大熊町への移住の窓口を担う、大熊町移住定住支援センター。移住前の相談から移住後のサポートまで、多くの移住者・帰還者を支援しています。大熊町外に住む方々は、大熊町のどんな部分に魅力を感じ、移住を決めていくのでしょうか。
大熊町移住定住支援センターで相談員を務める小口喜久さん、加藤学さん、田中利駒さんは移住を検討されている方と直に接して、さまざまな相談に乗ってきました。移住を検討されている方にどんなサポートをしているのかも含め、詳しくお話を伺いました。
目次
大熊町移住定住支援センターが行うワンストップの支援
大熊町移住定住支援センターは、2022年にオープンしました。大熊インキュベーションセンターの近くにあり、日曜・祝日・年末年始を除く9:00~17:45の時間で相談を受け付けているほか、東京などでの移住イベントにも出展しています。運営を行っているのはおおくままちづくり公社です。
大熊町移住定住支援センターが行うサポートは、移住相談にとどまりません。町内案内、住まいの紹介、アパートの内見手配、仕事の相談や職場見学、学校の見学など多岐にわたります。移住希望者の不安を解消し、スムーズな移住をサポートするために、センターが窓口になり、「ワンストップ」で支援体制を構築しています。
加藤さんは「他の自治体で移住相談をされてから大熊町に来られた方からは『そこまでやっていただけるんですか』という声もいただきます」と話します。

さらに、町内には移住前に無料で利用できる「お試し住宅」が用意されています。最大6泊7日、定員6名まで年に2回無料で宿泊できるのですが、滞在時には、利用者の希望に応じて町内の見学を組み合わせるなど、移住定住支援センターがオーダーメイドで「体験プログラム」を実施しています。
もちろん学び舎ゆめの森や起業家が集う大熊インキュベーションセンター、大野駅西交流エリアなど希望される場所を見学することも可能です。最近は2026年10月オープンのスーパーマーケットの予定地や、今後開設予定の病院の予定地を案内するなど、移住した後の生活をイメージしやすいような案内をしているそうです。
お試し住宅の紹介(予約も下記ページから)
https://www.town.okuma.fukushima.jp/site/iju/23150.html
また、移住者の方から寄せられる疑問や不安にもお答えしています。田中さんは「例えば今は大きな病院やスーパーがないという事実には、周辺の自治体にある病院やスーパーの情報を伝えています。まちに溶け込めるのか?という質問や不安も聞きますが、そういった個人的なお悩みの相談にも乗っています」と話します。

仕事の紹介や移住後の居場所づくりなど細やかなサポート
仕事の支援については、センターが運営している町内の求人情報サイト「くまジョブ」の紹介や、各企業へのエントリー前に、くまジョブの専門相談員によるカジュアル面談を実施しています。これにより、就職後のミスマッチを防ぎ、その人に合った仕事に就けるようにしています。
くまジョブ ホームページ
https://kumajob.jp/
また、移住に関する補助制度も紹介しています。移住支援金があることに加え、移住後の住まいに関しては賃貸住宅の家賃補助があり、家賃の半額(最大4万円)が36カ月支給されます(大熊町に5年以上居住することが最低条件)。家を新築する場合にも補助制度が用意されているため、まずは賃貸住宅で暮らし始め、その後に家を建てるなどで、それぞれのタイミングに応じた補助制度を活用できることも紹介しています。
※これらは2025年度の制度のため、2026年度以降は変更になる可能性があります。
移住に関する補助制度
https://www.town.okuma.fukushima.jp/site/iju/subsidy.html
さらに、センターでは移住後のサポートも行っています。ほぼ毎月のペースで開かれる「町民交流会」では、芋煮やアート体験、交流農園の草取りなどの交流イベントや、ペット、子育てなど共通のテーマで話せるイベントを開催しています。

交流農園の草取りの様子
「ペット好き集合!」と題して開催された過去の交流会の様子
https://okuma-style.com/wmHYmKOu/P1_4_cxH
さらに「大熊町サポーターズ」というSlackを利用したオンラインコミュニティを開設し、住宅や求人、イベント、日常の交流(スポーツなど)の情報交換ができるようにしています。このような仕掛けを作ることで、大熊町に移住した後も「自分の居場所」があると感じていただけることを心がけています。
大熊町サポーターズへの参加はこちらから
https://www.okuma-machizukuri.or.jp/20220815100410
大熊町に移住する人の特徴とは
また、大熊町は今まさに町内各地で新たなまちづくりが進んでいます。全国を見てもそのような場所は珍しいため、まちづくりに携われることに魅力を感じて大熊町に移住を決める方も多いそうです。
それから、自分の得意分野を生かして、地域で自分らしく過ごしたいと、カメラマンやデザイナー、豊富な外国語スキルなどを持つ方などが実際に移住をしてきています。「都会で埋もれてしまうよりも、大熊町なら自分の能力を発揮できると考える方々が多い」とのこと。若い方はもちろん、定年後にゆったりとした暮らしを求めて移住される方もいらっしゃるそうです。
また、教育移住が多いのも特徴的で、「学び舎ゆめの森」の教育に魅力を感じて移住するファミリー層も多いそう。イベント等で地域住民が積極的に学校活動に関わるなど、地域全体で子どもたちの学びを支えていることにも魅力を感じ、移住を検討しているそうです。

移住者をあたたかく迎える大熊町の人たち
「おおくまStyle」でも、これまで移住者の方にインタビューを行ってきましたが、多くの移住者の方から「大熊町の皆さんに受け入れられてうれしい」という声を聞きます。
加藤さんは「大熊町は震災前から移住者が多い町でした。町民の方々との交流も多く、その風潮はいまでも変わりません。『ようこそ 』と、移住者を温かく迎え入れてくれる土地柄なので、心理的負担も少なく移住できると思います」と話します。
小口さんは大熊町移住定住支援センターで働く前にふくしま12市町村移住支援センターでも移住支援を担当しており、他の市町村の状況も知っています。大熊町の良さについて聞いてみると、「大熊町の魅力は人。いろいろなことにチャレンジしている方も多く、私自身も刺激をいただいています。そして実際に移住した方にいろいろなところでお会いして声をかけてもらえるのがうれしい」と話します。
「移住希望の方を案内していても移住した住民の方が『どこからいらっしゃったんですか?』と気軽に話しかけてくれます。こういう声掛けは、移住を検討している方にとって、うれしいですよね。移住をした先輩が、歓迎する雰囲気を出してくれます」と話します。

移住を考えている方へのメッセージ
最後に、センターの3人に移住を考えている方にどんなことを伝えたいか伺いました。
田中さんは「移住相談のときには、ただ移住したいんですけど…というよりは、何をしたいとか、どういうところに住みたいとお話していただいた方が、相談には乗りやすいですね。具体的にやりたいことが何かあったほうが、ミスマッチにはならないと思います」と話します。
小口さんも「私はこうなりたい、家族がこうなりたいという理想があれば、我々としてもアドバイスしがいがあります。移住はご自身にとってもご家族にとっても重大な決断です。周辺市町村とも比較検討して、納得したうえで大熊町を選んでいただけるとうれしいです」と話します。
加藤さんは「最初の一歩として、まずは実際に現地を訪れてみてほしいです。お試し住宅や体験プログラムを活用し、町の雰囲気を実際に体感していただくことで、きっと文字や画像では伝わらない発見があるはずです」と結びました。

まとめ
今回インタビューにご協力をいただいた小口さん、加藤さん、田中さん、ありがとうございました!
大熊町移住定住支援センターが行っている支援の情報や町民交流会、大熊町サポーターズなどの情報は、下記のホームページやインスタグラムで発信されていますので、ぜひともご覧ください!
おおくままちづくり公社 ホームページ
https://www.okuma-machizukuri.or.jp/
大熊町移住定住支援センター インスタグラム
https://www.instagram.com/okuma_ijuteiju/
