YouTubeは、SNS界の真の”破壊者”かもしれない。

ここまで、YouTubeが、次のSNSを席巻する理由を5つ整理して述べてきました。さらにダメ押しになる「ヤバイ」ことがあります。ここまで読んですでに察していらっしゃる方も多いかもしれませんが、YouTubeは、一言で言うと、いままでのSNSよりも、直接的に一つの「業界」を直接的に破壊する可能性があります。それは、正に「テレビ業界」です。これまでのSNS、すなわちFacebookやTwitterなども、広告業界にはかなりのインパクトでした。とくにネット広告業界には、個人情報の囲い込み度合いとAIの進化も合わせて、その影響度は絶大です。つまり膨大な”行動情報”を利用した「狙い撃ち」の精度が半端なくいいので、他では太刀打ちできないのです。一方でこれらのSNSは、いわゆるC2Cマーケットという今までにない市場を広げている面も大きく、個人の余暇の時間の奪い合いという意味では雑誌やテレビなどを間接的に「喰っている」部分もありましたが、同時に「共存する」側面があったのも事実です。どちらかといえばユーザー同志をつなげる「横」の価値が強いのがその理由だと考えられます。

ところが、YouTubeは、同じ「無料の映像(動画)視聴」という市場で、テレビ産業を真正面から食ってしまう、非常に「タチの悪い」ド競合なのです。しかも、コンテンツメーカーが「稼げる」という側面がそれに拍車をかけてます。前述のように、タレントや才能のある人々、更には大手の芸能事務所までが、こぞって「移籍」し始めているからです。これはYouTubeが、個人をつなぐ「横」の価値よりも、発信者と受信者をつなぐ「縦」の価値のほうが強いという性質からくるものだと考えられます。

そもそも視聴者離れが続き、根本的な解決が見いだせないでいるテレビ業界は、更に厳しい曲面に立つと言わざるを得ないでしょう。このことは、一つの業界の危機という側面だけにとどまりません。新聞から、雑誌、ラジオ、テレビと、社会の共通概念を作り出してきた情報インフラを根本的に変え、社会構造そのものを大きく変化させる可能性すらあるのです。

そして地域への影響は…

非常に長くなりましたが、後から振り返れば、大きな転機になるだろう、このタイミングに、このテーマで書いておくのは意味があるだろうと思い、乱筆になるのも承知で書いてみました。最後に、「これって地方創生とか関係人口に関係あるの?」と思われた方もいるかと思うので、その点にも触れておきましょう。

結論から言うと、非常に影響が大きいと思います。しかもどちらかというとメリットが大きいのではと考えています。

まず分かりやすい部分から触れると、観光や食などの情報発信が、よりやりやすく、しかも効果的になる可能性が高いのが一点。
我々も、各地の観光メディアの構築・運用に携わってきました。そのメインは写真と文字の静的なものでしたが、これが早晩、やはり動画中心に移行していくはずです。はじめは、そのノウハウ含めて試行錯誤が続くはずですが、一旦そのコツさえ掴めれば、その効果は今までの比では無いはずです。ある意味当然といえば当然で、美しい景色、楽しい体験、美味しそうな食べ物は、動画のほうが圧倒的に伝わるからです。しかも極端に言えば、「翻訳」がそれほど重要ではなくなる部分もでてくるはずです。今までも地方のPRを動画でというのは話題にもなりました。あのようなお金をかければいいというわけではないのですが、もっとミクロな単位での動画訴求が、地方の魅力を発信する大きな力になるのは想像に難くありません。

もう一つは、「地方で稼げる」強力な選択肢が生まれたということです。かつて「まだ東京で消耗してるの?」というフレーズで、地方移住の先駆者となり、仮想通貨分野で飛躍した、インフルエンサーのイケダハヤトさんも、今は烈輝としたユーチューバー。刺激的な言い回し故に賛否はあるそうですが、さすがの嗅覚です。「都会はコスパ悪すぎ」と喝破するその主張は、ブロガー時代から一貫しています。

イケハヤ大学(登録者数 約6.5万人)

とはいえ、誰もがユーチューバーとして生活できるかというと、それは簡単ではありません。しかしながら、クラウドワークスや、ランサーズ、ココナラなど個人のスキルを仕事にするプラットフォームがすでに色々出てきているので、そうした中の仕事の選択肢としての「動画制作」は、かなり主要なものになるはずです。都会か地方かにかかわらず、動画の需要が爆発的に増えるはずだからです。場所を問わない「太い仕事」の選択肢が増えるのは、関係人口創出にも、また移住者にとっても大きなインパクトがあるに違いありません。

長くなりすぎました。(笑) 今回はこのあたりで終わります。
いずれにしても、このYuoTubeがもたらす大きな変化の波に、改めて注目していくべきだと思いました。

文:ネイティブ倉重

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