大阪府➧東京都➧田村市都路町

株式会社ホップジャパン 広報担当

河本 凪紗さん


 

大阪府出身。大分県にある立命館アジア太平洋大学を卒業。在学中にアフリカのウガンダ、福島県田村市でのインターンを経験。卒業後は東京のIT会社に就職したが、久々に訪れた田村市都路町にあるクラフトビール醸造所でのイベントがきっかけとなり、醸造所を運営する株式会社ホップジャパンに入社。様々な仕事をこなす一方、広報担当として多くの人に「会社のビジョンがブランディングされたこだわりのクラフトビールを知ってもらう」ため、日々奮闘中。

 

第一印象は『すっげぇ!なんだここ!!』インターン先がまさかの就職先に

大学では環境社会学を専攻していた河本さん。在学中には1年間休学し、最初の半年間はワーキングホリデーでオーストラリアに滞在。後半はアフリカのウガンダにある日系企業「サラヤ株式会社」(アルコール消毒液など衛生、環境、健康に関わる革新的な商品、サービスを提供する会社)のウガンダ支社で、数週間のインターンを経験した。

さらに在学中に取り組んだもう一つのインターン。それが福島県田村市にあるクラフトビール醸造所「株式会社ホップジャパン」での活動だ。元々クラフトビールが好きだったこと、東北にはそれまで行ったことがなく、行ってみたい(東日本大震災後の現状を自分の目で見てみたい)と思っていたこともあり、大学で募集を見つけすぐに応募した。

「初めてホップジャパンのある都路町に来たときは、『すっげぇ!なんだここ!!』と思いました。土地が広くて空気はおいしくて星がきれい。今まで出会ったことのない場所だなーと思いました」

数か月後に予定しているイベントに向け、ポップ制作や施設の片づけなどを行いながら、無難にインターンを終えた。「その頃には都路町のことも少しわかってきていたので、とても地域のつながりが強い場所だなと思うようになっていました。でも、まさか自分が将来ここで働くことになるとは、この時は思ってもいなかったです」

ホップジャパンへの再訪で訪れた人生の転換期

大学卒業後は東京のIT企業で働いた。充実した毎日を送っていた河本さんだが、あまりのハードワークにある時体調を崩してしまった。楽しい仕事ではあるが、体がついていかない。河本さんは転職を考えるようになった。

ちょうどその頃、都路町を再訪する機会に恵まれた。久々に訪れたホップジャパンは以前とは全く異なり、クラフトビールブルワリーが新たにオープンし、キャンプ場も整備され、スタッフも増えて活気が出ていた。その変わり様には河本さん自身、とても驚いた。何よりうれしかったのは、ホップジャパンのスタッフはもちろん、地域の人たちが1年前にインターンに来た河本さんのことをよく覚えていてくれたことだ。地域のつながりの強さや、温かさを改めて感じた瞬間だった。

「ホップジャパンの発展ぶり、頑張っている社員とそれを応援してくれるたくさんの人、そして改めて話して知った代表の本間さんのビジョン(循環型社会)がとても魅力的で、引きこまれたんですよね。こんな職場もいいかもな、とその時初めて思いました」

一度は東京に戻った河本さんだが、その後の動きは速かった。ホップジャパンのスタッフに就職の相談をしたところ、すぐに河本さんを雇用できないかと検討を始め、社員として働けるよう取り計らってくれた。

1か月後、河本さんはホップジャパンのスタッフとして、田村市都路町にいた。

ドタバタ移住。まじか!の連発

ホップジャパンでの就職決定から実際に移住して働き始めるまで1か月しかなかった。

「もうどうしよう!ですよね。まず家。家はホップジャパンで持っていた社宅(一軒家)を借りられることに。ハイ、解決。次、車。車は兄が車関係の仕事に就いていたので、そこから調達。ハイ、解決。次、当面の生活費…はどうしようもないから貯金を切り崩す。ハイ、OK。とりあえず引っ越し。って感じでした(笑)」

今から思えばあまりに準備不足だったと笑う河本さん。「それでも移住できましたね。ただすっごい不安だったけど、来てみたらなんとかなる。『なんとかさせる』という本能が働くんでしょうね」

ただ準備不足、情報不足だったばっかりに苦労したことも多々…。例えば買い物。車社会なので家の近くにはスーパーがなく、最初の頃はちょっとした買い物にも困ったとか。スタバ(スターバックス/コーヒーショップ)に行きたい!と思っても中核都市の郡山市まで行かないといけない…という現実も。ただ、最近は慣れて郡山市までのドライブ時間が段々と短く感じてきたそう。

もう1つの大きな問題は家。ホップジャパンの社宅は元々夏の別荘地として建てられており、冬仕様にはなっていなかった。つまり、冬がものすごく寒い!!都路町は持続した降雪期間は長くないとはいえ、寒いことに変わりはない。「外にいるときと家の中で同じ服装をしていましたね。『寒さは人をこんなに苦しめるんだ』とその時初めて痛感しました」おまけに住み始めた当初はスマートフォンの電波も届かなかった。

「なんだかウガンダでの生活を思い出して、結局自分はこういう運命なのかなぁと思いました(笑)」

会社から求められる役割と自分の担当業務の狭間で悩むことも

現在ホップジャパンでは広報担当として働いている。しかし、実際に手掛ける仕事としては、ロッジやキャンプ場の清掃・受付、お客様対応、物品の買い出し、営業(イベント出店、取引先とのやり取り)、広報(メディア対応、SNSでの発信)、配送業務、時には畑仕事や草刈りなど、広範囲に及ぶ。小さな会社のため、職員同士でサポートし合うためにも全員が自分以外の仕事も把握しておく必要があるのだ。

「最初の頃は、特に夏の繁忙期でマンパワーが求められました。どの仕事も楽しいんですが、会社から求められる動きと、自分の広報担当として期待に応えたい!という想いの狭間で悩むこともありましたね。」
それでもやっぱり「現場」の仕事は楽しいと河本さんは話す。

「イベント出店は特に好きです。お客さんと話をするのも楽しいし、ただビールを売るのではなく、会社のビジョンをブランディングして、ビールにその価値を上乗せして伝える(売る)というのも楽しいです。イベントがきっかけでブルワリーまで足を運んでくれるお客様もいるんです」

9月にはあぶくま地域で初となるオクトーバーフェスト「あぶくまオクトーバーフェスト2022」が開催された。このイベントを担当したのが河本さんだ。「近隣地域も含めて、あぶくま地域には若い人や変わった商品を販売しているお店、酒造メーカーなど、頑張っている人や企業がたくさんあります。来年、再来年のオクトーバーフェストは実行委員会形式にして、今年の出展者を始め、そういった人たちに声をかけて今後も一緒に盛り上げていきたいなと思っています。このイベントにかける自分の想いは熱いです!」

今ここでベストだと思うことを一生懸命やっていたい

ホップジャパンに就職して、河本さんの趣味は増えた。ホップジャパンに来て初めて知ったというディスクゴルフは、フライングディスク(フリスビーのようなもの)をネット状のゴールに入れるまでの投数を競う競技。ホップジャパンのスタッフは全員好きな競技で、仕事中でも誰か1人が「ディスクゴルフするか」と言えば、全員がぞろぞろと外にあるディスクゴルフのコースに向かう。「運動が得意なわけでもない私でも、すっごく楽しめる競技なんです」

ディスクゴルフ イメージ

他にも休みの日には郡山に行ったり、観光でいわき市や、足を延ばして山形県などに行くこともあるという河本さん。田村市を起点とした暮らしをマイペースに楽しんでいるようだ。

「ホップジャパンでの仕事を通して、自分はすごく強くなったと思います。これまで自分の周りの大人が示してくれたように、将来は自分の様々な経験を下の世代に伝えていきたいと思っています。そのためにも、これからどんな人生を歩むとしても、その時ベストだと思うことを一生懸命やっていたいなと思います」

移住を悩んでいる人へのアドバイス

「自分の場合はあまりに準備不足、情報不足な状態で、それまでとは全く違う環境へと移住しました。それでも意外と何とかなりました。ただ、自分の環境をガラッと変えたいという人ならいいですが、あまり環境が変わるとストレスに感じる人は、無理せず、ここでなら生活できそうという場所を選んでもいいと思います。環境を少しずつ変えながら、徐々に自分に合った移住を進めると、私ほど不安なく移住できるのではないかなと思います」

今後はブルワリーのリピーター向けにスタッフとの距離が近いイベントや、応援してくれる人やホップジャパンのファン向けのサービスなんかも充実させていきたいと口にする河本さん。ホップジャパンの、そして田村市の若手キーパーソンとして、これからの活躍が期待されています。

移住に関するお問合せ

たむら移住相談室

電話 :050-5526-4583
メール:contact@tamura-ijyu.jp
URL  :https://tamura-ijyu.jp/
※たむら移住相談室は株式会社ジェイアール東日本企画と(一社)Switchが共同で運営しております

 

関連記事はこちら↓