北海道は「移住したい街」として人気がある一方、気候の厳しさに加えて経済的な不安を理由に移住を断念する人もいます。

景気低迷が問題視されている北海道ですが、富良野市は基幹産業の農業と観光業が比較的安定しており、経済的には道内でも恵まれていますが…。

逆に「その2つしか仕事の選択肢が無い」という偏見ともいうべき先入観も少なくありません。

(参考:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/toukei/R1_irikomi_honbun.pdf

筆者自身も「富良野に引っ越す」と周囲に言っただけで「あ、農業やるんだ!」「冬はホテルで働くの?」など。

「それ以外にも仕事はあるわぃ!」と周囲への説明に一苦労した経験があります。

年々変わる富良野移住のスタイル

新たな移住スタイルを実践している大曽根氏

実は富良野への移住スタイルは年々変化しています。
確かに就農目的で移住する人が多かった時期もありますが、それも昔の話。

今ではホテル等の観光業のみならず、飲食やサービス業、資格や経験を活かして介護業界や設備関連の会社で働く人など様々です。

そして、最近増えている移住動機が「より快適な環境で生活をしたいから」というもの。

定年退職後の世代だけでなく、30代~40代にも自分たちの生活をより充実させるために移住を考える動きがあります。

今回は、全国の自治体や企業向けに様々な支援業務を行っている大曽根氏に「富良野で生活をする可能性」について参考意見を頂いてきました。

(ちなみに大曽根氏も本州からの移住者です)

その中で大曽根氏は「富良野に生活の拠点を置き、リモートで対応可能な仕事や富良野から全国に赴く」という新しいスタイルの提案をしていました。

新しい富良野での働き方と暮らし方

富良野もIT化が進み、アイディア次第で色々な働き方ができるようになってきています。

具体例として「コンサルタントやクリエイターなど、個人事業として全国各地の仕事を請け負い、リモートでの業務や富良野から現地に赴く」というスタイルがあります。

他にも富良野に商品の生産拠点を置き、全国通販で展開していく方法など。

最近では、富良野の四季を映像に収め動画制作を行う会社を立ち上げた人も現れました。

確かに今までは、富良野に移住する=富良野の中で働く…という考えが当たり前でした。

しかし、働き方と暮らし方の視点を変えることで、快適な生活環境と自分らしい働き方を両立しやすくなってきたと言えます。

富良野は農作物のみならず肉類や乳製品の生産地なので、食べ物が新鮮で美味しいのは当然の話。

人口密度も低いため自然とソーシャルディスタンスを保てます。

旭川~富良野~帯広のエリアは「フラワーロード」と呼ばれ、夏には色とりどりの花を楽しむことができます(興味がない人でも思わず綺麗だな…と思うほど)

さらに同エリアは冬になると「パウダーベルト」と呼ばれ、極上のパウダースノーと天国のように美しい場所として、世界中から多くのスキーヤーやスノーボーダーが訪れます。(ダイヤモンドダストやサンピラーなどの感動的な風景も見ることができます)

豊かな自然以外に、地価が安い事も生涯支出の観点から注目してもいいでしょう。

無理に都市部で生活するよりも様々な面でメリットがあると実感している人もいます。

加速する次世代に向けた整備事業

富良野市全域に光回線の整備が決定。農村地区や山麓部でも快適なネット環境になります。

富良野市全域に光回線の整備が決定。農村地区や山麓部でも快適なネット環境になります。
富良野市は光回線整備が進んでいない地域があり、5Gが標準化する現代社会において「未だADSL」と嘆いていた時期もありました。

しかし、令和4年度中を目処に市内全地域(農村地も含む)に光回線が整備されることが決定。

雑な言い方ですが「ド田舎に住んでいてもパソコンさえあれば都市部と同じレベルで仕事ができる環境」が整うことになりました。

当然、同じ仕事をしていても家や事務所の家賃が低く抑えられ、時間の使い方も変わってきます。

北海道で暮らす事で移動距離や時間の負担を心配する人もいますが、実はこれも大きな負担にはなりません。

富良野は旭川・帯広・新千歳の各空港へ信号が少なく、直線に近い快適な道路を1~2時間でアクセスできる立地。

むしろ、富良野から各空港までの移動時間を「快適なドライブの時間」として楽しむ事も可能です。

大曽根氏も移り変わる北海道の四季を楽しみながら、束の間の移動時間を楽しんでいるそうです。

富良野の生活を満喫する方法はアイディア次第で無限に広がっており、それをサポートする環境も着々と整っています。

出典:富良野市移住サイト「リビングフラノ」
https://furano-iju.com/