ずっと昔から田村市に鎮座している『大鏑矢神社』。平安時代の武将 坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)にまつわる伝承が多く残る、歴史ある神社です。

田村市船引町の中心地に位置し、「大鏑矢ふれあい公園」の中にあるため、人々の憩いの場であるとともに、お宮参りや七五三といった人生の節目には多くの田村市民や周辺地域の人々がお世話になる、地元に愛されたお宮さんです。

そんな大鏑矢神社について、宮司の桑島幸永さんにお話しを伺いました。



Q.大鏑矢神社の始まりは、いつ頃ですか?

1200年以上も前のことなので定かではありません。延暦20年(西暦801年)、征夷大将軍 坂上田村麻呂が朝廷からの命を受け、この地方に賊徒平定に訪れました。その際、坂上田村麻呂が放った矢がこの地に落ちたことから、こちらにお社を建て、戦勝祈願を行いました。以降、坂上田村麻呂はこの地を従者に護らせたと、当地では伝わっています。

 

Q. どのような神様をお祭りしているのですが?

大鏑矢神社の名前が表す通り、大鏑矢神(おおかぶらやのかみ)が主なご神体です。他にも、高皇産霊神(たかみむすびのかみ)、坂之上田村麿命(さかのうえたむらまろのみこと)などをお祭りしています。

ご利益としては、縁結び、安産、良縁、厄除け、交通安全、万事成就、産業の発展などがあります。結びの神様がいらっしゃるということで、最近では「縁結び」のご利益を受けるために訪れる方が増えていると聞きます。

 

Q. 見どころその1.「大鏑矢神社夫婦獅子舞祭」について教えてください!

「大鏑矢神社夫婦獅子舞祭」は、田村市の指定民族文化財にもなっている特殊神事です。二頭の獅子が仲睦まじく舞う様子が見られます。
この獅子舞には謂れがありまして、大同2年(西暦807年)、神社の北2キロの丘陵に、突如牡獅子、雌獅子の2頭が天より降り立ちました。地元の人々が持ち上げようとするも誰もできずにいたところ、大鏑矢神社の神官が動かしてみると、楽々と持ち上げることができたそうです。そのため、2頭の獅子はそのまま大鏑矢神社に遷され、夫婦獅子舞として奉納されるようになりました。

今でも毎年正月の1月3日には、神社で舞を奉納後、二頭の獅子が町内を歩いて回ります。二頭が寄り添い、頭を小刻みに振りながら円満で仲睦まじい夫婦愛を表しているこの舞は、氏子(うじこ)の悪気払いと、その年の五穀豊穣、そして繁栄への願いがこめられています。
(2023年は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、神社での奉納舞のみ行われる予定)

ご提供:大鏑矢神社

 

Q. 見どころその2.「茅輪神事(ちのわしんじ)」について教えてください!

通称「茅輪くぐり」と呼ばれています。主に茅(かや)で作られた背丈以上ある大きな輪っかをくぐり越え、罪穢れを除くとともに、心身の健康を祈願します。大鏑矢神社では、毎年6月中旬から7月中旬にかけて境内に茅輪が置かれます。

ご提供:大鏑矢神社氏子青年会

くぐり方には決まりがあり、古歌を唱えながら、茅輪を左回り→右回り→左回りに歩き、最後は直進します。

【古歌】
・みな月(づき)の なごしの祓(はらへ) する人は 千年(ちとせ)の命(いのち) のぶというなり。
・思う事 みなつきねとて 麻(あさ)の葉を きりにきりても 祓(はら)ひつるかな。
・蘇民将来。蘇民将来。

夏の暑さが本格化するこの季節、普段の体調祈願としてぜひやってみてください。

Q. 見どころその3.「春祭り」「秋祭り」「正月」の3大祭りについて教えてください!

そもそも大鏑矢神社は祭りが多く、月に一度は祭事が行われています。殊に豊作を祈願する「春祭り」、実りの感謝を伝える「秋祭り」、年初めの祈祷を行う「正月」は、地域に開かれ、多くの人が訪れます。

特に秋祭りは盛大で、町に神輿(みこし)が繰り出します。神社の神輿に加え、各地区の若連衆(地域の若者)による神輿と子ども神輿が行列を作り、渡御します。

ご提供:大鏑矢神社氏子青年会

Q, 大鏑矢神社は、これからどのような場所になってほしいと思いますか?

50年ほど前までは、大鏑矢神社のあるこの場所の周囲には、畑と田んぼしかありませんでした。この数十年で急激に発展し、家々が立ち並び、生活に便利な場所となりました。うれしい変化ではありますが、町の人が自然に触れる機会は減ってしまったように思います。

大鏑矢神社には、自然が残っています。忙しい日常に疲れた時、空を見上げ、ホッと一息つける場所、地域の人たちにとって、大鏑矢神社は常にそのような場所であってほしいと願っています。春には桜や水芭蕉、夏は菖蒲、秋は紅葉、冬はうっすら雪景色。ゆったりとした時間が流れるこの場所で、訪れる人たちに四季を楽しんでいただければと思います。

ご提供:大鏑矢神社氏子青年会

はるか昔から人々の暮らしを見守り続けてきた大鏑矢神社。きっとその姿はこれからも変わることはありません。田村市に来た際には、ぜひお散歩がてら、大鏑矢神社にお参りしてみてください。

 

大鏑矢神社についてのお問合せ

大鏑矢神社

住所:福島県田村市船引町東部台6丁目1番地
電話番号:0247‐82‐0817
駐車場:あり(大鏑矢ふれあい公園駐車場)

移住に関するお問合せ

たむら移住相談室

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メール:contact@tamura-ijyu.jp
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