仲間が増えたら、仕事は5倍速になって、ストレスは1/5になった

──資金調達して、一番良かったことはなんでしたか?

間違いなく、「仲間が増えた」これにつきます。取締役として山本と橋本という2名をメンバーに迎えることができました。これまでずっとオマツリジャパンのサポーターとして手伝ってくれていた超優秀な2人がジョインしてくれたことで、できる仕事量は5倍になりましたし、辛さは1/5になって、まさしく今この瞬間が第二創業期だ、と思っています。

山本は立命館大学を出てNTT東日本で新規事業や事業計画策定に携わった経験を持ち、橋本は京大を卒業後一貫してメディア系の企画・イベントを担ってきた、ふたりとも超優秀なすごいメンバーです。特に役割分担できたことが、本当に大きなインパクトでした。私と山本が営業よりで、イベント企画から盛り上げ役までなんでもやる。一方で橋本はWeb周りや資料作りなどを担当するイメージです。ひとりで全部やっていたときと比べて、お互いに得意なことを任せ合い、不得意なことはお願いすることで、ストレスがなくなって、オマツリジャパンの仕事に本当に集中できるようになりました。何よりも、仕事が格段に楽しくなった。

創業当時の自分に何かアドバイスするなら、間違いなく「1人でやるのはやめた方がいい」と伝えたいですね。もちろん、これから何か挑戦をしようとしている全員に当てはまることではないと思いますが、お互いの強み弱みを補完し合えるパートナーがいたほうが、ビジネスが何倍にも加速して、一気に道が開けます。

──最後に、加藤さんが大好きな「お祭り」のビジネスの魅力について教えてください。

インタビュー後、編集部スタッフ、オマツリジャパンのサポーターと一緒に東京・青山で開催された郡上踊りに参戦。

お祭りって、1杯500、600円のビールが飛ぶように売れてくんですよ、コンビニで買えば200円くらいのビールなのに、みんな何倍もの値段で買って、しかも幸せそうに飲む。こんなポジティブな消費ってなかなかないんじゃないでしょうか。お金があるところには、人が集まって、地域が元気になる。それなら本気で全国のお祭りを盛り上げれば、めぐりめぐって日本を元気にできるのではないか。気づいた瞬間はぼんやりとしたアイデアでしたが、いろいろな人に話していくうちに、どんどん確信に変わっていきました。

お祭りビジネスは、すごくポジティブで、すごく可能性がある。これまで1人でやってきた2年間を越えて、メンバーも3倍に増え、新規事業も仕込んでいます。大好きなお祭りを盛り上げていくことで、全国30万件以上あるお祭りのすべてを元気にしたいし、そのためにできること全部をやっていきたいですね。

夕暮れ時、生演奏の唄と囃子を背景に、最高潮を迎える郡上踊り。

夕暮れ時、生演奏の唄と囃子を背景に、最高潮を迎える郡上踊り。

大学卒業から会社員時代を経て、起業。資金調達し、新規事業を開発。お祭りという身近なテーマを選びながらも、着実にステップを重ね、自分の思いと事業の継続性を両立させるビジネスづくりに取り組んできた加藤さんは、身近なロールモデルとして学ぶところも多いのではないでしょうか。

「できることなら、24時間でもお祭りのことを考えていたい」という加藤さんと取材後に一緒に行ったお祭りは、青山とは思えない最高の盛り上がりを見せ、改めて祭りの持つポジティブなパワーに圧倒されたのでした。

取材・文・撮影:編集部

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