大きな裁量を持ったことで、
経営者視点を意識したマーケティングスキルが身についた

──実際に働いてみて、どんな変化がありましたか?

まず働き始めて大きく変わったのは、経営者視点を間近で学べるようになった点です。なおさんは本当に優秀でオールラウンダーなタイプ。私のマーケティング施策にも、専門ではないにもかかわらず、的確なアドバイスや新しい視点を提供してくれて、いつも多くを学んでいます。なおさん以外からも同じ。この会社に集まっているメンバー全員を心から尊敬しています。良いところを盗みつつそれを共有しながら、日々働いているイメージです。

とはいえ小さい会社だから、マーケティングのすべてを最終的には自分の責任のもとでやるしかない。大きい裁量を持ったことで、否応なしに任せられるし鍛えられる。得意な領域のレベルも上がったし、できる施策の幅も格段に広がったと感じています。

生活面で言うと、飲み歩く頻度は減りました。オフィスにお米も炊飯器もあるから、自炊にも困らない(笑)。広告代理店時代は週5~6回は飲みに行っていたのが、いまでは週数回、ときによってはゼロということもあります。でも、お金があって飲み歩いて、服買ってネイルしてヘアサロン行って旅行して、みたいな時よりも、今のほうが気持ちの充足感が強いんです。

日本酒応援団で働き始めてから、出張も増えました。4月は能登の酒蔵に行って、3月は日本酒搾りで大分に行って。その前の1~2月はずっと島根県で酒造りをしていました。島根にいた2ヶ月間は、酒造りをしながら、酒蔵を営んでいる家にホームステイして美味しいごはんをいただく生活です。体力的には大変ですけど、旅行のようにさまざまな地域に行けて、給料ももらって、大好きなお酒を造れるなんて、最高じゃないですか。そうそう、服もほとんどいらなくなりましたね。日本酒応援団のTシャツとパーカーがあるので(笑)。

いまは本当に楽しくて仕方がないというのが、正直な感想です。

──そこまで言われると、逆に何かデメリットがないのかと勘ぐりたくなってしまいます。

そうですね、あえて言えば……休みがあってないようなもの、であるところでしょうか。まだベンチャー企業の段階で、自分たちが達成したい目標は決して生易しいものではないと理解しているからこそ、しっかり体調管理しながら全力でやりきってなんとしても達成したい。いい意味でプライベートに割く時間は減りました。

一方でベンチャーだからこその自由さもあって、休みたいときには休めるこの環境を心地いいとも思っています。この会社全員の給料がきちんと出るようになるまでは、がっつり自分の力を投下して、日本酒応援団を軌道に乗せたいですね。他のメンバーも同じ想いだと思います。みんな日本酒が好きで、日本酒応援団には未来があると思っているから、自分の力と時間を全力投下しているんです。

大手企業からキャリアチェンジするなら、ここを見たほうがいい

──熊野さんのように、大手企業から地域事業に挑戦したいと考えている人がうまくいくためには、どうしたら良いでしょうか?

一緒に働くメンバーが信頼できるか、そして何より仕事が好きになれるか、この2つだと思います。

たとえば日本酒応援団では、なおさんがVCを経験した中で多数の企業経営を外から見てきたことや、もともと起業準備をしっかりしていたこともあって、長期的に会社を成り立たせるための仕組みが整っています。ベンチャーって仕組みがなあなあになるところも多いのですが、日本酒応援団は社会保険等は当然として、会社の目標と個々人の目標がうまくリンクするインセンティブ制度や、財務面を含め会社がしっかり継続しながら成長していけるKPI設定、経営管理の仕組みが整っています。何よりも会社とともにメンバーも成長して、日本酒を盛り上げて、利益を還元しようという思いがある。もしこれからベンチャーにジョインしたいと思うなら、経営者を信頼できるかどうかは、自分の目で見極めてください。あとは、仕事を楽しむだけです。

私にとって日本酒応援団は、日本酒でグローバルでベンチャーで、本当にこういう会社があったらいいなと思っていた理想そのものでした。自分の好きなことを仕事にするとこんなにも楽しくて、満足感があって、成長できるのだということは、挑戦してみたからこそ理解できた感覚です。心からやりたいことを仕事にできるなんて、奇跡的な確率です。迷わず挑戦してみてください!

弊社ではメンバーも絶賛募集しています。日本酒の良さ、地域のよさ、そういったものをリアルとWebを組み合わせて日本・世界へ伝えたいと思っている方は、ぜひ一度話を聞きにきてください!

取材・文・撮影:編集部
写真提供:日本酒応援団株式会社

●日本酒応援団株式会社 会社概要

  • 所 在 地 : 東京都品川区上大崎2-5-10
  • 設  立 : 2015年7月
  • 代表取締役 : 古原忠直
  • 事業内容 : 日本酒のあるライフスタイルを、世界中に」というミッションのもと、「田植えから世界販売まで」を行う日本酒に特化したベンチャー企業。全国の酒蔵と組み、社員全員が田植えから酒造りまでの醸造サポートを行いながら、自社ブランドの日本酒を企画・販売。現在は島根、石川、大分、埼玉の4蔵で醸造し、今後全国30蔵との協業を予定している。
  • 日本酒応援団 コーポレートサイト

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