「まいぷれ」を運営する株式会社フューチャーリンクネットワーク代表の石井丈晴が、「Nativ.media」を運営するネイティブ代表の倉重宜弘氏と『2021年に効く地域活性 5つの視点』をテーマにトークセッションを実施いたしました。
トークセッションの模様はYouTubeにて特別公開しておりますが、内容の一部をこちらの記事でもご紹介いたします。

■ 倉重宜弘(くらしげ よしひろ)
ネイティブ株式会社( https://www.nativ.co.jp/ )代表取締役。
1967年生まれ、愛知県出身。早稲田大学 第一文学部 社会学専修 卒業。富士総合研究所(現みずほ情報総研)を経て、2000年よりネットイヤーグループに創業期から参画。
大手企業のデジタルマーケティングや、ブランディング戦略構築等に数多く携わる。
また、新規事業開発として地域振興やブランディングを目的としたプロジェクトを多数経験。
2016年3月に地域マーケティング専門企業としてネイティブ株式会社を起業し独立。瀬戸内エリアや沖縄を中心に、地域メディア・コマース事業と関係人口創出事業を展開している。

■ 石井丈晴(いしい たけはる)
株式会社フューチャーリンクネットワーク( https://www.futurelink.co.jp/ )代表取締役。
1973年生まれ、千葉県出身。慶應義塾大学 商学部 卒業。
新卒で株式会社リクルートに入社し、人事部で活躍。社会の役に立つ事業がしたいと考え、2000年3月にFLNを起業し独立。
地域の付加価値増大を目的に、地方企業と協業しながら全国550以上の市区町村で地域情報流通事業を展開している。
事業を通じて15,000件以上の地域商店・ローカルビジネスのマーケティング支援を実行。2006年には川崎市で初めての官民協業事業を開始。
現在は地域ポイント事業・ふるさと納税事業などを中心に60以上の自治体と協業し、地場産業振興・市民参画促進・防災防犯・子育て・観光など、幅広く公共(public)の課題解決にも取り組んでいる。

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●今回は2021年の地域活性に必要な5つの視点について、お二人にお話ししていただきました。

関係人口と移住

石井(以下、石):まずはネイティブさんのど真ん中である”移住促進/関係人口創出″についてお話していきましょうか。

倉重さん(以下、倉):ありがとうございます。コロナで一番変化があったのがここですね。
これまでは“地方創生”への思いがあるなど、ある意味変わった人が地方に移住して活躍していることが多かったのですが、そのような人は規模としては3~4万人ほどという感覚でした。
このくらいの規模では大勢に影響はなく、実際に東京の人口は年15万人ほど増えていました。
ただ、コロナの影響で一時的ではありますが東京の人口が5000人減ったというデータがります。
一番の原因は毎年75000人が上京していた大学の新入生が地方から上京できていないことですが、これをきっかけに少しずつでも都会に集まりすぎていた人が地方に戻っていけば、地方創生の実現に近づくのではないかと思っています。

:“地方創生”よりも“三密回避”という文脈で地方に目を向けた人に「地方ってありだよね」と思わせることが需要ですね。
私は“関係人口創出”と“移住促進”は似て非なるものだと思っています。
前者は東京に拠点を持ちながら地方と関わりを持つという文脈。
後者は地方に“住む=拠点を持つ”ということ。コロナの影響でこっちが進むと“関係人口”という言葉が死語になる可能性もあると思っています。

:それはありますね。コロナで場所が関係なくなってきた。
実際に私たちも自治体の方々との打ち合わせはすべてオンラインになりましたし、それによって短期間でたくさんの自治体の方々とお話しすることができました。
このような状況では関わる人すべてが“関係人口”になるともいえるかもしれません。

:我々も地方への出張が減って効率的になりました。
一方で、本当に場所に意味がなくなりすぎると“地方創生”自体も一周周って意味がなくなってきてしまう。
例えば、地方に移住したけど地域に関わりはなく、仕事はリモート、買い物はAmazonや楽天…という可能性もある。
地域ポータルサイトをやっている身としては、せっかく地方に移り住んだなら地域とのかかわりを持ってほしいと思ってしまいます。

:それはそうですね。場所に行く意味がなくなることはない。
リアルで会うのと画面越しに合うのでは、まだかなり差があると思います。
地方には実際に行かないと分からない魅力がありますよね。
例えば“食べ物”です。これはオンラインでは味わえないのでこれから価値が上がっていくと思います。

:リアルとオンラインのどちらの良さも伝えることが大切になっていきますね。

少子高齢化と地方創生

:話は変わりますが、そもそもなんで日本は都心部に人が集まりすぎてしまったのでしょうか?

:そこは難しくて諸説あるのですが、私は日本の価値観が影響していると思います。
いい大学に入って、いい会社に入って…というサラリーマンとして生活を成り立たせていくということが確固たる幸せだと盲信してしまったという…

:たしかにそういう価値観だと都心部に人が集まってしまいますね。
コロナの影響でリモートワークが普及していますが、私はリモートワークで会社員が地方に行くのではなく、会社ごと地方に移転するというのも増えるといいのではと考えています。
淡路島に移転したパソナのような例がもっと出てきたり、もしくは地方での創業がふえていくという流れが出てくるといいなと。

:これまでの流れを逆流させていくことが必要ですね。
そもそも地方創生の大元は“少子高齢化”です。
「なんとか子供を増やしたい…」でも都会には人が集まりすぎているしお金もかかるから子供が増えない。逆に地方は人が少ないから子供が増えない。
だから全体的に子供が減ってしまった。
それを何とかするために人口のバランスを均等にしなければいけない。そこまで含めてなんとかしようというのが地方創生です。
これまでは社会の価値観がなかなか変わらなかったのでうまく進まなかった。
ただ、コロナの影響で局面が変わり、移住を考える人が極端に増えてきた。
この流れをうまく受け入れられる体制を自治体は準備をすべきです。そこで差が出てきます。

:うまくいく地域とそうでない地域の差はなんでしょうか。

:一概には言えないのですが、私が知っているうまくいっている地域には移住に関するコーディネーターがいます。
これがうまく作れている地域は移住者の受け入れが上手だという印象です。

:そのコーディネーターは地元にいるんですか?

:地元にいる方も多いのですが、そういったコーディネートをオンラインでやっている方々もいます。
何度も移住者を受け入れている地域は、受け入れる体制もブラッシュアップされていきますね。

シティプロモーションの変化

:これからは移住検討者の「こういう生活を送りたい」というものを、いかに自分たちの地域の魅力と併せて発信できるかがポイントになってきます。

:まさに“シティプロモーション”ですね。

:そうなんですよ。これまでのシティプロモーションは「うちの山(海)はきれいだ」というものが多く、それはもちろん魅力です。
ただ、これからは地域の物理的な魅力を発信するだけではなく、その地域で“どのような楽しみ”があるか“どのような仲間がいるのか”を発信することが重要になっていきます。

:シティプロモーション自体がコロナで大きく進化したと。

:はい。コロナの影響で人々が「どういう人生を過ごしたいか」「どういう人生が幸せか」を考える時間ができました。
もちろんそれらを移住するだけでは実現することはできません。ただ、実現した人はいるので、最近のシティプロモーションでは人を出すということが多くなってきました。
これまでの観光ちっくなプロモーションだけでは、どう自分の人生に影響を与えられているのかがわからないからです。

:もう一つのキーワードである“ふるさと納税”も地域を知ってもらう良いきっかけではあるし、地域のお金のいい流れにはなりますが、それだけで地域のシティプロモーションをすべて担えるかというとそんなことはないですよね。

:ふるさと納税は、まいぷれさんも我々も広島県内の3自治体の業務支援を行っていますが、データでみるとまだマーケットが膨らむのではないかと思います。
コロナが今後どう影響するかはわかりませんが、我々がお手伝いしているエリアだけを見ると寄付額は伸びています。まいぷれさんのエリアはどうですか?

:我々のエリアも全般的には伸びていますね。

:ふるさと納税は自治体にとっては紐付きではない自主財源の確保として、納税者としてはお得なサービスなので、これからも重要になっていくと思います。

:ふるさと納税の制度はもうなくならない、なくせないぐらいの制度になったので、ちゃんと地位金定着して、地域活性化のためにお金が回っていくような形にしていきたいです。

:ふるさと納税自体は事業者にやさしい制度なのですが、私はふるさと納税後にどうやって売れるようにするかの販路が重要だと思います。

:制度に甘んじて競争力を失ったら元も子もない。

:実際にふるさと納税がきっかけでその土地を訪れた人やリピート買いをしたひとは一定数います。
ふるさと納税をメディアとして考えるとめちゃめちゃ効果は高いので、寄付してくれた人に対してどのようなコミュニケーションをとるかなどの仕組みを整える必要がありますね。

:地域の生産者さんたちが団結して「この地域を知ってもらうんだ」という認識を合わせていけば、そこはうまく回っていくと思います。

:たしかにそれが良いのですが、そこまでやれているところはまだまだ少ないです。

:“移住”も“シティプロモーション”も“ふるさと納税”も、地域がみんなでまとまって「魅力を発信しているんだ」「新しい人を受け入れるんだ」という風に同じ方向を向いていないと厳しいですね。

:その通りです。ただ、まずは動ける人が動いちゃってもいいですし、自治体が音頭を取ってもいい気はします。

:地域の生産者さんが団結して、「この地域を良く知ってもらうんだ」というベクトル合わせをしていれば、

:それがよいけど、そこまでやれてるところがまだない。単純に寄付額だけではない。

:移住もシティプロモーションもふるさと納税も、地域がみんなでまとまって「魅力を発信しているんだ」「新しい人を受け入れるんだ」という風にみんなが同じ方向を向いている地域じゃないと厳しい

:それはそうですね。ただ、まずは動ける人が動いちゃってもいいですし、自治体が音頭を取っても良い気はします。

デジタル人材の活用

:残すキーワードが“デジタル人材”ですが、そもそもデジタル人材じゃないとリモートワーク難しいし、シティプロモーションも既にデジタルだし。

:やれる人がいないとそもそも始まらない。これまでは在京の大きな会社にお願いするしかありませんでした。
今は極端な話、どの自治体も全国から人材募集できるようになったので、早く動いたもの勝ちですね。

:地域間で人を取り合う形になるということですか?

:それもありますが、一人の人が複数地域に関わるということも出てくる。
「まいぷれ」はそれを会社としてやっていらっしゃいますが、これからは個人でやる人も出てくると思います。

:ある意味、コロナが追い風になった面もあるということですね。

:思いもよらないところから変化のきっかけがきたので、地方はうまく次のシナリオを描いていくチャンスだと思います。

:最後のキーワードの“ワーケーション”は言葉としては以前からありましたが、ここ半年でよく聞くようになりましたね。
これまでは一部の特殊な働き方の人だけができるの働き方で普及するとは思っていませんでした。
ワーケーションを例えるならプロ野球選手のキャンプのようなモノです。リラックスした環境で働くことが集中を生み、パフォーマンス向上につながっていきます。

倉重さんから見た「まいぷれ」

:倉重さんから見て「まいぷれ」は今後どのように発展していったらよいと思いますか?

:今回ご紹介した5つの観点は「まいぷれ」に近しい部分があると思います。
まずは地域で事業を作るというプラットフォームとして実績があり、それはこれからも増えていくだろうと思います。
そして、まいぷれは地域内へのプロモーションを目的としています。
ただ全国にネットワークもあるため、今後は「地域外へのプロモーション」も手掛けることができるのではないでしょうか。
また、ふるさと納税もやっていますが、まだEC機能がないということで、まいぷれならではのEC、モノの売り方が出てくるという発展の形あるのかなと。

これまで20年間この事業をやられていて、確固たる地位を築いていたということで、何でもできるんじゃないかなと思います。

:ありがとうございます。これからご一緒できることもあることも多いとおもうので、引き続きよろしくお願いします。

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トークセッションの模様はこちらで動画公開中

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