーケティングや、ブランディング戦略、サイトやコンテンツの企画・プロデュースに数多く携わる。関連会社役員・事業部長を歴任し、2012年より地域の観光振興やブランディングを目的としたメディア開発などを多数経験。2016年3月にネイティブ株式会社を起業して独立。2018年7月創設の一般社団法人 全国道の駅支援機構の理事長を兼務。