ーなるほど。日本において、どんなことがビジネスの拡大や、起業時の障壁になっていると思いますか?

日本の場合は、失敗が失敗と捉えられがちで、まだまだ失敗しないことが美徳として捉えられているように思います。年金が滞ったらどうするんだとか保険がなくなったらどうするんだとか、借金抱えたらどうするんだとかを頻繁に話しすぎですよね。やはり、日本は石橋を叩いて渡る文化が強いです。個人のキャリアパスについてもそうで、大企業のブランドが強いから、そこに入ったほうが人生設計が楽だよねって考え方が多いですよね。これが障壁になっているように思います。

ー経洗塾には、そのような障壁をなくしたいという思いが根底にあると思いますが、ずばり、井上さんが目指す世界観とは?

「カテゴリーにとらわれず、フラットに各々の野望を口に出せて、それを体現できる世界」を作りたいです。たとえ、金融出身だろうと、行政出身だろうと、公認会計士だろうと、ベンチャーだろうと、だれだろうと、経洗塾に通う人はみんな、「塾生」という肩書きをもって活動しています。「これをやりたいんだ」、「実現したいんだ」って言ったことに対して、支援しかり応援しかりというのを誰もがフラットな立場でできる環境が経洗塾にはあります。また、経洗塾には誰もが肩書きなく交流できる「新天地ハブ」というコワーキングバーもあります。そういったものをきっかけに、「瀬戸内海に日本有数のベンチャー創出エコシステム」を実現したいです。

新天地ハブ

ーその世界観、野望を実現させるために、どのような方と一緒に働きたいですか?

トレンドを追いかけない、ベンチャー出身者の方とぜひ働きたいと考えています。トレンドを追いかけてしまうと、市況が悪くなったときに立ち行かなくなってしまう。例えば、AR、VRがまだまだブルーオーシャンだって言って、トレンドに乗ってやっていたら、グーグルやアップルが本格参入してきてそのマーケットがなくなるとか、自動運転だといって、中国がどんどん設備投資を拡充していって、そこの市場なくなるとか。ベンチャー不毛時代にベンチャーをやっていたので、そこの苦しさを知っています。だからこそ、「市況にとらわれない強いベンチャーを生み出したい」という思いを強く持っている人と是非働きたいです。

取材・文:編集部

写真提供:経洗塾

●井上 智央

ミネソタ州立大学政治学部を卒業。国内数社のベンチャー企業の取締役、CFO、海外事業・新規事業統括責任者を歴任。2011年よりスイスに本店を置く世界最古の金融機関の一つ、ピクテ銀行の外部後見人として世界各国の事業立ち上げも行う。広島・岡山を中心に中国地方で若手経営者向けの経営塾「経洗塾」を主宰。
担当事業 経洗塾本部、経洗塾アルムナイクラブ

●経洗塾(運営会社:株式会社キャンバスプロジェクト)概要

  • 所 在 地 : 広島県広島市中区東白島町17-4 カーサエミネンス 502
  • 設  立 : 2012年
  • 代表取締役 : 井上智央
  • 事業内容 : ベンチャー育成・サポート事業、人材育成事業
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