南の島が好きな方は多いと思いますが、国外に出るのは難しい状況。でも国内でも南の島が多くあります。今回は鹿児島県の奄美群島、特に奄美大島を中心に、冬の島暮らしワーケーションをご紹介します。

奄美群島へ行くなら飛行機で奄美大島へ

奄美群島は鹿児島県の南部、位置的には鹿児島と沖縄の間にあります。5つの島から成り、一番大きくアクセスが良いのが奄美大島です。奄美大島へのルートは、昔は船のみでしたが今ではJALを始めとして飛行機が毎日1便以上あり、関空から約2時間、東京からは約2時間半で到着することができます。奄美大島以外の島に行く際も、飛行機で奄美大島へ向かい、フェリーに乗り換えるのがオススメです。

奄美群島が冬に最適な理由

冬のワーケーションに適している理由は次の3つです。
・最低気温が10℃を下回らない
1月~2月の日中の最高気温の平均は15℃~20℃ですが、本州が寒いときは奄美群島も冷え込みます。それでも、最低気温が10℃以下にならないのは驚きです。本州の春か秋のような気温のため、基本的に長袖とはおりもの程度で過ごせます。島に暮らして2年以上になると、この気温でも寒く感じるようですが、本州の人がワーケーションで生活するには十分暖かく感じるでしょう。

・とにかく星空が綺麗
冬は空気が澄んでいます。また、市街地以外はほとんど街灯がないので星がよく見え、夜の運転はハイビームでないと先が見えない程です。奄美群島の天気は変わりやすく、曇っていても急に晴れたり、逆に晴れていても急に雨が降ったりしますが、そのおかげで基本的に毎日星空が見れます。

・クジラや桜を見ることができる
奄美の冬ならではの風物詩として知られているのが、クジラと桜です。クジラは海に出なくても島から見ることができます。この時期は親クジラが子どもに泳ぎを教えながらゆっくりしたスピードで進むため、海面に息継ぎに現れる確率も高く、見晴らしの良い場所ではよく見かけるそうです。近年は、ホエールウォッチングならぬホエールスイム(クジラと一緒に泳ぐ)が注目されていますが、日本でホエールスイムができるのは奄美群島と沖縄だけです。
桜は寒緋桜と呼ばれる濃いピンクの桜で、ソメイヨシノとは違う種類です。1月下旬ごろから2月上旬にかけて咲き、満開になります。冬の桜と聞くだけではなかなかイメージが湧かないと思いますが、とても不思議な気分を味わえます。

それ以外にも、奄美群島のワーケーションの良さとして、

・島文化を味わえる(食文化、手仕事、音楽などなど)
・植生が豊か(動物も植物も珍しい)
・PayPayの普及率が高い(現金を持ち歩かなくてよい)

ということも挙げられます。

ワーケーションにオススメの宿

奄美ロングビーチ
空港まで送迎もしてくれる、島出身の人のよいオーナーが経営する宿です。共有キッチンがあるので、宿泊している人や地域の人との交流もできます。宿から徒歩30秒でビーチに出ることができ、部屋からも海が見えます。Wi-Fi速度も問題なく、個室なので、島の良さを感じながら快適に仕事をすることができます。Golden Mile Hostel
奄美大島の中心街である名瀬にある、旅人が集まる宿です。すぐ横に郵便局があり、歩いていける距離にコンビニなども揃っています。部屋は個室とドミトリーがあり、女性専用のトイレとお風呂があります。1階が共有スペースになっており、マンガと本が大量にあるので息抜きも可能。また、屋上に陽が当たって暖かいので、そこでの作業もオススメです。

絶景ワークプレイス

みしょらんカフェ
あやまる岬にあるカフェ。はWi-Fiと電源があり、220℃海に囲まれた絶景のなかで仕事ができるカフェです。店には奄美群島各島々の温もりあるおみやげ品が置いてあります。また、ここでしか味わえない黒糖ラテが絶品です。運がよければここでクジラが見えることもあるそうです。営業時間は9:00-17:00。

車を借りたらお気に入りの景色の場所で

奄美大島には島のあちこちに景色のよい場所があり、大抵の場合、そこに屋根付きのテーブルベンチがあり、観光名所となっている場所であればトイレもあります。車を借りるなど移動手段がある場合は、自分のお気に入りの場所を見つけてそこで作業することも可能です。

様々なキャンペーンの活用

ハレ、ときどき島暮らし
奄美大島は企業誘致のためにワーケーションキャンペーンを開催しており、2020年度は法人格を有する団体に1泊5,000円の宿泊費の補助や航空運賃の一部補助が行われています。ワーケーションは最大15泊まで補助があり、島暮らしを体験するのに十分な期間です。
島暮らしの魅力を体験できるモニターツアーもあり、実際に参加された方は仕事をする暇がないほど充実していたと話していました。
詳細はこちら:https://amamiworkation.com/

他にも、奄美群島にある徳之島では一部の地域で宿泊応援キャンペーンを行っており、1泊5,000円(1回3泊まで)の地域商品券が配布されていました。実際に利用してみたのですが、町のことを知るきっかけになり、地域に人とも関りが持てるよい制度だと感じました。
詳細はこちら:
https://www.town.isen.kagoshima.jp/kankyo/kanko-bunka/taisocoupon.html
https://www.town.amagi.lg.jp/docs/1242.html

かごしまらくめぐり
島での移動手段に車があると快適ですが、鹿児島県が行っているキャンペーンを利用すれば5,000円の割引を受けることができます。短期間であればガソリン代のみで利用できます。
https://kg-rakumegu.com/

奄美群島をアイランドホッピング

奄美大島の周りには、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島という4つの島があります。現在は「奄美群島間割引」があり、各島へフェリーを利用すると800円の割引を受けることができます。もっとも近いのは喜界島で、奄美大島から2時間で到着します。
この4つの島以外にも小さな島があり、気軽に訪れることができます。
それぞれの島の大きさも景色も文化も少しずつ異なっているので、奄美大島に滞在中に他の島々も散歩して、違いを楽しんでみてください。

参考までに、私が訪れた島を簡単に紹介します。

島時間を体感するなら、加計呂麻島
奄美大島から20分で到着する島です。1日3便あるので日帰りもできます。島は全周100㎞あり、起伏が激しいのでバイクか車を借りてまわることをオススメします。昔ながらの集落が残っているのと、廃校を利用した「手しごと工房」が印象的でした。見どころ満点、徳之島
奄美大島から約3時間半の場所に位置する、奄美群島の中で2番目に大きな島です。島のどこからでもまるで展望台から見ているかのような海を見ることができ、親切な島の人たちが色んなことを教えてくれます。じゃがいもと黒糖が特産で、2月~3月がピークの忙しさでしたが、採れたてのじゃがいも、作りたての黒糖をいただけました。知れば知るほど面白い、沖永良部島
徳之島からさらに2時間ほど沖縄方面に向かうると、沖永良部島です。徳之島よりもさらに小さな島ですが、島全体が石灰岩でできており、奄美群島の中では異質な植生や自然風景を見ることができます。

ちょうどいいサイズ感の楽園、与論島

おそらく名前を聞いたことがある人が多いでしょう。奄美大島と並んで観光地化が早かった島で、宿も多数あります。とにかく海の透明度が高く、砂浜が美しいです。島の人がビーチクリーンを行っているのかゴミもほとんどありません。冬よりも夏の方が海の青さが増すらしいのですが、冬でもその美しさに心打たれました。自転車で気ままに一周するのがオススメです。

おわりに

奄美群島にはまだまだ知られていない魅力がたくさんあります。天候に左右されやすい島暮らしですが、滞在すればするほど地域との関係性ができて、他では味わえない体験になります。いつもと少し違う場所で働いてみたい方は、機会があればぜひ一度訪れてみてください。