和歌山県が、2018年4月から企画している起業・就農、就労の体験プログラムが

「わかやま しごと・暮らし体験」です。

利用者が希望する事業者のもとで「しごと」を体験しながら、

周辺地域の先輩移住者や地域住民の方との交流を通じて「くらし」の体験を行い、

移住後の生活をイメージすることができます。体験費は無料です。その“体験先”をご紹介します。

Cafe&Guest House きみの さいか亭

住所:和歌山県海草郡紀美野町下佐々1797
事業内容:宿泊施設の運営等

 

和歌山県の北部に位置する紀美野町は、大阪から1時間半ほどでアクセスできる場所にありながら、空・山・川に囲まれ、満点の星空が自慢の町です。その魅力に惹かれ、全国から移住者が集まり、シェアハウス、絵本作家、行列のできる人気のカフェなど多様なコミュニティが築かれているのも特徴です。

そんな紀美野町に移住し7年目を迎えるのが、さいか亭を営む水島千絵(ゆきえ)さんです。2016年に地域おこし協力隊として、東京から移住し、同町小川地区の活性化を目指し直売所の運営などに携わった後、2020年7月に、和カフェ「きみの さいか亭」をオープン。

毎週月曜限定でのお弁当販売や、週末のカフェ営業を行う他、地域の方々の要望に応じて居酒屋営業を行ったり、会議用のお弁当を準備したりと、活動の幅を広げています。

そして、2023年1月には念願だったゲストハウスの営業もスタート。カフェのすぐ近くにある2階建て住居を改装し、1棟貸のスタイルで出張や観光などで訪れた人々を迎えています。

今回体験できる内容

この体験ではお弁当の仕込みのほか、カフェで提供する和菓子や、ゲストハウスの清掃・管理業務など、その時々の状況に応じて、水島さんと一緒にお仕事をお手伝いしていただきます。
また、タイミングによっては居酒屋営業時の料理の準備や、配膳などをお願いすることがあるかもしれません。

もともと、水島さんはお弁当の販売は考えていなかったそうですが、町の集会や選挙、イベント等、人が集まる場にはお弁当が求められる一方で、町には「お弁当屋さん」が無かったため、町の人達のリクエストに応じて、水島さんが準備をするようになりました。

「お弁当づくりは忙しいですが、カフェはのんびりやっているので『カフェがやりたい!』という人よりは、料理や宿泊の仕事をしてみたいという方には良い体験かも知れません」と水島さんは話します。

移住のきっかけ

紀美野町への移住前は、東京を中心に関東圏で30年近く生活を送っていた水島さん。飲食業や音楽業など3つの仕事を掛け持ちし精力的に活動していましたが、40代になり「10年後この働き方は無理だ…」と少しずつ自身の老後について考えるようになったそうです。

「単身でこのまま年を重ねていったときに、長く続けられる仕事にキャリアチェンジしたいなと。それから、得意なことや自分のペースで働ける環境などを総合的に考えて、ゲストハウスの運営をしたいと思ったんです」

当初は東京での開業を考えていましたが、規制や資金などの面からハードルが高くて断念。そんななか、候補先の一つとして浮かんだのが、知人が居た「紀美野町」でした。

当初は地域おこし協力隊のことは知りませんでしたが、自治体との繋がりによって、資金面に関することや、地域の仕事について色々学べるかもしれないと、入隊を決意しました。

そして、「この活動が今に活きている」と、水島さんは振り返ります。3年の活動を通して、地元の人と繋がりを持つことができ、カフェやお弁当販売など、当初は予定になかった仕事をするきっかけを得られたからです。

移住するためには「柔軟性も必要」と話す水島さん。移住に興味はあるけれど、実際のところはどうなのか知りたい方や不安に思うことがある方にとって、話を伺ってみるにはぴったりの“先輩”です。この体験を通して、地域の仕事と暮らしを柔軟に作るためのコツに触れてみてください。


体験スケジュール

1日目(13:00~17:00)
1.ごあいさつ、やりたいことや目的の確認
2.さいか亭の説明
・施設に関する説明
3.仕事体験
・お弁当の仕込みなどのお手伝い

2日目(9:00~17:00)
1.ごあいさつ、やりたいことや目的の確認
2.仕事体験
・お弁当の仕込みなどのお手伝い
・和菓子の仕込み(木曜・金曜)
・カフェのお手伝い(土曜・日曜)

3日目(9:00~15:00)
1.仕事体験
・お弁当の仕込みなどのお手伝い
2.最後のまとめ
・体験の感想、質疑応答

補足事項

最少催行人数:1名
宿泊場所:さいか亭
集合場所:さいか亭 ※バスで訪問可能

体験経費

参加費:無料
宿泊費:5,000円/泊まで補助あり
※初回の体験のみ適用
食費:実費負担
交通費(自宅~集合場所):実費負担