地方移住を支援する認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが、2019年の移住相談の傾向、移住希望地ランキングをまとめ、発表しました。

2019年1月から12月末までに、東京有楽町にあるふるさと回帰支援センターへの相談者やイベント参加者ら、延べおよそ11500件の回答を元に、詳細なデータがまとめられています。

ランキングは、各年の世相を反映しながらも、各地域の移住定住促進の活動の評価ともなるため、移住希望者はもちろん、各自治体関係者も必見の内容となっています。

2019年は1位:長野県、2位:広島県、3位:静岡県

見事1位となったのは、長野県。なんと3年連続の1位獲得となりました。市町村数が北海道の179に次いで多い77市町村を誇る長野県ですが、その強みを活かし、県での移住促進の取り組みはもちろん、各市町村それぞれが自らの地域のPRに力を入れたことが評価されているようです。

ポイントは首都圏からの近さと豊かな自然

長野県の魅力として特に挙げられるのが、首都圏からの近さ。新幹線でも約90分で東京とつながれるとあって、はじめての地方移住の候補としてあがりやすいようです。

交通の便の良さに加えて、身近に大自然が感じられるのも長野県の魅力。都市部と自然の近さや、山間の地域から、別荘地としても有名な軽井沢まで、ライフスタイルをまるごと変える移住から、週末プチ移住(二拠点・多拠点)先としてなど、県土の広さを活かして、多様なスタイルを受け入れられる土壌が人気の背景にありそうです。

また最近では特に注目を集めているテレワークでの働き方にいち早く取り組むなど、移住者目線での支援が多いことも特徴です。

2位の広島県は大躍進

昨年は6位だった広島県が2位に上昇。背景には、瀬戸内地域での世界的な注目度の高まりと共に、観光や多様な働き方・暮らし方の発信が功を奏しているようです。

年代別で見てみると、20代は1位、30代・40代では2位となっており、比較的若い世代で注目されていることでしょう。

これは、 AI/IoT実証プラットフォーム事業「ひろしまサンドボックス」 をはじめとした、新規性が高く、挑戦的な事業を県が推進していることもあげられそうです。

新しい働き方や暮らし方を提示し、具体的な動きが行われているからこその躍進といえるでしょう。

首都圏からの近さで根強い人気の静岡県

静岡県は、全世代で人気が高い地域となっています。その背景にあるのは、首都圏との近さと、交通の便の良さ。

東海道新幹線はもちろん、高速バス等での移動もしやすいことから支持されているようです。

地方移住への注目度は過去最高。中高年層の検討も増加

2019年は年間を通しての相談件数が4万9千件を超えるという過去最高を記録したことも注目です。これは、前年より20%増加しており、引き続き全世代で地方移住が注目されていることがわかります。

また2019年はシニア層の相談が微増したことも注目でしょう。中でも、生活コストを地方と都市部で比較するような相談もあるといい、ライフスタイルの変化に伴う将来設計の変化が、高齢層でも進んでいるといえそうです。

問われる自治体の動き方。ポイントは狙いたい層に合わせた施策

最後に、今回のランキングで注目したいのは、佐賀県です。20代以下では3位、30代でも5位となっています。これは、人気ゲームとコラボした県の話題作りはもちろん、テレワークの導入などを通じた働き方改革や、女性社員が働きやすい都道府県でも上位に入るなど、若い世代が関心をもちそうな施策を実施しているからということが挙げられそうです。ITでのイノベーション促進を発信するイベントも年始早々に開かれており、力の入れ具合が伝わります。

このランキングからわかるのは、人気の地方移住先がわかることはもちろん、より詳細に見ると、各世代で明確にニーズが異なり、それぞれの世代に何を訴えて、どういう期待をもっていただきながら地方移住を行ってもらうかということではないでしょうか。

佐賀県がある年代層で上位になっていることは、現在の発信の仕方がこれに伴っているからだといえるでしょう。

地方移住推進は、新しいフェーズへ

地方移住への関心が年々高まる中で、まずは地方移住という取り組みを知ってもらうという段階から一歩進み、各年齢層や属性ごとに、的確なメッセージを伝えることで、より満足度が高く、継続する地方移住が可能になる状態になってきました。

今後はよりきめ細やかな地方移住促進の仕方を生み出し、伝える場をつくることが重要になってくるはずです。

参考: 2019年移住希望地域ランキング公開