和歌山県が、2018年4月から企画している起業・就農、就労の体験プログラムが

「わかやま しごと・暮らし体験」です。

利用者が希望する事業者のもとで「しごと」を体験しながら、

周辺地域の先輩移住者や地域住民の方との交流を通じて「くらし」の体験を行い、

移住後の生活をイメージすることができます。体験費は無料です。その“体験先”をご紹介します。

とりとんファーム

住所:和歌山県田辺市龍神村柳瀬528−3
事業内容:平飼いで育てた鶏の卵の販売

 

とりとんファームは、2018年夏に田辺市龍神村で生まれた平飼いの養鶏所です。運営しているのは石﨑源太郎さん、亜矢子さんご夫妻。「安心・安全・地元素材を発酵させた飼料作り・薬剤フリー・非遺伝子組み換え」をキーワードにさまざまな品種の鶏を育てています。

特徴の一つは「鶏の飼料」。地元で出る加工食品の副産物に注目し、これまで廃棄されていた、豆腐や納豆、醤油などの副産物を発酵させて飼料に活用しています。

また、近隣のしいたけ栽培施設から出る廃菌床や地元の籾殻、糠を鶏小舎の床に利用し、発酵堆肥を作っています。その発酵堆肥を地元の農家で使ってもらうなど畑に還元し、永続可能な循環農業を目指しています。今年から、飼料の一部を自家栽培する試みで麦の栽培を始めます。

今回体験できる内容

鶏の飼料となる素材は20数種類。石﨑さん自ら集めて自分で配合しています。素材はバスタブを改良した桶で、コタツのヒーターを利用して発酵促進しています。手間を掛けて独自の発酵飼料を作ることによって、他社とは違う味わいのあるたまごを生産しています。

飼料を発酵させることで、餌はほかほか暖かく、発酵菌が素材を分解し、より消化の良い美味しい飼料となって、鶏の食欲も増進します。何より、有用性微生物が鶏の腸内環境を整えて健康に暮らすことができます。

この体験では、集卵、出荷準備、手作りの鶏舎のメンテナンス、飼料栽培圃場の管理等、石﨑さん夫婦と養鶏所の仕事を体感します。

実際の仕事を通し「養鶏の楽しさ・田舎暮らしの楽しさ」を感じることができることでしょう。また、希望する体験がありましたらお気軽にご相談ください。

仕事のこだわり

「畜産は循環型農業の要」と話す石﨑さん。
近隣の事業者から加工品の副産物や、出荷できない野菜など、飼料の素材をいただくばかりでなく、上質な有機肥料となる発酵鶏糞を、農家さんにお分けすることで、循環型農業の一旦を担っています。

将来的には休耕田を利用した放牧養豚や加工品製造販売などにも取組の幅を広げていく計画もあり、地域の人と協力をしながら、価値あるものを生みだすとりとんファームの挑戦はまだまだ続きます。

なお、畜産業のため、動物アレルギー、菜食主義の方はご参加をご遠慮ください。また、防疫のため、最近鳥インフルエンザ汚染地域へ旅行された方もご遠慮くださいますよう、よろしくお願いします。

補足事項

宿 泊 場 所 :近隣宿泊施設、又は下柳瀬会館
宿泊先住所 :和歌山県田辺市龍神村柳瀬529番地(石﨑家の目の前の建物)
宿泊先代金 :一棟貸し5000円(一日利用料金)
その他:会館には台所、トイレがありますが、お風呂はありません。龍神温泉もしくは石﨑家のお風呂をご利用ください。

体験者の声

仕事の体験だけでなく、日々の生活等を一緒に体験させて頂いて、地域の話や色々な事を親切にして頂きました。
移住を希望しているので、空いた時間に地域をまわって空き家状況も一緒にみて下さったりと、何から何まで良くして頂きました。
忙しいお仕事の中で、時間を作って下さったことには本当に感謝しています。
今回体験してみて本当に良かったです。(40代・埼玉県在住)