鳴門市の東部に位置する里浦町。
約4km にわたる美しい砂浜が続く里浦海岸や鳴門が全国に誇るブランド芋「里むすめ(なると金時)」の聖地として知られ、どこまでも続くビニールハウスや整然と並ぶ畑の様子は、里浦町ならではの景観です。そんな農業の町の一角に『おかしやNanny』はあります。


「店名の由来は二つ。一つはNanny は阿波弁の「なにぃ(あれだよ、のように名称が思い出せない時に使う)」から取っています。都会の洋菓子店のようなオシャレな店名は思いつかないし、地元の方がクスッと笑ってもらえるような名前にしました。もう一つは英語で乳母という意味があるのですが、色んな年代の方がお店に来て○○君、大きくなったなぁと地域一体となって子どもたちの成長を見守れるようなお店でありたいとの想いを込めています。駄菓子を取り扱っているのは子ども同士でも顔を出しやすいお店にしたかったからです」。

そう話してくれたのは店主の太田あゆみさん。自身も3 児を育てるお母さん。育児が一段落した後、家族の後押しなどもあり2024 年7 月に同店をオープンさせました。
「今でこそ近くに大手の洋菓子店ができましたけど、里浦町って昔からちょっと手土産を、と思っても結構車を走らせないとケーキ屋さんとかが無かったんですよ。お母さんたちは子育ての合間の限られた時間しかないので、できるだけ近場で手土産として持って行けるようなお店があったらなと私もそう思っていました。まさか私がそのお店をやっているとは思いもしませんでした(笑)」。

Nanny が提供するのはシフォンケーキに生クリームやフルーツをサンドしたシフォンサンドやシュークリームといった生菓子。いずれも徳島県産の米粉100%で作られており、グルテンフリーをはじめ、健康志向が高まる現代において安心して食べられる商品ばかりです。
「洋菓子店だと一部、グルテンフリーの商品があっても小麦粉を使っている商品がほとんどです。当然、アレルギーを持っている子どもたちは選ぶ選択肢が限られてしまいます。その点、当店は全ての商品を米粉で作っていますので、ショーケースの中から食べたい商品を好きに選んでいただくことができます。それに子どもがアレルギーを気にせずに食べられるのってお母さんの気持ちも楽になると思うんですよ。米粉以外にもきび砂糖を使っていますので、お子さまには選択に自由と美味しさ、お母さんには安心と美味しさを届けられる商品作りを心掛けています」。
お店のコンセプトを皮切りに、原材料に商品開発。共通するのは子どもと親御さんを第一に考えているということ。これは自身も母親である太田さんからすればごく普通の考え方なのかもしれません。

「特徴…そうですね。米粉特有の軽い口当たりとモチッとした食感でしょうか。生クリームもブレンドしていて、甘すぎないあっさりした仕上がりにしています。誰でもペロッと一つ召し上がれるような商品を意識しています」。
確かに、持っただけで手に吸い付くようなしっとり感。口に運ぶとモチモチなのにエアリー感のある生地が先頭バッター、次いでフルーツ果汁が押し寄せてきます。そこに甘さ控えめの生クリームが優しく調和をはかります。「さて、もう一つ」と必然的に手が伸びてしまうこの計算されたシフォンサンド。取材したこの日も終わる頃には完売していました。

「実は少しだけパティシエをしていまして。そのときの経験を活かして、今後は焼き菓子の販売を考えています。生菓子だと日持ちしませんし、手土産を買いに来たお客さまから焼き菓子についてのお問い合わせをいただくこともありますので」。
今後はEC サイトでの販売も視野に入れているという太田さん。今後の課題についてお聞きするとそれまでの柔らかい笑顔が一転、抱える課題を赤裸々に話してくれました。

「発信と人脈です。せっかく徳島県産の米粉を使用した美味しくて体に優しい商品を揃えているのに、いまいち浸透している手応えを得られず。自分なりにはInstagram を用いて発信しているつもりではいるんですけど…。また徳島県産マンゴーや木頭ゆずといった商品に取り入れたいフルーツがたくさんあるけど、いかんせん地元の農家さんとの人脈が皆無。どうにかして繋がれないかなと。SNS にしろ人脈にしろ、何とかしたい!と頭で分かっていても、日々の仕事に追われている現状ですね」。
課題を明確にしつつ、今できることを着実に。そんな太田さんにやりがいを尋ねると「地元のお客さまや駄菓子を買いに来てくれるお子さんと他愛もない話をしているとき」だと再び笑顔が戻ってきました。
「自転車に乗って来たんだ!って買いに来てくれるお子さんや定期的に食べたくなるんよ、と来ていただける地元のお客さまと話していると「私がやりたかったのはこれだ!」といつも嬉しくなりますし、これからも生まれ育ったこの里浦の地で地域の方と一緒に子どもの成長を見守っていきたいし、「なにぃ行ってくるわ」とここに来れば誰かが待っているようなお店にしていけたらと思います」。

【基本情報】
・企業名:おかしやNanny
・業種:飲食業
・事業内容:徳島県産米粉やきび砂糖を使用した体に優しい生菓子の製造
・住所:里浦町里浦字花面350-3
・設立:2024 年
【お問い合わせ】
・E-mail:jmk.ayu.ota@gmail.com
・Instagram:https://www.instagram.com/okashiya_nanny/
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