社員から見た社長は「いいこと言う親父」
井本さん(左)、立花さん(右)
この話を横で聞いていた人材担当の立花さんは、「わたしももともとはBOOKOFF松山駅前店のアルバイターだったんですよ」とにっこり。「当時大学生だったんですけど、受験やテストのための勉強しかしてこなかった自分にとって、社長の理念とか日々発する一言一言はすごく胸に響くものでした。それで、この会社おもしろい! と思ったし、10年後、20年後の未来に社長が退くことになったとき、自分がこの会社を担っていきたい!との思いが俄然強くなったんです」
まっすぐな目でそう語ったあと、「本当にいいこと言う親父なんですよ。自分のためじゃなく、どうすれば社会がよくなるかを常に考えている」と補足する。
また、同席しているリユース事業部長の藤田さんも、「わたしは14、15年この会社にいますけど、社長の発言はずっとぶれない。上場後はインタビューを受ける機会も多くて、“井本ヒストリー”を聴く機会が増えたから、ますますかっこいいと思うようになりましたね」と熱い眼差しを送る。
これに対して井本氏は、「立花なんかはうちに入ったときから、『将来はわたしが社長になる』って言い張ってんの」といたずらっぽく笑うが、その後真剣な表情で「うちみたいな会社は、どっかから社長連れてきてもこいつらがついていかんと思うしね」と胸の内を語る。
そんな茶目っ気のある井本氏に、最後に地元に対しての想いを訪ねたところ、「しまなみに世界中のシニアが移住して、なおかつ若い子もきてくれたらいいよね」とポツリ。
「これから高齢化がさらに進むと、都市部では、病院だとか水道だとかの基本的なインフラが持たなくなるでしょう?そんななかで僕に何ができるのかっていったら、大島、伯方島、大三島の定住人口が増えるような仕組みを作ること。海外からの移住者や観光客にとっても魅力的な場所にするためには、しまなみの美しい景色に加えて、独自の料理も必要だと思う。そういう環境を整えることを今後10年くらいかけてやっていくことができたら、このエリアはもっとすばらしくなるんじゃないかなと思って、日々、構想を練っています」
左から立花さん、井本さん、藤田さん
取材・文・撮影:編集部
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