生活クラブ連合会(本部:東京都新宿区、会長:伊藤由理子、以下生活クラブ)は、山形県酒田市と連携し、「居住」+「地域と交流する場」などの機能を持った施設をつくる計画を進めてまいりました。そしてこの度、移住者の住まいと地域の交流拠点「TOCHiTO」建設予定地(山形県酒田市千石町1-1-4)にて、地鎮祭ならびに起工式(安全祈願祭)が2022年4月9日(土)に執り行なわれました。

地鎮祭には、山形県酒田市長の丸山至様、生活クラブ連合会会長の伊藤由理子や生活クラブ組合員を中心とした入居希望者が参加し、地元・千石町の自治会からの歓迎も受け、関係する方々とにぎやかに執り行なわれました。東京や神奈川など県外からの移住希望者は、建設予定地や周辺地域を見学するとともに、酒田市の関係者との交流を深めることができ、実際の暮らしをリアルに想像する機会となりました。


仮設機材工業西村社長より検討者へ方角などの説明

■『TOCHiTO』とは
生活クラブは、1970年代から山形県庄内地方の生産者と交流を深めています。食の提携をきっかけに、今では再生可能エネルギーの普及や福祉など、生産地と消費地それぞれが抱える課題解決のパートナーへ成長しました。その一環で、移住・定住の拠点となる施設づくりの計画を、2016年から酒田市とともにすすめてきました。産地とともに「自分らしい暮らし」・「参加する暮らし」を創造するプログラムの実現に向けた拠点の構想が「TOCHiTO」です。
敷地内には、居住棟の「TOCO(とこ)」、交流棟の「COTO(こと)」を建設、さらにイベントや家庭菜園などに使える空間として「CHiTO(ちと)」と名付けた中庭を整備します。交流棟・COTOには、地元企業や移住者が利用できるシェアオフィスやコワーキングスペースを用意し、入居者・地元住民が交流しながら働き、ともに地域をつくっていくための拠点となります。

《居住棟「TOCO」:軽量鉄骨構造 / 3階建て》
– 18戸、エレベータ・オートロック・外物置付き
– 高断熱・省エネ・遮音、換気に配慮
– ペット可:小動物(犬か猫)1匹まで

《交流棟「COTO」:木造2階建(地元産の木材使用)》
太陽光発電設備、蓄電設備、ペレットストーブなどを備えて、再生可能自然エネルギーにより稼働する施設。設備費用の一部に「庄内自然エネルギー発電基金」が活用されます。
【1階】36~42帖の交流スペース
‣アイランドキッチン、プロジェクター、音響システム、撮影機材、ピクチャーレール、書架などを設置予定
【2階】シェアオフィス、コワーキングスペース

【事業者】
– 仮設機材工業株式会社(http://kasetukizai.co.jp/
– 特定非営利活動法人パートナーシップオフィス(https://npo-po.net/)
– 合同会社とびしま(https://www.tobi-shima.com/
この事業は、酒田市が所有する土地に上記事業予定者が施設を整備運営する公民連携の仕組みによって実施されます。

■出席者のコメント
– 酒田市長 丸山至 様
酒田市の「生涯活躍のまち構想」に基づく事業として推進し、約7年の歳月が経過しました。その間生活クラブ生協、東北公益文科大学の皆様、そして仮設機材工業の皆様はじめ事業者の方々のご協力を受け、その第一歩として、この地鎮祭と安全祈願祭が無事に執り行なわれたことを、心から感謝申し上げます。
TOCHiTOへの移住を決めている方、現在検討している方、本日はようこそいらっしゃいました。この場所は、道路の向かいには国指定史跡の山居倉庫があり、川の向かいでは旧酒田商業高等学校跡地に商業施設等の建設を計画しています。庄内空港・東北公益文科大学から、酒田市の中心につながる道路も整備しており、これから文字通りこのエリアは酒田市の核になります。その中でここに移住の拠点ができ、この街を今以上の素晴らしい街に盛り立てる「参加する暮らし」を一緒につくる方々が移住してくださることになります。こういった施設を我々がいまここに建設できるということは、地元の発展となり、市民にも誇らしい事業になると確信しております。今後とも皆様のお力添えをお願いいたします。

– 仮設機材工業株式会社 西村修 社長
私どもは2021年4月に、事業者として酒田市から採択をいただき、その後約半年かけて、酒田市と生活クラブ生協、東北公益文科大学、それから設計や工事関係のみなさまから、ご意見ご要望またご指導ご助言をいただき、当初の計画をブラッシュアップしてまいりました。そして本日ようやくこの地鎮祭に至ることができました。ただ、事業はこれからがスタートです。これは酒田市の中心において実施される山居倉庫周辺整備計画のひとつでもあり、大変注目されている事業でもあります。工事関係の皆様には、どうか安全に工事を進めていただき、来年3月の入居を目指してよろしくお願い申し上げます。

– 生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 会長 伊藤由理子
私たち生活クラブは北海道から兵庫県まで組織し、組合員数は全国で約42万人になります。生活クラブのお米は遊佐町、お肉は酒田市の平田牧場、そしてお漬物は月山農場など、山形県にはたくさんの生産者がいて、組合員にとっては「食のふるさと」として愛着のある土地です。2016年に平田牧場の新田社長のご紹介で、酒田市と出会ったのがTOCHiTO構想のきっかけでした。当時は高齢者住宅をつくるという漠然としたイメージでしたが、高齢者に限定せず、庄内地域の地に足をつけて、一緒に豊かな暮らしをつくっていく拠点となるような構想に育っていきました。食の共同購入だけでは成しえなかった、新たな地元の方々との出会いを得て、これから新しい物語がはじまっていくのだと思います。今日をスタートとして、末永くよろしくお願いいたします。

■当日の様子

日枝神社 岡部宮司による修祓


生活クラブ連合会伊藤による玉ぐし奉奠


居住棟「TOCO」から臨める鳥海山

■今後の予定
– 2022年6月4日(土)13:30~15:30
「これからの暮らしを考えるセミナー」 講師:指出一正氏(雑誌『ソトコト』編集長) ※申込〆切:6/2(木)
– 2023年 春頃「TOCHiTO」竣工、居住開始(予定)

居住検討者らがともにTOCHITOでの暮らしを協議する「庄内での暮らしを知る・考えるセミナー・イベント」を開催中です。最新の情報はWEBサイトをご覧ください。(産地で暮らす:https://sanchide-kurasu.jp/)

■生活クラブについて
生活クラブは組合員数約41万人の21都道府県、33の地域生協で組織される生活協同組合です。事業高は1千億円。生産から廃棄に至るまで安全や健康に配慮した品物の共同購入活動を通じ、持続可能な生活スタイルを実践しています。また、現在では、生活クラブ生協から派生したワーカーズ・コレクティブも各組織エリアを中心に300以上展開し、福祉や居場所づくりなど地域に必要な事業を作り出しています。食(F)、エネルギー(E)、福祉(C)を地域で市民が自治し循環させるサステイナブルな社会づくりを実践しています。
‣「生活クラブ」ホームページ:https://seikatsuclub.coop/