コロナショックへの対応フェーズが変わってきたことに伴い、その出口の模索が続いている。まだ全面復旧からは程遠いものの、アフターコロナ時代の地方自治体や地域事業者がどう動くべきか、考え始めている人も少なくない。その一助になればと思い、様々に語られ始めている情報をできる限り重ね、僭越ながら私達の経験値や考え方も折込みながら、自治体や地域の事業者が考えるべき課題や取るべき戦略を、できる限り考察してみた。

地域によってその特徴を生かした戦略で、ただ一つ共通していたのは、その「入口」だ。今までは、ふるさと納税を含めた「地産品」との接点と、その地域に赴くきっかけとなる「旅行」がその「入口」だった。しかし私は、今回のもう一つ大きな関係人口への「入り口」が開くのではないかと考えている。
コロナショックで最も大きな影響を受けている領域のひとつ、「観光産業」について、このコロナショックの影響と今後の課題、そして対応すべき戦略や手法を探っていこうと思う。最初に考えたいのが、比較的早く戻ってくる可能性のある国内観光客についてだ。
コロナショックの影響が特に深刻なのが、このインバウンド観光だろう。厳しい状況ではあるが、ここでくじけるわけにはいかない。末席ながらその一端に関わってきた者として、期待と希望も込めながら、アフターコロナのインバウンド観光ついて考えてみたい。
テレワークは、自治体などの役所の仕事では、なかなか導入が難しいと思われている。ところが、青森県むつ市ではなんと7割も出勤者を減らし、先進的な民間企業と同等かそれ以上の体制を目をみはるスピードでそれを成し遂げている。これはいったいどのように実現したのだろうか?
アフターコロナ時代は、明らかに「リアル」だけに依存するのは困難になるだろう。第二波、第三波という短期的な懸念ももちろんだが、この機にオンライン化を一気に加速し、競争力を高める同業他社が増えるのは目に見えているからだ。民間事業者はもちろん、地域や自治体にとっても同じことが言える。
久しぶりに宿を予約しようと思ったときに、ふと感じた事がある。それは、「このホテルのWiFiは、Web会議に耐えられる速度の回線だろうか?」ということだ。このニーズは、おそらく自分だけでなく、今後多くの出張ビジネスマンが感じることだろう。
地方の自治体や企業にとって職種を問わず多くの人材を都市部に吸い上げられ、育成の機会を作るのも難しい中、こと「IT」「デジタル」という分野ともなればなおさら深刻だ。どうしようもないと思っていた矢先のコロナショックが思わぬ方向で変化を誘発し、地方にとって人材確保の大きなチャンスが舞い込む可能性がでてきている。
今回のコロナ禍で広がった「関係人口マーケット」は、単にパイが広がったという捉え方でいいかというと、必ずしもそうではない。一般的に、新しいマーケットはそのステージの変化によって、参入する”顧客”の質も大きく変化することが知られている。そこで、それを説明する最もわかりやすい「イノベーター理論」と、それを補完する「キャズム理論」をベースに、改めてこのマーケットの質的変化にも目を向けてみよう。

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11月と12月に、ウィズ/アフターコロナに自治体が考えるべき戦略セミナーを開催します。今年5月〜7月のコロナ禍中に、当メディアで掲載した【特集】アフターコロナの地域戦略は、のべ5万人以上の方に閲覧され、多くの反響をいただきました。