コロナ禍で地方移住への関心が増し、各種メディアでは「コロナ移住」という言葉も取り上げられるようになりました。コロナが地方移住ブームを牽引しているという見方もありますが、果たして本当に地方移住は進んでいるのでしょうか。

ニュースを振り返ってみると、高い水準で続いてきた東京都への流入が2020年4月以降は下落し、7月には転出超過を記録したことが注目されました。2020年のデータによると、東京都からの転出先は埼玉・千葉・神奈川の首都圏で55%以上を占めたものの、長野、茨城、栃木、新潟の伸びが大きかったことがわかっています。

このように見てみると、「コロナ移住」や「地方移住ブーム」という言葉はオーバー気味であるように思います。

東京都内在住の会社員の46.6%が地方移住に興味あり

コロナ禍がもたらしたものは、直接的な地方移住の激増というよりも、地方移住への興味関心や態度の変化ではないでしょうか。リクルートが2021年8月に実施した地方移住および多拠点居住の考え方についてのアンケート調査を見てみましょう。この調査は、東京都在住の20歳~59歳の会社員2,479名を対象に行われたもので、地方・郊外移住への興味と障壁が見えてくるものです。

調査結果によると、地方や郊外への移住に興味があるのは、46.6%にのぼります。年代間の回答傾向に大きな差はなく、年代に関わらず一定数の人が、都心から地方や郊外への移住に興味があることがわかります。

この調査では、地方移住に興味がある人に対しては、検討のきっかけと新型コロナウイルスの感染拡大との関係も質問されており、その結果、「新型コロナの影響で、テレワークなどの柔軟な働き方が可能になったため、地方や郊外への移住に興味をもった」が最も高い割合=43.4%となっており、コロナ禍で広まった新しい働き方による生活の変化が、意識の変化につながっていることがわかります。

仕事面での不安が顕著。移動距離は都心まで2時間以上が条件

地方移住に興味がある人は、都心までどれくらいの移動時間を見込んでいるのでしょうか。この調査によると、都心までの所要時間は「都心まで1時間から2時間」が43.3%、「都心まで1時間程度以内」が31.8%となっています。両方を合わせると75.1%の人が「都心までの所要時間は、2時間以内」を想定していることがわかります。

一方で、移住への不安や心配ごとに対しては、仕事面が最多の64.0%、続いて経済面が56.7%となっており、顕著なのはテレワークへの心配事が多い結果となっています。コロナの心配がなくなった際にテレワークや在宅勤務がなくなり出社が求められるようになった場合にどうするのかを決めかねている状況や、転職を視野にいれる場合は、給与や働き方の面で自分の希望する仕事があるかどうかということが不安の原因となっているようです。

地方移住に二拠点生活という選択肢。柔軟な生活環境で複数を選択肢をもつ

この調査でもわかるように、コロナ禍が生んだ働き方の変化であるテレワークや在宅勤務の浸透は、従来の仕事や生活に対する価値観を変化させており、地方移住への興味関心を高めている一方、コロナ禍が落ち着いた後に、テレワーク廃止や出社再開が懸念となり、実際に地方移住をおこなうかどうかを決めかねているという状況が読み取れます。実際に移住を実現する期間については3年以内というのが35.6%ですが、最も多かったのは「時期はわからないが将来的に実現したい」という回答で、46.5%を占めています。

このような状況に対して、魅力的な手段のひとつが都心と地方の二拠点生活というライフスタイルではないでしょうか。もともとは、都心で暮らしながら週末は地方で農業をするというような、週末移住のいち形態を指すようなイメージでしたが、ここ最近は、二拠点生活のあり方も大きく変化し、都心と変わらない生活をしながら、出社や用事など実際に行かなければならない状況をもとに、柔軟性高く暮らすライフスタイルを指すようになっています。

都会か地方かの二者択一ではなく、どちらの良いところも活かした生活スタイルとも言え、地方暮らしはしてみたいけれど、いきなり引っ越すのはハードルが高いという人にもぴったりの手段だと言えます。

コロナ禍で浮き彫りになったように、将来の見通しが不明瞭であるが故に、自分自身に複数の選択肢をもつという意味でも有効な手段ではないでしょうか。

ただし二拠点生活をおこなうにはハードルがあることも事実です。都心と地方で物件をふたつ借りる必要があることはもちろん、行き来するという生活スタイルに寛容である地域でなければなりません。移動にかかるコストや時間も考えると、上述したアンケート結果でもわかるように、2時間圏内で探すのがバランスも良さそうです。

そう考えたときに有力な選択肢のひとつが、山梨県での二拠点生活です。

誰でも無料で参加可能!日常の中に地方移住の情報収集を組み込もう

山梨県は、県をあげて二拠点生活を推進しており、様々な取り組みを実施しています。例えば、働く場所の確保として、県内各地でコワーキングスペースや、企業の地方進出を応援するためのサテライトオフィスなどを立ち上げています。また地域によっては移住者の受け入れに慣れていることもあり、多様な生活スタイルで暮らすことが可能な地域として知られています。

都心から2時間圏内でありながら、自然豊かで暮らしやすいことに加え、仕事環境も整っている山梨県での二拠点生活は、コロナ禍における地方移住の第一歩として、そして将来への複数の選択肢をもつという意味でもおすすめの地域。そんな山梨県の魅力を伝えるために、誰でも無料で参加可能なFacebookのグループ機能をつかったオンラインコミュニティ「山梨二拠点生活のすすめ」が始まっています。

定期的に山梨県各地の二拠点生活や移住に関する情報はもちろん、働き方や暮らし方、そして日常の風景が投稿されていくコミュニティです。運営は、東京のメンバーと現地メンバーが協働して行っており、リアルな情報を発信しています。

「仕事をつくる」という視点もあり。地方のブルーオーシャンを活かす

アンケートでも明らかなように、地方移住をはじめ、地方での暮らしを考えたときに不安になるのは、仕事面です。自分にあった仕事があるのかどうか心配な方も多いはず。しかしこうも考えることができるのではないでしょうか。

今までの経験を活かして、地方でニーズがあることを仕事にしてしまうという方法です。地方は様々な課題を抱えていると言われますが、その最も大きなものは「プレイヤー不足」です。地域の幅広い課題解決に対して、独自に考え解決していくということそれ自体が、競合がいない新しい市場を生み出すことにつながっています。実際に、移住後に小さな仕事を生み出すところから、継続的に事業展開をしている方も多くいらっしゃいます。

「山梨二拠点生活のすすめ」でも中心になっている地域のひとつである韮崎市では、移住者も含めて、若手が活躍しているような地域でもあります。東京での仕事をリモートでこなしつつ、小さな仕事を地域で主体的に生み出しながら、二拠点生活のバランスをとっていく。そんな戦略が取りやすいのも山梨県ならでは。

まずは情報収集に、そして二拠点生活のヒントにオンラインコミュニティ「山梨二拠点生活のすすめ」を活用してみてはいかがでしょうか。